1万円以下で手に入る、 格付けシャトーの飲み頃ヴィンテージを一挙ご紹介! |
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ボルドーワインの頂点に君臨する5大シャトーの中でも、特に豪勢な3シャトー、ラフィット・ロスチャイルド、ムートン・ロスチャイルド、ラトゥールを擁する銘醸地、ポイヤック。また、5大シャトーのみならず格付けシャトーの水準が軒並み高く、メドック地区のジロンド河沿いから内陸まで競い合うように豪華絢爛なシャトーがひしめく、メドック地区の中心的存在です。
今回はそんなポイヤックでお勧めの厳選6銘柄をご紹介。1万円台で手に入るグレート・ヴィンテージ2009年のシャトー・ダルマイヤックをはじめ、飲み頃を迎えた熟成ボトルが多数揃っています。この機会に是非、ポイヤックの魅力を存分にご堪能下さい。
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豪華格付けシャトーがひしめき合う カベルネ・ソーヴィニヨンの聖地、ポイヤック。 |
ポイヤックはジロンド河左岸のメドック地区に位置しており、北のサン・テステフと南のサン・ジュリアンに挟まれた、総面積1,212haを誇るアペラシオン。ポイヤック村のブドウの他、シサック村、サン・ジュリアン村、サン・テステフ村、サン・ソヴール村の5つの村にまたがっています。メドック格付けの第1級シャトーが3つ、そして2級から5級までの15シャトーを有し、この村の総生産の約8割をこの18シャトーが占める、ボルドーを象徴する銘醸地です。
ポイヤックで栽培されているブドウは、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、メルロが中心。特にカベルネ・ソーヴィニヨンの比率が高く、全体の約7割の畑で栽培されています。水はけが悪く保湿性が高い粘土質土壌の場合、地中の温度が下がってしまい、晩熟のカベルネ・ソーヴィニヨンを熟させる事が難しいのですが、ポイヤックの特徴である砂利質土壌は、ブドウの成長に非常に有利に働きます。また、若いうちはしっかりとしたタンニンが特徴。熟成させることで、この上ない複雑な風味を生み出す、「赤ワイン品種の王者」と呼ばれる上質なカベルネ・ソーヴィニヨンを多く産出しています。
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優れた砂利質土壌の産地。 奥深いタンニンを兼備した濃厚で深遠なスタイル。 |
ポイヤックがなぜこれほどまでに高品質なワインを造りだせるのかは、約100万年前のギュンツ氷河期に運ばれた砂利質の土壌があるから。ボルドー左岸地域のブドウ畑ではよく見られる砂利ですが、特に優良畑とされる場所に多くあります。この砂利がポイヤック全体に、ほぼ一様に堆積しており、他のアペラシオンに比べて堆積層が厚いのです。砂利質は水はけが良いだけでなく、細かい石が太陽の光を反射するため、ブドウ樹が日照効果をより多く得られるのが特徴。また、この厚い砂利層の下に適度な量の粘土が存在する事で水分量を保持し、ブドウの成熟を助けています。
そんなポイヤックの北側には、平坦なメドック地区の中で最も高台の砂利質の丘があり、ここにシャトー・ラフィット・ロスチャイルドとムートン・ロスチャイルドの畑があります。一方、同じく1級シャトーのシャトー・ラトゥールのブドウ畑は、ポイヤックの最南端、丁度サン・ジュリアンの境界線に位置しており、ジロンド河から僅か300m程しか離れていない場所に広がっています。
土壌の性質や標高の高低差など、類まれなテロワールを持つポイヤックから生まれるワインはカベルネ・ソーヴィニヨンをベースとした濃密で芳醇、偉大で気品溢れる仕上がり。長期熟成にも耐えゆる強靭なボディを備えており、これぞボルドーワインの真髄と愛好家を唸らせる程深い味わいが最大の魅力です。
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ポイヤックのおすすめシャトー6銘柄はこちら |
![シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド]() |
ポイヤック髄一の立地を誇るシャトー。 洗練されたエレガンスと力強さを秘めた「ポイヤックの貴婦人」。 |
おススメ!
WE95 / Vinous93 2012年 25,300円(税込)
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メドック格付け第1級「シャトー・ラトゥール」と、同じく第ニ級の「シャトー・ピション・ロングヴィル・バロン」の間に位置するシャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド。エレガンスと力強さを兼備するそのしなやかなスタイルは、「ポイヤックの貴婦人」として一目置かれています。
2012年にモンローズで活躍した若き醸造家ニコラ・グルミノー氏がワインメーカーに就任し、醸造所のリノベーションを実施。区画毎の醸造を厳密に行うことで、より緻密なスタイルに変化。1990年代まではポイヤックの中でも特にメルロの比率が高く、メルロ由来の丸みのあるタンニンが特徴でしたが、徐々にカベルネ・ソーヴィ二ヨンの比率が増え、2013年にはシャトー史上初めてカベルネ・ソーヴィニヨン100%で造られたことで大きな話題となりました。スーパセカンドとして確固たる地位を築いた今でも、現状に満足することなく常に進化を続ける、今後も目が離せない注目のシャトーです。
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![シャトー・ピション・ロングヴィル・バロン]() |
メドックで最も荘厳と言われる力強さを体現するシャトー。 豊潤な果実味と刺激的なタンニン、長い余韻を堪能できる1本。 |
JS96 / WS95 2003年 35,200円(税込)
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ピション・ロングヴィル・バロンは、街道を挟んでピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランドと並んでいます。畑はジロンド川の真南に面し、サン・ジュリアンとポイヤックの境目付近。ラトゥールやレオヴィル・ラスカーズ、レオヴィル・ポワフェレが隣接している素晴らしい場所に位置しています。
実は元々ピション・バロンとピション・ラランドは一つのシャトーでした。2つのシャトーの歴史は17世紀にまで遡ることができます。その時代のボルドーの議会長であったジャック・ドゥ・ピション・ロングヴィル氏によってシャトーの名声が高まり、長い間シャトーはその名声を維持し続けますが、当時の当主であったバロン・ジョセフ・ドゥ・ロングヴィル氏は5人の子供達にシャトーを分割。姉妹たち、男兄弟たちがそれぞれ相続したのが現在の2つのシャトーとなっています。ピション・バロンの方はがっちりとした、壮大で厚みのある、ポイヤックらしい男性的なワインが特徴。力強いピション・バロンながら熟成を経て女性的なエレガントな姿へ変貌する様には、驚かされるものがあります。
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![シャトー・ポンテ・カネ]() |
新しいボルドーワインのスタイルを切り開く革新的シャトー。 華やかなアロマを纏う、芸術的とすら言える甘美な魅力をもった逸品。 |
おススメ!
WA96 / JS96 2017年 23,100円(税込)
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シャトー・ポンテ・カネは、今やロバート・パーカーやジェームス・サックリング、ワイン・スペクテーターが100点満点を与える偉大なシャトー。ビオディナミによって新たなスタイルを確立し、時として樽を抑えたスタイルに挑戦するなど、あらゆる面で挑戦。ボルドー左岸において最も注目すべきシャトーのひとつで、その注目度たるや、ボルドーで現地人に行くべきシャトーを尋ねると多くの人が「ポンテ・カネ」と答えるほどです。
ワイン・スペクテーター誌では「オーナーのアルフレッド・テスロン氏はボルドー左岸において、この10年間で最も注目すべき大転換を行ってきた一人である。ポンテ・カネのクオリティの上昇はすでに第5級を超えている。ムートン・ロスチャイルドやラトゥールのようなポイヤックは値段が非常に上がっているが、ポンテ・カネはパワフルで、長期熟成に耐えるとても丁寧なつくりで、砂利質の厳しい土壌をよく表現している。」とシャトー・ポンテ・カネを称賛。第5級ながらも、その知名度の高さは、ボルドーワインの中でも随一なのも頷ける高い評価を受けています。ポンテ・カネのワインの特徴といえば、なんと言ってもその華やかなアロマ。黒系果実や野性的な香りが入り混じる複雑なアロマが印象的で、長く心地よい余韻があり、芸術的とすら言える甘美な魅力をもったスタイルです。
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![シャトー・ランシュ・バージュ]() |
芳醇な果実味と強靭なボディ。 ポイヤックを代表するスーパーセカンド。 |
おススメ!
JS93 / WE94 2011年 25,300円(税込)
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メドック格付け第5級にもかかわらず、ときにスーパーセカンドとも呼ばれる実力派シャトー、ランシュ・バージュ。シャトーの北側をムートン・ロスチャイルドとラフィット・ロスチャイルドに挟まれ、南側にはピション・ラランドとピション・バロン、ラトゥールが隣接するという抜群のロケーションを誇っています。現オーナーのカーズ・ファミリーは1939年にシャトーの経営を引き継いで以降、4代に渡りシャトーを管理しています。
代々のカーズ家の功績により、ランシュ・バージュの品質は着実に向上し、現在の高い評価を勝ち得ていきました。近年は毎年のように様々な評論家が高得点を連発。その一人、ヒュー・ジョンソン氏は、「ランシュ・バージュは決まって人気の高いシャトーで、今では常に花形のひとつに数えられる。強靭で芳醇。見事に濃密でブラックベリーのフレーバーがある。」と大絶賛し、四ツ星を付けました。造られるワインは、カベルネ・ソーヴィニヨンの比率が高いことにより、タンニンが豊富でまろやかさの中にも厚みがあり、力強い味わい。また開放的で率直、とっつきやすいながらもポイヤックらしさや品格を失わないスタイルは、「貧者のムートン・ロスチャイルド」とも評されるほどの実力派シャトーです。
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![シャトー・ダルマイヤック]() |
シャトー・ムートン・ロスチャイルドの兄弟シャトー。 芳醇でジューシーな果実味溢れるスタイルが魅力。 |
おススメ!
JS92 / Vinous92 2012年 12,100円(税込)
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ムートン・ファミリーを知る入門編と言うべき、メドック格付け第5級のシャトー・ダルマイヤック。その畑はムートン・ロスチャイルドとポンテ・カネに挟まれた素晴らしい場所に位置しています。
18世紀にはダルマイヤック家の所有でしたが、その後何度か所有者が変わり、1933年よりバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルドが所有。その後、シャトー名は4回も変更。最初のダルマイヤックから、ムートン・ダルマイヤック、ムートン・バロン・フィリップ、ムートン・バロンヌ・フィリップと変わり、1989年からこのダルマイヤックとなりました。シャトー・ムートン・ロスチャイルドを長男とすると、シャトー・ダルマイヤックは「バロン・フィリップの三男」として親しまれています。早くから愉しめる溌剌として外交的なキャラクターに加え、1万円台から手に入るお手頃感がその人気の秘訣。ムートンファミリーの入門編に相応しいクオリティの高い味わいながら大変お値打ちなシャトーです。
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![シャトー・クレール・ミロン]() |
シャトー・ムートン・ロスチャイルドの弟分。 ムートンとラフィットに挟まれた絶好の立地から生み出される、 気品漂うエレガントな味わい。 |
おススメ!
JS96 / Decanter96 2016年 14,850円(税込)
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メドック格付け第5級のシャトー・クレール・ミロンは、ムートン・ファミリーの中で次男と称されるシャトー。気品溢れるエレガントなスタイルで、「ムートンの代わりとして十分愉しめる」と定評があります。クレール・ミロンの畑は、ムートン・ロスチャイルドとラフィット・ロスチャイルドの間という絶好のロケーションに位置。ポイヤック北側のジロンド河を見下ろす緩やかな傾斜に、およそ41haの畑を所有しています。畑の近くには川が流れており、ミクロクリマの影響で霜のリスクは少なく、ブドウが非常に良く熟すのが特徴。土壌は主に砂利質や粘土石灰質を有しています。
18世紀までシャトー・ラフィット・ロスチャイルドが所有していましたが、フランス革命を経てクレール家の手に移りました。その後、他に重なる売却や相続によって、土地は細かく分割され荒廃していきました。しかし、そのポテンシャルを見出したバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルドが1970年より所有し、分散されていた畑を次々と買収。畑の整備と再編を行い、品質を大きく改善させました。2007年には新たな醸造設備を設立するなどの変革を実施。近年では、2017年に高密植のブドウ畑に、除草剤を使わず雑草を処理するために、「TED」と呼ばれるロボットを試験的に導入しています。今尚、様々な改革によって品質を向上し続けるシャトー・クレール・ミロンは、「メドックの新たなお手本的存在」として注目を集めています。
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