その見た目の美しさや食事との相性の良さで、普段のお食事から大切な人へのプレゼントまで、様々なシーンで活躍してくれます。
しかし一言にロゼワインと言っても価格や味わい、生産地など種類がたくさんあって、どれを選べばよいのかわからず困ってしまったという経験はないでしょうか。
今回はロゼ好きソムリエが、ロゼワインの魅力であるフードフレンドリーさに注目し、合わせるお料理別(お肉料理、お魚料理、スイーツ)に、おすすめのロゼワインをランキング形式でお伝えします。
今回のランキングは、以下の2つをポイントに選定しています。
1.料理との相性の良さ
料理の邪魔をしないのはもちろんのこと、そのワインと料理を合わせることで、双方の美味しさが引き立つような組み合わせであるかをポイントに選んでいきます。
2.価格手軽さが魅力のロゼ
今回は、1を考慮した上でより価格の安いものを評価しています。
世界的ブーム!
世界中で人気が高まってきているロゼワインですが、一体どれほどブームとなっているのでしょうか。
2002年に18.9mhlだった世界のロゼワイン消費量は、2014年までに約20%増加し、22.7mhlに達しました。
特にワイン大国フランスでは、ロゼは非発泡性ワインの総消費量の30%を占め、白ワインを抜いて赤ワインに次ぐ第2位に。
世界最大のロゼワイン産地で、リゾート地でもあるフランス プロヴァンス地方では、ロゼワイン片手にビーチでバカンスを楽しむ姿が多く見られます。
また、アメリカでは「ミレニアル世代(1980年前後から2005年頃にかけて生まれた世代)」を中心にロゼワインの消費が拡大。
ホームパーティーやBBQなどカジュアルなシーンでの消費量が高まり、現在ロゼワインの消費量において、アメリカはフランスに次ぐ第2位となっています。
これらのことから、世界中でいかにロゼワインの人気が高まっているのかがわかります。
ブームの理由は?
ではなぜロゼワインがこんなにも流行しているのでしょうか。
様々な理由が考えられますが、ロゼワインには大きく分けて以下の3つのような魅力があるからだと言われています。
- SNS映えする外観
- ライトさ
- フードフレンドリーさ
SNS映えする外観
その美しいピンクの色調は、まさにインスタ映え!
アメリカのミレニアル世代は、SNSを通じてロゼワインのチャーミングで華やかな見た目を世界中に発信しています。
ライトさ
ロゼワインの人気の秘訣は、その気軽さも大きな理由の一つです。
氷を入れてオンザロックで楽しんだり、ジュースと割ってカクテルにしたりと、常識に捕らわれない自由なスタイルが、ワイン好きだけでなく、普段はワインをあまり飲まないという方も虜にしています。
ロゼワインのカクテルレシピを知りたい方は下記の記事内でご紹介しております。ぜひご覧ください。
フードフレンドリーさ
赤ワインと白ワインの良いとこ取りとも言われるロゼワインは、幅広い料理と合わせることができます。
生ハムやサラミなどシャルキュトリーとの定番の組み合わせ以外にも、中華やエスニック料理などスパイスの効いたお料理と合わせるのもおすすめ。
マリアージュに頭を悩ませることなく、気軽に今日の1本を選ぶことができます。
これらをはじめとしたロゼワインの魅力が、今のロゼワインブームを形作っています。
ロゼワインの選び方
続いては、ロゼワインの選び方をご紹介します。
数あるロゼワインの中から、今日の食事や気分に合わせて選ぶためにはいくつかポイントが。そこさえ押さえれば、ロゼワイン選びがぐっと楽になりますよ。
- 甘口or辛口で選ぶ
- 「淡い・濃い」色合いで選ぶ
- 産地の特性で選ぶ
甘口or辛口で選ぶ
1980年代、日本では甘口のワインが大流行したことから、「ロゼワイン=甘口」のイメージをお持ちの方も多いかと思います。
しかし、今のロゼワインは辛口タイプがトレンド。実はお店に並ぶロゼワインもほとんどが辛口なのです。
白ワインと赤ワインの中間的存在の辛口ロゼワインは、幅広いタイプのお食事と合わせることができます。
和食・洋食だけでなく、中華やアジアンフードなど、スパイスの効いた食事とも好相性。「今日はどのワインにしよう」と迷ったら、辛口ロゼワインを手に取ってみてください。
一方、甘口のロゼワインは前菜やデザートに合わせて楽しむのがおすすめです。
アルコール度数も低いことが多く、果実の甘みをダイレクトに感じられるため、普段はワインをあまり飲まないという方にもおすすめ。
しっかり冷やしてマカロンやフルーツタルトと合わせてみてください。
しかし甘みが口の中に残るので、普段の食事に合わせるには少し注意が必要です。
「淡い・濃い」色合いで選ぶ
ロゼワインの色合いには、製法が大きく関わっています。製法は大きく分けて2つです。
白ワインと同様の製法で造る方法と(直接圧搾法)と、赤ワインを造る工程で、ほんのり色づいたところで仕上げる方法(セニエ法)です。
例えば、白ワインと同様の製法で造られているものは、色合いやタンニンが比較的軽く抽出しているものが多い為、味わいも爽やかで軽快な印象です。
プロヴァンス地方もこの生産方法に代表されます。
一方ボルドーに代表される濃いピンク色のロゼワインは、セニエ法で造られるものが多くしっかりとしたタンニンを感じる、パワフルな味わいに仕上げられています。
生産者によって差はありますが、白ワインが合うような和食や軽めのお食事の際は、淡い色合いのロゼワインを。
しっかりボリュームのある食事の際は、濃い色合いのロゼワインを選ぶと、失敗がなくなりますよ。
産地の特性で選ぶ
ロゼワインは、生産する地域によって特徴が異なります。
例えば、プロヴァンス地方のロゼは辛口のものが一般的で、淡いサーモンピンク色をしています。フルーティーで爽やか、早飲みタイプのものが多く、しっかり冷やしてサラダやフレッシュチーズのような軽いお食事と相性抜群です。
一方で、同じフランス国内でもボルドー産のロゼワインはセニエ法で造られるものが多い為、色が赤ワインに近いしっかりとした色味のものが多く、タンニンを感じられる力強い味わいです。
食事もボリュームのあるお肉料理や中華料理などがおすすめ。
フランスだけでなく、スペイン、アメリカ、イタリアの国々や、チリ、アルゼンチンなどのニューワールド、もちろん日本でも造られています。
その日の気分やシーンに合わせて、食事のメニューを決めると、生産地の特性からワインが選びやすくなりますよ。
ペアリング別ランキングはこちら!
それではランキングを発表します!
今回は【お肉料理】【お魚料理】【スイーツ】の3部門で選出しました。
ランキング以外にも、ロゼワインと世界各国の料理とのペアリングを知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
お肉料理に合わせて楽しむ 3選
お肉料理には、比較的色の濃いボリュームのあるロゼワインが好相性です。
定番のシャルキュトリーだけでなく、豚しゃぶやローストビーフなどのメインに合わせても楽しむことができますよ。
定番のシャルキュトリーだけでなく、豚しゃぶやローストビーフなどのメインに合わせても楽しむことが出来ますよ。
3位 クラレンドル・ロゼ
クラレンス・ディロン・ワインズが造る、ボルドー産ロゼワイン。メルロをはじめとしたボルドーブレンドで、芳醇ながらも上品な味わいです。
おすすめはチンジャオロースや、ホイコーローなどのお肉とお野菜を使った中華料理。食欲をそそる香辛料の香りや味わいと、ボリュームのあるボルドー産のロゼワインが好相性です。口中の油っぽさをロゼワインの爽やかな酸やタンニンがさっぱりと洗い流してくれるので、お箸が止まらなくなりますよ。
2位 グレイス ロゼ
山梨県 明野・三澤農場産の丹精込めて育てたブドウを100%使い、セニエ方式で仕込んだ辛口ロゼワインです。赤みの強いチェリーピンクの色調が目に鮮やかなこのワインは、メルロをはじめとしたボルドーブレンドでボリュームのある味わいです。
豚の角煮や和風ソースのハンバーグなど、お肉料理の中でもやはり和の味付けのものがおすすめです。
1位 ロザート・カベルネ・ソーヴィニヨン
スペイン産、カベルネ・ソーヴィニヨンを100%使用したパワフルな辛口ロゼワインです。ストロベリーやラズベリーなどの果実のアロマに加え、仄かにペッパーの香りが漂います。
特にローストビーフや、ラムのグリル、ステーキなどの赤身肉と相性が良いです。このペアリングのポイントは、あまりワインを冷やしすぎないこと。10~14℃の温度で、ワインのコクを引き出しで上げると、お肉との相性がぐっと高まります。ボルドーグラスなど大ぶりなグラスで飲むと、より香りやタンニンを楽しむことができますよ。
お魚料理に合わせて楽しむ 3選
お魚料理には淡い色味のロゼワインや、フレッシュな果実味を感じる軽めのロゼワインが好相性です。
3位 カイケン・スパークリング・ロゼ・ブリュット
チリのトップワイナリーであるモンテス社がアルゼンチンで造り出す、ドライなロゼスパークリングです。2年以上の瓶内熟成を経て造られる、まるでシャンパーニュのようなリッチな味わいが魅力。
こちらのロゼスパークリングにおすすめしたいのは、お魚の中でも比較的ボリュームを感じられるサーモンを使ったお料理です。フライにした時のパン粉の香ばしさとサーモン特有の上品な脂ののりともっちりとした食感を、このドライなロゼワインが引き立てます。
2位 3055ロゼ
スペインで造られる、有機栽培の畑のブドウを使用したオーガニックロゼワインです。ピノ・ノワール由来の上品なアロマが魅力で、引き締まった酸が特徴です。
このワインと合わせたいのは、生牡蠣やカルパッチョなど生の食材。レモンを絞る代わりに、ロゼワインの酸味と合わせてみてはいかがでしょうか。ワインの酸がしっかり感じられるように、ワイングラスはやや小ぶりなものがおすすめですよ。
1位 カラフリア
イタリア プーリアの潮風感じるフルーティーな辛口ロゼワインです。
前菜からメイン料理まで、とにかく魚介との相性が抜群なこのワインですが、特におすすめしたいのはエビを使った料理です。イタリアの土着品種であるネグロ・アマーロ由来の豊かな果実味が、旨味の強いエビと好相性。
グリルなどシンプルな味付けのものはもちろん、エビチリやガーリックシュリンプなど個性的な香り、味付けのものまで合わせられますよ。
スイーツに合わせて楽しむ 3選
スイーツに合わせるならば、甘口タイプか軽めのスパークリングワインがおすすめです。
3位 モンテス・シェラブ・ロゼ
こちらは、チリ最高峰ワイナリーが造る辛口ロゼワインです。NIKKEIランキングでワインのプロにも認められた実力を持つ、コストパフォーマンスに優れた1本。
シラーとグルナッシュをブレンドして造られるこちらのワインですが、合わせるスイーツはしっかりシナモンの効いたアップルパイがおすすめです。シラー由来の赤果実の味わいとスパイスを感じるアロマが、アップルパイの旨味を引き立てます。キリっと冷えたロゼワインと、焼き立てのアップルパイを合わせてみてください。
2024年
2,530 円
(税込)
2位 ベルスター・キュヴェ・ロゼ
見た目も可愛らしい、イタリア産の辛口ロゼスパークリングです。フレッシュな赤系果実の味わいが口いっぱいに広がります。
おすすめのスイーツは、ベリーやカシス、桃のシャーベット。合わせて飲んでも、大胆にシャーベットの入った器にスパークリングを注いでも楽しめますよ。
1位 モスカート・ローザ
オーストラリア産の、やや甘口タイプの微発泡ロゼワイン。柔らかな甘みと、フレッシュな酸が見事に調和しています。
合わせるスイーツはチェリーやブルーベリーがのった、フルーツタルトがおすすめです。
まとめ
今まさにトレンドとなっているロゼワイン。
その背景には外観の美しさはもちろんのこと、気軽に楽しむことが出来るライトさと、フードフレンドリーな味わいがありました。
ワインだけでももちろん楽しむことができますが、食事とのペアリングに挑戦することで、よりワインライフを充実させることができますよ。
ロゼワインだからこそ楽しめる食事との無限の組み合わせ。
自分の好きな料理や旬の食材などに合わせて、お気に入りの組み合わせを探してみてはいかがでしょうか。
ロゼワイン一覧はこちら