人気シャトーの新着銘柄含め、 1万円前後で手に入る、格付けシャトーが勢揃い。
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格付け第1級であるシャトー・マルゴーを筆頭に、シャトー・パルメなど圧倒的人気のシャトーを有し、世界のワインラヴァーを魅了し続けるアペラシオン、マルゴー。
一般的にマルゴーのワインは「女性的」=「ソフトなワイン」と思われがちですが、実はその本質は芯が通った凛としたしなやかな強さ。ボルドー随一の香り高さと柔和さ、そして堅牢さとエレガンス。これら相反する要素が類稀なるレベルで一体となって生み出される美酒こそが、マルゴーアペラシオン最大の魅力なのです。
また、ポイヤックやサン・テステフに比べて格付けシャトーが多く存在し、1万円前後という比較的お値打ちな価格帯で格付けシャトーが手に入るのもマルゴーの魅力のひとつ。今回は、メドック格付け第2級のローザン・セグラや、第3級のマレスコ・サン・テグジュペリのバックヴィンテージなど、おすすめの7銘柄をご紹介!この機会に是非、マルゴーアペラシオンの魅力を存分にご堪能下さい。
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ボルドー随一の格付けシャトーを有するアペラシオン、マルゴー。 |
メドックの最も南、ジロンド河の上流に位置するアペラシオン、マルゴー。このアペラシオンは、マルゴー村、スーサン村、カントナック村、ラバルド村、アルザック村の5つの村にまたがります。面積はメドックの9%にあたる1,350ha。全79の生産者のうち、21シャトーが格付けという、ボルドーで最も多くの格付けシャトーを有するアペラシオンです。
マルゴーの特徴は、メドックの中でも温暖であること。さらに土壌の種類が他のアペラシオンよりも多いことがあげられます。土壌は、砂、粘土質、石灰質、砂利質の4種類があり、さらに砂利だけにおいてもシャトー・マルゴーの場合、白、灰、黄色、赤、黒といった豊富な色調があります。砂はアルザック村やスーザン村に多く見られ、粘土質はラバルド村、マルゴー村とカントナック村には砂利が多く、格付けシャトーのほとんどがこの2つの村に集中しています。
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「マルゴーの基本は、カベルネ・ソーヴィ二ヨンの偉大さにあり。」 堅牢さとエレガンスが一体となって生み出される美酒。 |
砂利が多く、表土が浅いマルゴーはカベルネ・ソーヴィ二ヨンの栽培に最も適したアペラシオンであり、シャトー・マルゴーの元支配人、故ポール・ポンタリエ氏曰く、「マルゴーの基本は、カベルネ・ソーヴィ二ヨンの偉大さにあり。」と述べていたほどです。
マルゴーの華やかさを生み出すには、この上質なカベルネ・ソーヴィ二ヨンの存在は必要不可欠となります。若いうちは味わいに骨格を与え、熟成を経るにつれて、より繊細できめ細かいタンニンと妖艶なアロマを生み出します。
一方、マルゴーではメルロの比率が多いのもまた事実。それは、メドックでは例外的に、石灰質土壌が存在することが関係しています。石灰質土壌は、ワインに伸びのあるキリッとした酸やタイトなタンニンを与え、特に石灰質土壌に植えられたメルロは、気品ある構造や余韻を与えてくれます。
また、マルゴーのシャトーの多くは、畑の区画が異なるエリアに分散しているのも特徴。複数の村にまたがる様々な土壌タイプが組み合わさることでマルゴー特有の複雑味が現れ、堅牢さとエレガンス、これら相反する要素が類まれなるレベルで一体となって生み出されるのです。
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マルゴーのおすすめシャトー7銘柄はこちら |
![ローザン・セグラ]() |
シャトー・マルゴー、パルメに次ぐマルゴーのトップシャトー。 並々ならぬ品質管理を貫く「シャネル」が手掛ける、 気品と強さを兼ね備えたスタイル。 |
新着!限定24本
WE93 / DECANTER93 2006年 22,000円(税込)
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1855年のメドック格付けでは、シャトー・ムートン・ロスチャイルドに次ぐ、格付け2級の筆頭として高評価を獲得したシャトー・ローザン・セグラ。1960年~1970年台にかけて一時低迷していましたが、1983年にオーナーが変わったことで新しいワイン蔵の建設、発酵槽をステンレス製に一新するなど大改革が行われ品質が一変。その後、1994年ファッションブランド「シャネル」が所有者となると、減農薬農法を取り入れるなど、ブドウの品質管理が徹底して行われるようになり以前の輝きを取り戻しました。 また、「シャトー・ラトゥール」の支配人を経験したイギリス人、ジョン・コラサ氏により排水設備の整備とプティ・ヴェルドの植樹を行い、更にクオリティが上昇。
その結果、フェミニンで気品溢れるテイストでありながらも、スパイシーさや凝縮感があり、マルゴーのアペラシオンの特徴である「強さ」をしっかりと表現した芯のあるスタイルに仕上がっています。
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![デュルフォール・ヴィヴァン]() |
かつてシャトー・マルゴーの一部として使われていた畑。 高いカベルネ比率が生み出す、精妙なフィネスを備えた格調高い仕上がり。 |
おすすめ!
WE93 / JS91-92 2010年 16,500円(税込)
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北にはシャトー・マルゴーの畑、南にはシャトー・パルメの畑が広がる、絶好の立地に位置するシャトー・デュルフォール・ヴィヴァン。日本での知名度は高くないものの、1855年のメドック格付けでは、第2級に選定されています。しかし1937年から1961年までシャトー・マルゴーが所有していた為、シャトー・マルゴーやパヴィヨン・ルージュの一部にブドウが使われており、「シャトー・デュルフォール・ヴィヴァン」という名前でワインは造られていませんでした。長く低迷した時期がありましたが、1992年より現在のゴンザッグ・リュルトン氏がオーナーとなり、大きく設備投資を行った結果、1995年から「シャトー・デュルフォール・ヴィヴァン」として再販され、シャトーは完全な復活を遂げました。
シャトー・デュルフォール・ヴィヴァンのスタイルは、シャトー・マルゴー同様、メルロの比重を減らしカベルネ・ソーヴィニヨン主体で仕立てるというもの。カベルネ・ソーヴィニヨンの優美な一面を見事引き出し、格調高い上品なスタイルに仕上げています。格付け第2級でありながら1万円台で手に入る、ボルドーラヴァーには見逃せないお値打ちシャトーの1つです。
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![シャトー・ブラーヌ・カントナック]() |
ボルドー随一のエリートファミリーが手掛けるシャトー。 隙のないクラシックなマルゴースタイルを表現した 芳醇でグラマーな味わいが魅力。 |
おすすめ!
WE93 / Decanter93 2011年 11,000円(税込)
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ブラーヌ・カントナックは、カントナックの台地にあり、75ha近いメドック地区でも最大級の面積の畑を管理しています。父のルシアン・リュルトン氏からこのシャトーを引き継いだアンリ・リュルトン氏が世界のワイナリーでの経験を生かし自ら醸造を取り仕切り、特にマルゴーらしいしなやかなテイストを表現。ブドウの品質管理は実に厳格で、1haあたり8,000本という密植の高さかつ、1haあたり45hlの低収量に抑えており、ヴィンテージの良し悪しに左右されない常に安定したクオリティを維持しています。2010年からは畑の一部でビオディナミ農法を採用。生体系と環境に配慮した持続可能なワイン造りを実践しています。
黒系果実のアロマにバニラや木樽の香り。カントナック村の特徴であるスパイスのニュアンスも感じ取れます。若いヴィンテージでもタンニンのきめが細かく、滑らかな口当たり。余韻は非常に長く、キレのある酸が全体を綺麗にまとめ完璧なバランスを保っています。
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![シャトー・マレスコ・サン・テグジュペリ]() |
スーパーセカンドをも凌駕する圧倒的な凝縮度の高さ。 バランスの取れた樽使いが魅了する個性的なシャトー。 |
おすすめ!
JS93 / WS92 2006年 14,300円(税込)
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「星の王子様」の作者の曽祖父、ド・サン・テグジュペリ伯爵がかつて所有していたシャトー。現在の所有者であるズガール家の情熱により、1990年代から大きく品質が向上しています。シャトー・マレスコ・サン・テグジュペリが位置するのは、マルゴー村。畑の一部はかのシャトー・マルゴーに隣接している抜群のロケーションを誇ります。
土壌は粘土質や泥土室の母岩の上にある砂利質から成り、ブドウの根が深く張っていることから、ワインはより凝縮感のあるスタイルに。更に、マルゴーの土壌にはワインにミネラル感を与える場所があり、シャトー・マレスコ・サン・テグジュペリも僅かに塩味を感じます。特質すべきは、何といっても新樽率の高さ。テロワールに力があることから、新樽率100%にも関わらず、樽の香りが全面に出すぎることなく、骨格がありながらも全体を包み込むようなクリーミーな口当たりに仕上がっています。
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![シャトー・ジスクール]() |
抜群のコストパフォーマンスを誇る人気シャトー。 パッと広がる華やかなアロマと凝縮感。 豊富なタンニンが全体を引き締めるメリハリの良さが魅力。 |
おすすめ!
WE94 / VINOUS92 2012年 12,100円(税込)
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メドックのなかでもひと際美しいシャトーを所有することでも有名なシャトー・ジスクール。マルゴー村の南端に位置しており、オー・メドックのエリアも含め、総敷地面積300haの広大な畑を所有しています。ワイン造りの歴史は1330年まで遡り、かつてはルイ14世に献上されていたと記録されています。「1970年代においては、『はずれ年』でも、ジスクールは品質の点でボルドーの大半の著名なシャトーのものを上回っていた。」と ワイン・アドヴォケイト誌で賞賛されるほど。ヴィンテージに左右されず、常に卓越したワインを造っているのは、ジスクールの畑がバラエティーに富んだ砂利が堆積した小高い丘の上に位置していることが大きく関わっています。
ジェネラル・マネージャーのピーク氏曰く、「ジスクールはジロンド川に近く、水はけがいい。そのお陰で、シルキーでソフトなタンニンと、しっかりした骨組みを備えるエレガントな性格に仕上がる。」とのこと。ジスクールの栽培面積は60%のカベルネ・ソーヴィニヨンと32%のメルロが主体で、伝統的にカベルネの性格がよく表れるスタイルが特徴です。
若いうちからブルーベリーやスミレを思わせるアロマが広がり、口に含むと凝縮した果実味が印象的。甘みを感じるほどジューシーで濃厚な味わいをタンニンがギュッと引締め、メリハリあるスタイルに仕上げています。熟成を経ることで、黒系果実のアロマに腐葉土や杉の香りが加わり落ち着いた印象になり、しなやかで優雅なスタイルへと変貌を遂げます。
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![シャトー・ディッサン]() |
偉大なフィネスを備えた唯一無二のシャトー。
長期熟成を経てこそ真価を発揮する、奥深く滋味溢れるスタイル。
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新着!限定24本
WE94 / DECANTER94 2014年 13,200円(税込)
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1152年、イギリスのヘンリー2世の結婚式で振る舞われたのがこのシャトー・ディッサン。1644年に建造された城壁が今なおブドウ畑を取り巻いており、1970年にはクルーズ家が行った改修工事によって、シャトーはフランスの歴史的建造物に登録されました。
シャトー・ディッサンが位置するのは、マルゴーの中心部。畑が広範囲に渡って分散していることがほとんどのマルゴーでは珍しく、シャトー・ディッサンの畑は一か所にまとまっています。土壌は主として、表面は河川礫層、地下深くは粘土で構成されており、そこから造られるワインは、奥ゆかしく滋味深い味わい。鉄っぽさのある果実味に樽香が溶け込んだ心地良い口当たりは気品を感じさせます。酸とタンニンのバランスが良く円熟した味わいは、ひとつの畑からのみ造られる、唯一無二のスタイルです。
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![シャトー・デュ・テルトル]() |
最もお値打ちな格付けシャトーの1つ。 マルゴー南部の軽やかさと優雅さが共存した親しみやすいスタイル。 |
おすすめ!
WE95 / Vinous92 2017年 8,250円(税込)
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ボルドー格付けシャトーの中でも、もっともお値打ちなシャトーの1つと言われるシャトー・デュ・テルトル。「テルトル」とはフランス語で「高台」を意味しており、その名通り、 シャトーはマルゴーのアペラシオンで最も高い台地に位置しています。1997年にシャトー・ジスクールも所有するアルバタ・イエルヘルスマ氏が購入し、劇的に品質が向上。シャトー・ジスクールの兄弟シャトーとして人気を集めています。
同じオーナーによって、栽培も醸造も同じ方法で造られているものの、シャトー・ジスクールとテルトルの味わいは全く異なります。標高38mという高台に位置するテルトルの畑は、砂利と軽い砂の土壌から成り、地下7m下まで粘土は出現しません。このような土壌から造られるワインは、チャーミングで滑らかなスタイルが特徴。肉厚で凝縮感溢れるジスクールに対して、純度が高く、比較的若いうちからエレガントなスタイルが堪能できます。
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