真夏の赤ワインセール

世界遺産の丘にひしめき合う歴史ある銘醸地『サン・テミリオン』

サン・テミリオンは、ローマ時代からのワイン造りの歴史があるメルロを主体とした銘醸地。右岸地域で唯一の公式格付けを設けていることでも有名です。複雑で変化に富んだ土壌から、凝縮された果実味としなやかな口当たりを備えたワインが造り出されています。

目次

歴史ある銘醸地、サン・テミリオン

シャトー・カンテュス

サン・テミリオンは、ドルドーニュ川右岸に位置する歴史的な町サン・テミリオンを拠点に広がるワイン産地。ドルドーニュ川の支流バルバンヌ川を挟んで北側には、サン・テミオンの名がつく4つのA.O.C.があり、それらをサン・テミリオン衛生地区と呼んでいます。


ボルドー右岸と呼ばれるエリアの中でもサン・テミリオンは非常に広大で、5,000haの土地に約1,000ものシャトーが密集。A.O.C.サン・テミリオンはサン・テミリオンの町を中心とする9つの市町村に認められており、1999年にはリブルヌ市を除く8町村が世界で初めてワイン産地としてユネスコの世界遺産に登録されました。


ボルドーの気候は大西洋を流れる暖かなメキシコ湾流の影響により温暖な海洋性気候ですが、サン・テミリオンは他のエリアに比べて内陸に位置するため、昼夜の気温差はやや大きくなります。


土壌はサン・テミリオンもその衛生地区も概ね石灰岩を母岩にもつ粘土石灰質ですが、サン・テミリオンの丘の斜面や台地、ドルドーニュ川に近い平野部などで土壌は異なり、同じサン・テミリオン内でも複雑で変化に富んでいます。

原則10年に一回見直される、サン・テミリオンの格付け

サン・テミリオンの格付け

サン・テミリオンの格付けは、1955年に制定。第一特別級A、第一特別級B、特別級という3つの級が設けられており、1969年・1985年・1996年・2006年・2012年・2022年と原則10年に一度見直しが行われる点がメドック格付けとの大きな違いとなっています。


ボルドー以外の産地のINAOメンバーら7人の専門家がテロワール、評価、価格、栽培手法、醸造などを審査し、さらに直近の10ヴィンテージ、第一特別級は直近の15ヴィンテージのテイスティングが行われます。


2006年に見直しが行われた際には、降格を不服とした複数のシャトーが申し立てを行うという騒動が発生。結果、取り消し判定が出されたため、1996年の格付けが2011年ヴィンテージまで延長されるという異例の事態に。2012年には晴れて格付けが確定しました。


2022年に格付けが見直され、第一特別級Bが12シャトー、特別級には71のシャトーが認められました。第一特別級Aとして、シャトー・フィジャック、シャトー・パヴィの2シャトーが認められましたが、このタイミングで2012年に第一特別級Aに君臨していたシャトー、オーゾンヌ、シュヴァル・ブラン、シャトー・アンジェリュスが格付けを脱退。ワイン界の大きな動きとして話題となりました。

複雑で変化に富んだ土壌が造り出すふくよかな味わい

ブドウ

サン・テミリオンで栽培されている主なブドウ品種はメルロ。メルロを主体に、カベルネ・フランやカベルネ・ソーヴィニヨンをブレンドし造られています。一般的にサン・テミリオンのワインは、ボルドー左岸のカベルネ・ソーヴィニヨン主体で造られる力強くタンニンが豊富なワインに比べて、柔らかく滑らかでふくよかなワインとなるのが特徴的です。


サン・テミリオンは大きく二つの地域に分けられます。一つは「コート」と呼ばれるサン・テミリオンの町を囲む石灰岩系の丘陵地帯。一方は、ポムロルと隣接する北西部の「グラーヴ」で、言葉の通り石灰質と砂利・粘土質の土壌です。


粘土石灰質土壌の「コート」はメルロの栽培に適しており、芳醇でまろやかなタンニンが特徴のワインが生まれます。一方、粘土砂利質の「グラーヴ」ではカベルネ・フランやカベルネ・ソーヴィニヨンが多く栽培されており、繊細ながら長期熟成に耐えうるワインが生み出されています。


海の影響を受けにくく寒気が溜まりやすいサン・テミリオンでは、土壌が冷たくなるため晩熟のカベルネ・ソーヴィニヨンには不向きと言われてきましたが、近年は温暖化の影響で、粘土石灰質「コート」の土壌ながらカベルネ・ソーヴィニヨンに植え変える生産者も増えています。

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