シュロス・フォルラーツは、1218年創立というとても長い歴史を持つ、ドイツ・ラインガウ地方の名門ワイナリーです。ラインガウはライン河とマイン河の分岐点付近の北側の南斜面に位置する地域で、ドイツワインの中でも最も華やかで偉大なワインを産出するといわれています。濠に囲まれた美しいフォルラーツ城は14世紀前半に、今日のワイナリーの基礎を築いたグライフェンクラウ伯爵一族の邸宅として建てられました。当時、フォルラーツのワインは貴重な嗜好品としてライン河流域の街やドイツ北部の地方に出荷されていました。
一般的にドイツのワインは、ブドウの生産地である「村名」と「畑名」をラベルに表記しています。そのうち特に優れた銘醸畑として、村名を省略し、畑名だけを表記することが許されている特別単一畑があります。その特別な畑は「オルツタイルラーゲー」と呼ばれ、その数はなんと3,000以上もある畑の中でたった5つしかありません。
その5つの中のひとつの畑がシュロス・フォルラーツであり、まさにドイツ版5大シャトーのひとつといえるでしょう。シュロス・フォルラーツは由緒正しき名門のワイナリーの名前でもあり、銘醸畑の名前でもあるのです。 1999年より、かつて国立ワイン醸造所のディレクターを務めていたロヴァルト・ヘップ氏が栽培・醸造責任者に就任。もともと定評のあった辛口ワインに加えて、近年はアウスレーゼ以上の甘口高級ワインの革新も行っています。
城を取り囲む畑は1650年以降、ワイナリーの繁栄と共に拡張し現在は60ヘクタールを所有しており、1か所にまとまった畑としてはラインガウ最大の規模を誇ります。ブドウは日当たりの良い南向きの斜面の畑に植樹され、リースリングに特化した最高品質のものが生み出されています。
高品質のリースリングを生み出すために、収穫量は厳しく調整されています。また、人の手によって収穫されたブドウは、リースリングが持つ特有の果実味、香り、ミネラル感が最大限に引き出されるように醸造されています。
ロヴァルト・ヘップ氏が就任してから近代的な設備に一新。長い時間をかけ低温発酵を行うなど細やかな温度管理、醸造管理がなされています。