知っておきたい!シャンパンとスパークリングワインの違い

発泡していてシュワシュワ泡が弾けているワインは全てシャンパンだと思っていた──そういう話をよく耳にします。

フルートグラス入った液体から立ち上る泡。キラキラ弾ける泡とオシャレな雰囲気で、ちょっとラグジュアリーなひとときを過ごすにぴったりのワインはシャンパンに違いない……! と思うのは当然のことですが、実はそれぞれ種類があり、別の名前で呼ばれています。

今回はよく間違えがちな「シャンパン」と「スパークリングワイン」の違いについてご紹介します。

シャンパンはフランス・シャンパーニュ産のみ

瓶詰め

発泡しているワイン全般を日本ではスパークリングワインといいます。

そして、その中に多くの種類が細分化されています。フランスの場合はスパークリングワインを「ヴァン・ムスー」と呼び、微発泡のものを「ペティヤン」、シャンパンと同じ瓶内二次発酵方式でつくられたものを「クレマン」と呼びます。

シャンパンと呼ばれているものは、フランス北部にあるシャンパーニュ地方で生産され、さらにフランスのワイン法でシャンパンの名前を自称してもよいと認定されたものに限ります。この規定は厳しく、原料となるブドウの産地にはじまり、収穫の方法、瓶詰め後の熟成期間、醸造方法、使用可能品種など細かく定められています。

例えば、シャンパンに使用できる品種はシャルドネ、ピノ・ノワール、ムニエを中心に、プティ・メリエ、アルバンヌ、ピノ・グリ、ピノ・ブランの7種類と決められていますが、もしアリゴテを使ったシャンパンが造りたかったとしても実現はせず、その場合はただの「ヴァン・ムスー」となります。

また、シャンパンには17世紀から続く長い歴史があります。

その昔、発泡しているワインは失敗作だとされていた意識をガラリと変えさせるほど質を向上させたり、複数の収穫年のリザーヴワインを混ぜることで味の安定をはかったり、社交界で流行が始まりフランス王の受洗式や戴冠式の祝宴で飲まれるようになったりと、今日私たちが手にしているシャンパンは美味しいものを求め続けた造り手やインフルエンサーたちの努力の結晶となっています。

スパークリングワインの製法

スパークリングワイン

シャンパンは、クリーミィな泡を発生させるための瓶内二次発酵である「トラディショナル方式」(シャンパンのみシャンパン方式という名称)が採用されています。

しかし、世の中に流通するスパークリングワインは特に泡を発生させるこの過程について簡略化した方法を採用しているものが多くあります。

例えば同じ瓶内二次発酵でも、「トランスファー方式」は後の工程で滓引きと冷却を加圧下のタンク内で行い、再び瓶の中に戻すという方法で「トラディショナル方式」に近い味わいを実現しつつ、コストの軽減をはかっています。

他に、二次発酵を瓶内ではなくタンク内で行う「シャルマ方式」、発酵途上の醪(もろみ)を瓶に入れ密閉して、残りの発酵を瓶内で継続させる「リュラル方式」(田舎方式)、瓶に入ったワインにガスを注入する「ガス注入方式」があります。

スペインのスパークリングワインは?

プロジェクト・クワトロ・カヴァ

スパークリングワインの王様と言えばシャンパンですが、非常に手間暇がかけられていることや、高い人気でブランド力が群を抜いているために、お値段もそれなりです。

シャンパンよりも手軽かつ丁寧な造りで多くの人を魅了してやまないスペインの「カバ」は、シャンパーニュで得た技術をスペインに持ち帰ったホセ・ラベントスが1872年にシャンパンと同じ方式で生み出したとされています。

スペインではスパークリングワインが「エスプモーソ」、微発泡のワインを「ヴィノ・デ・アグーハ」と呼ばれており、瓶内二次発酵で造られるもので、法律でカバD.O.に認定されたものが「カバ」となります。

さらに2016年からはスペインの農林水産省により特級格に認定された12の畑から造られる「Vino de Paraje Calificado」(ヴィノ・デ・パラへ・カリフィカード)が誕生しており、これについてはシャンパン並のお値段となっています。

「カバ」とシャンパンの大きな違いは主要品種です。カバにはシャンパンに使用されるシャルドネやピノ・ノワールも使用可能ですが、スペインの土着品種であるマカベオ、チャレッロ、パレリャーダを主要3品種としており、味わいもシャンパンよりはカジュアルで気軽に飲めるものが多い傾向にあります。また最低熟成期間もシャンパンの15カ月に比べ半年短い9カ月からとなっています。

そして何と言っても魅力なのは1,000円を切る価格のものから市場に出回っており、ワインを飲みなれた消費者にも納得させる味わいのものが多くため、近年日本ではブームとなっています。

イタリアとドイツでは?

ベラヴィスタ

イタリアではスパークリングワインが「スプマンテ」、微発泡のワインが「フリッツァンテ」と呼ばれています。

ワイン法により地域レベルでスプマンテの製法が違い、例えばロンバルディア州ではシャンパンと同じトラディショナル方式の「フランチャコルタ」が造られています。これはシャンパンよりも最低熟成期間が長く、非常に厳しい規定をクリアしたワインで、風味豊かかつコクのある味わいとなっています。

ヴェネト州の「プロセッコ」やピエモンテ州の「アスティ・スプマンテ」、エミリア・ロマーニャ州とロンバルディア州発で世界的に人気の高い「ランブルスコ」はシャルマ方式で造られており、世界中の食卓を賑わせる気軽なスパークリングワインとなっています。

ドイツではスパークリングワインが「シャウムヴァイン」、微発泡のワインが「パールヴァイン」と呼ばれています。

上級ワインは「ゼクト」と呼ばれ、泡は二次発酵もしくは一次発酵で得たものと規定されています。つまり、トラディショナル方式、トランスファー方式、シャルマ方式、リュラル方式での製造が可能となっており、現在でもごく少数の生産者が珍しいリュラル方式で製造しています。

ドイツ国内でドイツ産のベースワインから造られたものは「ドイチャー・ゼクト」と呼ばれています。その上級格である「ドイチャー・ゼクト.b.A.」は13の指定生産地で栽培されたブドウを使用し、ワイン法上の厳格な規定に従って醸造され、さらに公的な品質検査をクリアしたものです。

他にもシャンパンに近い製造法や瓶内熟成期間を経ているなどの厳しい規定をクリアしたヴィンツァーゼクトやクレマンがあります。

まとめ

このように、スパークリングワインにはシャンパンだけでなく多くの種類があり、様々な名前で呼ばれています。

挙げていけばキリがないほど多くの国で造られているスパークリングワイン。国ごとに風味や味わいも全く違い、個性豊かに造られているので、ぜひ、お気に入りのものを探してみてくださいね。