穏やかに秋が深まる今秋。今年もボジョレー・ヌーヴォー解禁日が近づいてきました。
今年の解禁日は11月18日(木)です!
毎年盛り上がりをみせるボジョレー・ヌーヴォーですが、生産年はもちろんのこと、生産者や銘柄によって味わいに個性があります。
今回は数あるボジョレー・ヌーヴォーの中から、ソムリエが厳選したおすすめの銘柄をご紹介します。お気に入りの1本を見つけて楽しんでみてはいかがでしょうか。
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目次
そもそもボジョレー・ヌーヴォーとは?
ボジョレー・ヌーヴォーとは、フランス・ボジョレー地区で、その年に収穫されたブドウだけを使用し造られる「新酒」のこと。9月に収穫されたブドウを、速やかに醸造そしてボトル詰めを行い、同年の11月に出荷されるという、なんともフレッシュなワインです。
日本では毎年11月の第3木曜日に解禁され、ワインショップやレストランではイベントが開かれるなど、一年に一度のお祭りに毎年注目が集まっています。
そんなボジョレー・ヌーヴォーが造られるボジョレー地区は、フランスを代表する銘醸地ブルゴーニュの最も南に位置する地域です。
地図からもわかる通り、ブルゴーニュ地方の中でも比較的広い産地で、白ワインに比べ赤ワインの生産量が圧倒的に多く、特に「ガメイ」という黒ブドウ品種から造られる赤ワインが有名です。
ボジョレー・ヌーヴォーの特徴
ボジョレー・ヌーヴォーの特徴といえば、まずはそのアロマではないでしょうか。イチゴやラズベリーなどのフルーツに加え、キャンディのような甘みのある華やかな香りが特徴です。
また、口に含むととても軽やかでタンニンが少なく、ブドウが持つフレッシュな味わいを楽しむことができます。アルコール度数も一般的なワインに比べて低いものが多いことから、普段ワインを飲み馴れていない方でも飲みやすく、初心者の方に受け入れられやすいスタイルが魅力です。
その魅力を生み出しているのが、「ガメイ」という品種、そして「マセラシオン・カルボニック」という醸造方法です。
ガメイは、他の品種に比べて大粒で、果汁が多いブドウ品種。具体的には、イチゴやラズベリーの甘酸っぱい果実やスミレのような花の香りがし、アルコール度数がやや低めのライトなボディで、酸味が程良く効いたカジュアルなワインに仕上がります。
そしてもう一つが「マセラシオン・カルボニック」と言われる醸造方法ですが、これは、収穫されたブドウを破砕せずに密閉タンクに入れ、二酸化炭素を注入し数日間発酵させる方法です。
一般的な赤ワイン造りにおいて、収穫された黒ブドウは破砕した後、果皮と種子、果汁をつけ込むという工程に入りますが、ボジョレー・ヌーヴォーの場合は代わってマセラシオン・カルボニックが行われます。この過程を経ることで、タンニンの控えめな味わいや、ボジョレー・ヌーヴォー特有の甘みのあるフルーティーな香り生み出されているのです。
しかしながら、近年では凝縮し、複雑な風味を持ち長期熟成も可能なボジョレーも造られているので、ボジョレー・ヌーヴォーに対し「味わいがシンプルで物足りない」「軽すぎる」という印象を持つ方は、改めて挑戦してみていただきたいワインでもあるんですよ。
これを選べば間違いない! 定番ボジョレー・ヌーヴォー
それでは、おすすめのボジョレー・ヌーヴォーをご紹介します!
まずは、「ボジョレー・ヌーヴォーをあまり飲んだことがない」「ボジョレー・ヌーヴォーらしさをしっかり味わいたい」という方におすすめしたい、定番のボジョレー・ヌーヴォーです。
ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー ヴィエイユ・ヴィーニュ / タイユヴァン
1946年に創業した歴史あるレストラン、タイユヴァン。1973年から30年以上にも渡り3つ星を守り続けてきた、名実ともにフランス最高峰のレストランのひとつです。タイユヴァンは料理だけでなく、ワイン・セレクションが大変素晴らしく、世界的に高い評価を受けています。
こちらはそのタイユヴァンが選んだボジョレー・ヌーヴォー。エノテカのボジョレー・ヌーヴォーの中でも、毎年一番の人気を誇る1本です。
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ボジョレー・ヌーヴォー / ドメーヌ・ルー・ペール・エ・フィス
サン・トーバンを拠点に、ブルゴーニュのほぼ全域のワインを造っている一大生産者、ルー・ペール・エ・フィス。
こちらは彼らの手掛ける新酒、ボジョレー・ヌーヴォー。ジューシーな果実味が美しい酸と上手く調和し、繊細でしなやかなワインに仕上がっています。
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ボジョレー・ヌーヴォー / ジル・ド・ラモワ
ニュイ・サン・ジョルジュに本拠地を置くネゴシアン「ジル・ド・ラモア」。エノテカでは取り扱い歴が10年程になるボジョレーの定番ワイナリーです。
こちらは自然な醸造にこだわり、酸化防止剤無添加で造られたヌーヴォー。自然な醸造にこだわった、フレッシュでフルーティーな果実味をお愉しみいただけます。
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ギフトにもおすすめ!ワンランク上のボジョレー・ヌーヴォー
続いては、生産者のこだわりが詰まったワンランク上のボジョレー・ヌーヴォーをご紹介します。
ワイン好きな方へのギフトにもおすすめですよ。
ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー アンフォゲッタブル / アンリ・フェッシ
創業以来120年に渡り手摘み収穫と伝統的な醸造方法にこだわり、パリのブラッスリーや高級ホテル、レストランで人気を博すアンリ・フェッシ。
こちらはボジョレー・ヴィラージュのエリアの中でも北部に位置する村のブドウを使用して造る、ワンランク上のヌーヴォー。フレッシュかつまろやかなスタイルで、スクリュータイプなのも嬉しいポイントです。
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ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー プレミアム・レゼルヴ / タイユヴァン
黒みを帯びた赤紫色の外観。ボジョレーらしいイチゴやキャンディの香りに、干しブドウや黒系果実、スミレの凝縮したアロマも感じます。
口に含むと、程良い酸にしっかりとしたタンニン。深みのあるまろやかな果実味が、余韻にまで長く続きます。
まるでブルゴーニュ・ルージュのようなコクを感じる味わい深い1本。 ガメイ種の新たな魅力を発見できる、まさに格上のボジョレー・ヌーヴォーです。
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ボジョレー ヴァン・ド・プリムール / フィリップ・パカレ
自然派ワインを代表する造り手、フィリップ・パカレが手掛けるボジョレー・ヌーヴォー。フェミニンで透き通るような飲み口が魅力です。
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個性派ボジョレー・ヌーヴォー
続いては、ちょっぴり変わったボジョレー・ヌーヴォーをご紹介します。
「ボジョレー・ヌーヴォーをとことん楽しみたい!」「赤ワインは普段そんなに飲まない……」そんな方におすすめです!
ボジョレー・ヌーヴォー ロゼ / タイユヴァン
「ボジョレー・ヌーヴォーなのにロゼ!?」と思われる方も多いのではないでしょうか。
実はボジョレー地区では、赤ワインとロゼワインが「ヌーヴォー」を名乗ることができるのです。
こちらはボジョレー地区でも極少量しか造られていない、稀少なロゼ・ヌーヴォー。味わいはしっかりドライで、エレガントな印象です。
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スウィート・バブルス・ヌーヴォー / アンリ・フェッシ
こちらはボジョレー・ヌーヴォーでは特に珍しい、赤のスパークリングワイン!ガメイ由来のベリー系果実の爽やかな甘さと、フレッシュ感をお愉しみいただけます。
やや甘口ながらスッキリとした味わいで、アルコール度数7~8%程度と一般的なワインよりも低めなので、ワインを飲みなれていない方や、甘めのワインが好きという方におすすめしたい1本です。
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ボジョレー・ヌーヴォーの楽しみ方
お気に入りの1本を見つけたら、続いてはボジョレー・ヌーヴォーの楽しみ方です。
一年に一回のお祭りをとことん楽しむために、飲む温度や、合わせるお料理にちょっぴりこだわってみませんか。
適温はどのくらい?
フレッシュさが特徴のボジョレー・ヌーヴォーは、いつもの赤ワインより少し冷やしてお楽しみ頂くのがおすすめです。
普通のワインの場合、冷やしすぎるとタンニンによる渋みが強調されて飲みにくくなってしまうことがありますが、ボジョレー・ヌーヴォーは元々タンニンが少ないので、その心配はありません。
生産者やランクにもよりますが、目安はだいたい冷蔵庫で1時間くらい、12℃前後で楽しむのがおすすめです。
相性の良い料理は?
軽い飲み口と爽やかな味わいで、幅広いジャンルの料理と合わせることができるボジョレー・ヌーヴォー。
定番のシャルキュトリーに合わせるのであれば、脂身の少ないタイプがおすすめです。
しっかりお食事と一緒に楽しみたいという場合は、お肉であればトマト煮込みやバルサミコソースなど比較的爽やかな味付けのものが、双方の旨味を引き立ててくれるでしょう。ボジョレー・ヌーヴォーの香りに合わせ、パクチーなど特徴のある葉野菜や、スパイスの効いたエスニックなお料理もおすすめですよ。
また、解禁時の季節感を楽しみたいという方には、「モンドール」というチーズと合わせるのがおすすめ!
秋から冬の期間のみ生産されるウォッシュタイプのチーズで、トロリとした口当たりとミルク本来の旨味が感じられます。ボジョレー・ヌーヴォーの比較的軽めの飲み口に、モンドールのミルク本来の旨味がマッチしますよ。
スイーツに合わせてみよう!
お食事だけでなく、スイーツにも合わせてみてはいかがでしょうか。
例えば、果実がたっぷりのったベリータルトや、焼き立てのアップルパイなど相性が良いですよ。
また、ドイツの伝統的なクリスマスのお菓子「シュトーレン」などと合わせるのもおすすめ。ドライフルーツやナッツがたっぷり詰まったシュトーレンは、ボジョレー・ヌーヴォーの爽やかな果実味ととてもよく合い、季節感のあるペアリングとなります。
まとめ
長年ワインを飲んでいても、毎年ボジョレー・ヌーヴォーの時期が近づくと「今年はどんな味わいだろう」とわくわくするもの。
「昨年はこんな料理と合わせて楽しんだな」「毎年飲んでいるけど、どんどん味わいが変化している!」など、付き合いが長くなればなるほど、思い出や、ワインに対しての思い入れが増えていくのもボジョレー・ヌーヴォーの魅力のひとつだと思います。
今年もみんなでボジョレー・ヌーヴォーを楽しみましょう!
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