2024年はワインを知って楽しむそんな1年になりますように!と思いを込めて、タイプや産地、テクノロジー、サステナブル、ペアリングなどワインにまつわる情報をまとめました。
今年もワインをもっと楽しみたい、そんなあなたにエノテカタイムス編集部が注目するワイントピックスをお届けします。まずは前編です。
世界的ブームが続く!ナチュラルワイン
ワイン業界内のみならず、若い世代を中心に世界的な流行となっているのが、ナチュラルワインです。
明確な定義はないものの、一般的には有機農法やオーガニックで栽培されたブドウを使い、人の手の介入を最小限に抑えた醸造で造られるワインのことをいいます。また、酸化防止剤の少量使用または無添加、自然酵母を使用する傾向があることも特徴です。
様々な産地や品種で造られる多種多様な味わい、小規模ながらも個性的な造り手との出会い、ポップなラベル、身体に染み込むような優しい飲み心地、開けて飲んでみなければ味わいの分からないドキドキ感など様々な魅力が人気の理由です。
食のトレンドの変化や、商品の背景を知って選ぼうとする消費活動が増えたことで、ブームの熱は現在も留まるところを知りません。「目の前のグラス1杯を感じて自由に楽しむ」ナチュラルワインから、今後も目が離せません。
ナチュラルワインをもっと楽しむポイント
料理と一緒に楽しむ
ナチュラルワインは、中華料理やエスニック料理、和食とも好相性。色々な料理と合わせて楽しみましょう。
ラベル買いを楽しむ
ラベルにはアートやイラストが描かれることがしばしば。ジャケ買いならぬラベル買いをしてみましょう。
エノテカおすすめのナチュラルワイン
イタリアの名門テヌータ・サン・グイドのオーナーファミリーがアルゼンチンに設立したワイナリー。こちらは酸化防止剤を添加せずに造られたナチュラルワイン。エレガントながらも力強さを兼備したスタイルです。
人気上昇中!アルバリーニョ
スペイン北西の大西洋に面したワイン産地リアス・バイシャス(※1)では、スペインを代表する白ブドウのアルバリーニョが栽培されています。
近年その人気は留まることを知らず、需要は過去30年間で約10倍に拡大し、スペインの名門ワイナリー「トーレス」「ベガ・シシリア」がこの地でワイン造りに力を入れていることも話題となりました。
また、日本では新潟県や大分県の造り手(※2)がアルバリーニョのワインを手がけ、高い評価を得ています。
塩味のようなミネラル感が特徴で、「海のワイン」とも呼ばれており、青りんごや白桃のような果実味に高くしなやかな酸味が魅力です。注目品種アルバリーニョ、ぜひこの機会にお試しください。
※1 リアス式海岸の名前の由来になった場所。リアスはスペイン語で「入り江」を意味する。 ※2 新潟県のフェルミエ、大分県の安心院葡萄酒工房。 参考:Decanter「Rías Baixas: Regional profile plus 10 wines worth seeking out」2023年2月22日
150年以上の歴史を持つスペインの名門ワイナリー、トーレス。そんな彼らが海の間近で造り上げる1本がこちら。上質な酸と土地由来のミネラル感に魅了される、爽やかな味わいが魅力です。
シャンパーニュ、マルチヴィンテージの台頭
シャンパーニュには、特定の年に収穫されたブドウのみを使用して収穫年をラベルに記載したヴィンテージと、複数の年のワインをブレンドして造られるノンヴィンテージの2つのタイプがあります。ノンヴィンテージは、各メゾンの顔として、複数年のワインをブレンドし、一貫したスタイルを表現してきました。
そんな中で、収穫年ごとの違いを個性と捉えスタンダード・キュヴェをノンヴィンテージからマルチヴィンテージに転換したのがルイ・ロデレールです。シャンパーニュ地方の気候の変化とベース・ヴィンテージ(※3)の特徴を色濃く表現できるマルチヴィンテージの可能性について、ルイ・ロデレールの醸造責任者に話を聞きました。大手メゾンの転換からどのような影響が生まれるのか、今後もシャンパーニュ地方の潮流には目が離せません。
※3 シャンパーニュを造る際にベースとなるワインの収穫年のこと。
ルイ・ロデレールでは、20~30年かけてサステナブルなブドウ栽培を実施し、415もの区画ごとにワイン醸造を行うことで、シャンパーニュのテロワールの細部まで表現ができるようになりました。
また近年では地球温暖化でブドウの果皮は厚くなり、タンニンも豊富になり、毎年同じであったシャンパーニュ造りのレシピを見直す理由の一つになりました。
ベースとなるヴィンテージの個性を生かしながら最高のワインメイキングを行う。地球温暖化を脅威ではなく機会ととらえ“未来のシャンパーニュ”を創る、こうして生まれたのがコレクションなのです。
200年以上の歴史を持つ老舗シャンパーニュ・メゾン、ルイ・ロデレール。こちらは、2019年のブドウをベースに造られました。ベース・ヴィンテージ特有の柑橘の風味とフレッシュなミネラル感が魅力の甘美な味わいです。
ますます人気のオレンジワイン
オレンジワインとは、白ブドウを使って果皮や種とともに長時間漬け込んで造るワインのこと。
独特の厚みのある味わいは、アジア料理など香辛料を効かせた料理ともマッチし、世界中のソムリエに引っ張りだこです。
そんなオレンジワイン、様々なタイプがあり楽しみ方もそれぞれ。ここではタイプごとのおすすめワインをご紹介します。
タイプ別に楽しむオレンジワイン
エレガントタイプ×点心
ライトな味わいのエレガントタイプは、シュウマイや餃子などの点心と合わせてみませんか。華やかな香りと酸味が肉や野菜の旨みなど、美味しさを引き立ててくれます。
「世界で最も称賛されるワインブランド」にも選ばれた名門ワイナリー、トーレス。こちらは、フレッシュで豊かな果実味が魅力のオレンジワインです。軽やかな口当たりで、様々なお料理とお楽しみいただけます。
アロマティックタイプ×休日の午後のティータイムに楽しむ
複雑かつ上品な香りが特徴のアロマティックタイプは、紅茶のように楽しむことができます。休日の午後の1杯に、心地よい飲み口で芳香豊かなオレンジワインを選びましょう。
南仏が誇るヒットメーカー、ジェラール・ベルトラン。こちらは、約4500年前にジョージアで造られた最初のオレンジワインに敬意を表しつつ、彼らのスタイルで醸造させた1本。フレッシュでありながらも厚みのある味わいです。