2020年、今年もさらに美味しく、さらに深く、ワインを楽しんでいただけたら…そんな想いを込めて、エノテカが今注目するワインにまつわるトピックを集めてみました。
20のトピックスを紹介します。今回はその第2弾です。
生産者が目指すパタゴニア
メチュケ島にあるモンテスの畑。日光を反射させるため貝殻がまかれています。
新たなテロワールとして注目されているパタゴニア。近年は冷涼な気候で栽培されるピノ・ノワールやシャルドネが注目されています。
リオ・ネグロにあるボデガ・チャクラは2017年に世界最高峰のムルソーを手がけるドメーヌ・ルーロとコラボし、マイケ・シャルドネをリリースしました。
また、気候変動対策を兼ねた新たなテロワール探究の結果、チリのモンテスが2018年からチロエ諸島メチュケ島に進出。ピノ・ノワールやシャルドネ、アルバリーニョなど7品種を実験的に栽培しています。
熟成させて楽しむシャブリ
日本で人気のシャブリ。ぜひ試したいのが熟成させる楽しみ方です。4000~5000円のプルミエ・クリュも、10年近く熟成させると、驚くほど複雑味のある味わいに変化します。
シャブリはスラン川を挟んでグラン・クリュのある右岸と、東向きの斜面に多彩なプルミエ・クリュが広がる左岸に分かれます。近年では、地球温暖化によって気候的により好条件となった左岸からも素晴らしいワインが生み出されています。
個性が異なる左岸と右岸から、好みのプルミエ・クリュを寝かせて数年後にゆっくり味わう、そんな楽しみ方はいかがでしょうか。
今こそ注目!ドイツワイン
2020年に注目したいワインのひとつが、ドイツワイン。
ワイン評論家ジャンシス・ロビンソン女史は、ドイツワインは基本的に品質が高く、どんなワインよりもコストパフォーマンスがいいと大絶賛。
加えて、ドイツも気候変動の恩恵を受けており、「かつてブドウが成熟するのに苦労し、その強い酸を補うために甘みを添加せざるを得なかった場所で今はブドウが完全に熟し、わくわくするような辛口のワインを赤白ロゼすべての色で作り出すことができるようになった」と言及。
これは飲まないわけにはいきません!
出典:Jancisrobinson.com(2019年7月6日掲載記事より)
絶品ピエモンテ
イタリアのトスカーナと並ぶ銘醸地、ピエモンテ。バラエティの豊富さと高いクオリティが特徴で、控えめな価格から超高級ワインまで幅広く愉しめることが魅力であることから、ワイン評論家たちからも注目を浴びている産地です。
そんな絶品ワインの産地より、古典派バローロ最高峰の生産者であるジャコモ・コンテルノが、ついにエノテカに登場!現オーナーは4代目のロベルト・コンテルノ氏で、家族経営で継承した伝統を守りつつ、高品質で偉大なワインを世に送り続けています。同氏は2018年には「新たな挑戦」としてピエモンテ州ガッティナーラ最古の老舗ワイナリー、ネルヴィを購入。フランスの評価誌では「バローロ以外で造られる最高のネッビオーロ」と評され、世界中の注目を集めています。
人気急上昇!ガメイ
毎年11月の第3木曜日に解禁される「ボジョレー・ヌーヴォー」の世界的な流行で、一躍有名になったガメイ。
そのボジョレー・ヌーヴォーの最大の輸出先である日本では、まだまだガメイといえばボジョレー、ボジョレーといえばヌーヴォーとのイメージが強く、軽やかでフルーティ、若いうちから飲みやすいワインと思われがち。
ヌーヴォーとは異なる長期熟成も可能なスタイルのワインがガメイから造られていることはあまり知られていません。そんなガメイが以下のような理由で、いま注目を浴びています。
ガメイの注目ポイント
①コスパ
近年高騰し続けているブルゴーニュ ピノ・ノワールと同じスタイル(地域、単一品種、繊細さ)、負けないクオリティであるのに、お手頃な価格。
②料理とのマリアージュ
各国のオーガニックブームや健康志向の高まりから、近年シンプルな料理が好まれる傾向があり、飲み心地の良いガメイはシンプルな料理との相性も抜群。
③クリュ・ボジョレーの実力
長期熟成タイプも多いクリュ・ボジョレー。フランスでは20年、30年とセラーで寝かせてから提供する店も。近年各国でそんなクリュ・ボジョレーの輸入量が伸びている。