ポンソと並び、モレ・サン・ドニの2大生産者として知られるドメーヌ・デュジャック。1968年の初ヴィンテージのリリース以降、独特のセンスを放つ個性的な味わいで瞬く間に人気を集め、僅か一代にして愛好家垂涎の的となる名声を手に入れました。また世界的に人気の高い銘醸地ジュヴレ・シャンベルタンとシャンボール・ミュジニーに挟まれ、当時無名だったモレ・サン・ドニのワインを世界のスターワインに押し上げた立役者として、今日のモレ・サン・ドニを牽引するドメーヌの1つとして一目置かれています。
先祖代々ブドウ造りやワイン造りを家業とする老舗ドメーヌが多いブルゴーニュでは珍しく、ドメーヌ・デュジャックの歴史は僅か50年ほど。ベルギー出身の創立者であり当主のジャック・セイス氏は、ドメーヌ創立前の2年間をブルゴーニュで過ごし、ヴォルネイの名門ドメーヌ、ラ・プース・ドールやDRCのオベール・ド・ヴィレーヌ氏の下、ワイン造りを習得。その後、ブルゴーニュ大学で醸造を学び、同級生であったクリストフ・ルーミエ氏とも交流が深いという、非常に恵まれた境遇でワイン造りを学んでいます。
1968年、ジャック・セイス氏はモレ・サン・ドニのドメーヌ・グライエを買い取り、4.5haの畑を取得。自らの名前ジャックを文字って「ドメーヌ・デュジャック」と名付けました。創立当時からデュジャックのフラッグシップである特級畑クロ・ド・ラ・ロッシュやクロ・サン・ドニをはじめ、シャルム・シャンベルタン、ボンヌ・マール、エシェゾーなどの錚々たるラインナップを所有。その後、徐々に畑を買い足し、2005年にはヴォルネイのドメーヌ・ド・モンティーユと共同でドメーヌ・トマ・モワイヤールを買収。これにより、シャンベルタンとロマネ・サン・ヴィヴァンが新たにグラン・クリュに加わり、ドメーヌのラインナップは一層華やかになりました。現在はジャック氏のサポートの下、息子のジェレミー氏とアレック氏がそれぞれ醸造と販売を担当し、ドメーヌを実質的に引き継いでいます。
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