特徴的な香りが魅力の白ブドウ品種「ソーヴィニヨン・ブラン」

白ワイン

世界でも広く栽培されている、人気の白ブドウ品種「ソーヴィニヨン・ブラン」。柑橘系の爽やかな香りを放つ、フレッシュでシャープな味わいの白ワインを生み出します。

その軽やかで爽快な飲み心地から、特に夏場に好んで選ばれています。さまざまな料理と合わせやすい、汎用性の高い白ブドウ品種であるこの品種。今回は、ソーヴィニヨン・ブランについて紹介します。

原産地と有名産地

ブドウ畑

ソーヴィニヨン・ブランの原産地は、フランス ボルドー地方。黒ブドウ品種の王様「カベルネ・ソーヴィニヨン」の親にあたる品種であり、サヴァニャン、シュナン・ブラン、トラミナーとの関係も示唆されています。

原産地であるボルドーでは、セミヨンとのブレンドで白ワインが造られることが多く、骨格のしっかりとしたバランスの良いワインとなります。

一方、フランスのロワール地方では単一品種でワインが造られており、特に石灰質土壌のサンセールで生まれるソーヴィニヨン・ブランは逸品といわれています。

新世界では、ニュージーランドのマールボロが有名産地として知られており、ハーブの香りが特徴の爽やかなワインを造ります。そのほか、南アフリカやチリ、カリフォルニアなど、世界中で広く栽培されています。

ソーヴィニヨン・ブランの歴史

ブドウ畑と白ワイン

ソーヴィニヨン・ブランは、ロワール渓谷、ボルドーにルーツを持つ白ブドウ品種です。カルメネールやジュラで栽培されているサヴァニャンに関連する、とも言われています。

ソーヴィニヨン・ブランは白ブドウですが、カベルネ・フランとの交配で、あの「カベルネ・ソーヴィニヨン」を生み出したことでも知られています。

1971年、カリフォルニアのロバート・モンダヴィが「フュメ・ブラン」という名のソーヴィニヨン・ブランのワインで成功を収めたことで、その成功が世界中に飛び火。今まで、ブレンドされていたソーヴィニヨン・ブランを単一品種で造るムーブメントがわき起こります。

また、ニュージーランドのマールボロにソーヴィニヨン・ブランが植樹されたのは1973年ですが、1985年設立の「クラウディ・ベイ」による鮮烈な香りを持つソーヴィニヨン・ブランが大きな話題となり、このことをきっかっけに同産地がソーヴィニヨン・ブラン大国として成長を遂げていきます。

ソーヴィニヨン・ブランは原産地のボルドーを飛び出し、今や世界中で栽培されている、人気のブドウ品種となっているのです。

ソーヴィニヨン・ブランの香り

白ワイン

ソーヴィニヨン・ブランを語る時、もっとも注目すべきはその香りです。完熟させたソーヴィニヨン・ブランからは、グレープフルーツやパッションフルーツやカシスの芽など、心地よい香りがあります。

また、冷涼な地域で栽培されたソーヴィニヨン・ブランの場合、メトキシピラジンという青っぽい香りに関与する化学物質が要因となり、ハーブのような香りを呈します。毛嫌いされることもある香りですが、バランス良く含まれている場合、複雑性が増し、それもまた魅力として捉えられます。

ソーヴィニヨン・ブランの特徴的な香りを決めているのが、3つの硫黄化合物です。ボルドー大学の研究でソーヴィニヨン・ブランの香りから「3MH」「3MHA」「4MMP」と呼ばれる揮発性チオール類が発見され、この比率によってソーヴィニヨン・ブランの香りが決定づけられます。

これらの硫黄化合物の発生には酵母の働きや瓶詰め後の保存状態などが関与しており、ほど良く発生するとグレープフルーツやパッションフルーツなど快い香りを放ちます。

一方、あまりにも多く含まれていると、汗や猫のおしっこなどの香りを呈します。冷涼か温暖か、スキンコンタクトを行うか否か、ステンレスタンクか樽か。ソーヴィニヨン・ブランは、栽培環境、醸造方法の違いによってさまざまな表情を変える、とても個性的な品種です。

ソーヴィニヨン・ブランの外観

ソーヴィニヨン・ブラン

ソーヴィニヨン・ブランは、前述したように、温暖な地域から冷涼な地域まで幅広い産地で栽培されています。

例えば、ロワールのソーヴィニヨン・ブランは、緑がやや多めのクリアで輝きのある外観が特徴。チリなどの温暖な地域で完熟させたソーヴィニヨン・ブランは、濃い黄金色の外観が特徴的です。

一般的にソーヴィニヨン・ブランは長期熟成させるタイプは少なく、若い状態で出荷されるため、緑がかった透明感のある外観のものが多く見られる傾向にあります。

ソーヴィニヨン・ブランの風味

ソーヴィニヨン・ブランは、シャープな酸を生かした、フレッシュな味わいに仕上げられることが多いブドウ品種です。そのため、飲み口が軽く、口内でいきいきとした酸を感じることができます。

また、前述したグレープフルーツやパッションフルーツ、ツゲ香などを生かすため、スキンコンタクトを行う生産者も多く、タイプによってはほろ苦さを感じるタイプもあります。

一部、樽熟成させているものや、しっかりと完熟させてやや熟成させたタイプなどもあり、それらはアーモンドやヴァニラ、リンゴの風味を感じさせます。飲み口はまろやかで、ボリューム感のある飲み心地となり、また違ったソーヴィニヨン・ブランの一面を楽しむことができます。

ソーヴィニヨン・ブランと相性の良い料理

アクアパッツァ

ソーヴィニヨン・ブランの特徴は、何と言っても柑橘系やハーブを思わせる軽やかな香りです。さらに伸びやかな酸、心地よい飲み口、しっかりとしたミネラル感を兼ね備えます。

ソーヴィニヨン・ブランはハーブの香りが特徴的なので、基本的には青さを感じさせる野菜など、サラダと相性が良く、合わせることができます。また、強烈なボリューム感や風味を持つ品種では無く、フレッシュな香りとシャープな酸が特徴的なため、魚料理との相性も良いでしょう。

バターを使ったどっしりとした料理ではなく、花の香りなどがするオリーブオイルを使った方がこの品種と合わせやすいのではないでしょうか。例えば、ハーブを散らした白身魚のカルパッチョはじめ、タケノコなど山菜を使った洋風サラダ、根菜類を使用した揚げ物などもおすすめ。

また、レモンを絞ることで、柑橘系の香りと親和性が高まります。ソーヴィニヨン・ブランと料理を合わせたい時には、調味料に一工夫加えるのも、忘れないようにしましょう。

おすすめのソーヴィニヨン・ブランのワイン

最後に、ぜひ一度お試しいただきたいソーヴィニヨン・ブランのワインをご紹介します。

シャトー・ムートン・ロスチャイルドの精神を受け継ぐ、ムートン直系のブランドワイン、ムートン・カデ。

こちらは限られた地域で生産されるムートン・カデの上級シリーズです。

ドライな口当たりで幅広い料理に合わせやすいので、普段の食卓で大活躍すること間違いなし!

まとめ

ここでは、ソーヴィニヨン・ブランを紹介しました。

基本的に辛口タイプのワインに仕上げられる同品種ですが、ボルドーのソーテルヌなど、一部の産地では「貴腐ワイン」など、甘口に仕上げられることもあります。

個性的でありながら、さまざまなスタイルに変化できる柔軟性もあるブドウ品種、ソーヴィニヨン・ブラン。

ぜひ、各産地のワインを飲み比べてみてはいかがでしょうか。

 

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