夏に飲むシャブリって、爽やかな味わいがたまらないですよね。そんな気持ちはシャブリを造る生産者も同じ!
ここでは、シャブリを手がける4生産者から届いた現地の情報と、おすすめの夏シャブリの楽しみ方をご紹介します。
目次
今注目の自然派ドメーヌ「ナタリー・エ・ジル・フェ―ヴル」
熟練の栽培家であるジルさんと、ラ・シャブリジェンヌ(※)の元醸造長のナタリーさんが夫婦で経営するワイナリー。ナチュラルなブドウ栽培によりテロワールの個性を強く表現したワイン造りを行っています。
暑い夏こそ、シャブリをぜひ飲んでほしいと語るジルさん。特に「初めて私たちのワインを飲む方には、村名のシャブリがオススメ。白い花と果実、ミネラル感を楽しんでもらえる」と自信をみせます。
食卓の様子を伺うと、「魚料理や白身の肉をシャブリと合わせているよ。僕は、特にホタテ貝を合わせるのが大好きだ。フライパンでホタテ貝に火を入れて、最後にソースとしてほんの少しシャブリのワインを入れる。このペアリングは至福だね。」と笑顔で語ります。
ソースにシャブリを使う生産者ならではの贅沢な楽しみ方ですが、簡単に取り入れられるのでぜひ挑戦してみてくださいね。
(※)ラ・シャブリジェンヌ:1923年に創業した生産者協同組合。現在は約300名の組合員からなり、シャブリの全体の生産量の1/4を誇る。
ナタリー・エ・ジル・フェ―ヴル
優れた区画を所有する伝統ある名門「ルイ・ミッシェル・エ・フィス」
シャブリにて160年以上の歴史を誇り、数々の優良区画を所有する家族経営の名門ドメーヌ、ルイ・ミシェル・エ・フィス。シャブリにステンレスタンクによる熟成を導入したパイオニアでもあります。
「本物のシャブリを造ること」を哲学に、人間の介入を最小限に留めながら、ブドウの品質を保持しています。
オーナーのギョームさんは、「夏はやはり太陽の下、外でシャブリを楽しむのが好き」と語ります。アペリティフにシャブリを飲みながらブルゴーニュ地方の郷土料理でチーズ風味のシュー生地菓子のグジェールや豚の腸などを詰めた、クセのあるソーセージ、アンドゥイエットを食べるのがお気に入り。
私のワインは全般的に熟成向きです。ステンレスタンクを使い、酸化を避ける嫌気的な醸造を徹底しているため、ボトルの中でもゆっくりと熟成が進みます。おかげで、熟成による香りがたつことなく、ピュアなテロワールをじっくりと味わうことができるんです。
ヴィンテージによっては15年ほども熟成ができ、村名ワインのシャブリでも2~3年は熟成して楽しんでみてください。」
ルイ・ミッシェル・エ・フィス
シャブリの個性を表現する職人気質な生産者「ダニエル・ダンプ」
テロワールの表現を追求し、職人気質なワイン造りで知られるダニエル・ダンプ。その特徴は、なんといってもオールステンレスでの醸造。
ヴァンサンさんは、「樽での熟成も試みたことがあるが、やはり樽のニュアンスが強いとワインのバランスが崩れて、テロワールの味わいを隠してしまうので、ステンレスタンクのみで発酵熟成を行うということが重要だと感じている。
発酵から熟成までステンレスタンクのみで行うことで、私達の畑ごとのテロワールを味わっていただけると思うよ。」と語ります。
夏はいつもよりも温度を低めにして楽しむそうで、10~11℃でぜひ楽しんで欲しいとのこと。きれいな酸が素直に現れ、ミネラル感が余韻に心地よく残ってくれるそう。
「料理には柑橘が自己流のポイント。シンプルに塩だけで味付けした料理に好みの柑橘をかければこれだけで最高のワインのお供になるよ!」と語っていただきました。
ダニエル・ダンプ
エノテカが誇るベストセラーシャブリ「ジャン・クロード・コルトー」
1987年からワイン造りを始めた、比較的若いドメーヌ。「畑仕事がワインメーカーの何よりの仕事」をモットーとした、丁寧なワイン造りでシャブリを造り続けています。
夏を迎える前、5月初旬までシャブリの生産者は霜害との戦いです。ジャン・クロード・コルトーでは、あえて遅い剪定を行うことで霜害に対策、健全なブドウを収穫する準備をしています。
夏ならではの楽しみ方を伺ったところ、ステファニーさんは「少し時間がある時は、旬の野菜のフリットとパルメジャーノチーズのスライス、そしてそれをスモークハムで巻いてシャブリと合わせています。」と語ります。
暑い夏をエノテカ売れ筋のシャブリで乗り越えてくださいね。
ジャン・クロード・コルトー
夏シャブリを楽しむポイント!
#1 グラスはその日の気分で
豊かな果実味とキレの良い酸、ミネラル感を感じさせる味わいのシャブリ。選ぶグラスによって、違った表情を見せてくれます。
ボウルの小ぶりなキャンティグラスだとキリっとシャープな印象に、ボウルが大きなブルゴーニュグラスだとリッチでふくよかな印象を感じていただけます。
その日の気分や食事に合わせて、グラスを選んでみてくださいね。
#2 シャブリを楽しむための温度
ワインの温度が高くなると、甘味をより感じる反面、酸味がぼやけて感じられます。
シャブリの様なスッキリした辛口のワインは、しっかり冷やしてそのきれいな酸を楽しむのがオススメです。
果実味を楽しむプティ・シャブリは、8~10度。シャブリや一級畑は10~11℃、特級畑は12~14℃が適温ですが、あまり繊細になりすぎず、ゆっくり時間をかけて温度変化を感じながら飲んでください。
冷蔵庫で冷やすと15分で約1℃下がるので、それを目安にご自宅でお楽しみくださいね。
#3 おつまみならチーズがオススメ
シャブリで表面を洗って仕上げる同郷のアフィネ・オ・シャブリは相性抜群!他にも、ダニエル・ダンプのヴァンサンさんはボーフォールやコンテなどの山のチーズがオススメとのこと。
ジャン・クロード・コルトーのステファニーさんは、フレッシュな羊のチーズとシャブリのペアリングをよく食べるそう。
生産者ごとにお気に入りのシャブリ×チーズの組み合わせがあります。チーズそのままと合わせても良し、夏の食材とチーズを組み合わせた夏野菜とチーズのサラダなどぜひお楽しみください。
#4 和食との相性も抜群!
寿司、天ぷら、とんかつ、アサリの酒蒸し、うなぎの白焼き、焼き鳥と生産者からもシャブリと合わせるオススメ料理には和食がずらっと並びます。
素材の味を活かした料理が多い和食は、少し塩味を感じるようなミネラル感とフレッシュな酸味をもつシャブリが好相性。フレッシュな酸味は、柚子やすだち、かぼすなどの「絞って香味や酸味をつけ加える柑橘類に通ずるものがあり、夏の料理のアクセントにもなります。
食欲が落ちがちな夏、優しさを感じる和食とシャブリをあわせて爽やかに過ごしてみませんか。
ブルゴーニュ・バイヤーがオススメする夏の食材を使ったペアリングレシピ
ホタテのソテーと甘夏サラダ
【作り方】
1.好みの野菜にむいた甘夏の実、オリーブオイル、塩適量を混ぜ合わせ、お皿に盛り付ける。
2.フライパンにオリーブオイルを入れて中火で温め、生のホタテを7秒間焼き、裏返して5秒焼いて取り出す。
3.同じフライパンで中火のまま、小さじ2のシャブリ、オリーブオイルを追加で加えて混ぜて軽く乳化させて火を消す。
4.1のサラダにホタテ、4のソースをかけ、ピンクペッパー、ディルをのせ、岩塩を適量横に添えて完成。
レアな帆立の甘みにシャブリと帆立のオイルソースが好相性。もう少しボリュームを出したい場合はナッツなどをサラダに加えて、バケットと一緒にどうぞ。
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