急峻な斜面を持つ渓谷が特徴の北部ローヌ。
主に単一品種によるワイン造りが特徴で、アぺラシオンごとの多彩な味わいが魅力のひとつ。北部ローヌの主要なアぺラシオン巡りをワインと共にぜひお楽しみください。
1.コート・ロティ
主な土壌:南(コート・ブロンド)は片麻岩、北(コート・ブリュンヌ)は片岩土壌
栽培面積:319ha
生産可能色:赤
北ローヌ2大巨頭のひとつであるコート・ロティ。ローヌ地方最北に位置し、急勾配の斜面に、テラス状に配置された畑が広がります。急斜面のため、機械を入れる事ができず、栽培は全て手作業。ブドウは 1 本ずつ支柱を使って仕立てられています。
「焼けた丘」の名前の通り、非常に日当たりの良い、南東向きの畑から高品質なシラーが生み出されるアぺラシオンです。
NEWS まるでブルゴーニュ!?
コート・ロティは、ミストラルと呼ばれる冷たい北風が吹き抜ける渓谷。日当たりの良い、南東向きの急斜面に植えられたブドウは上品でエレガントなワインを造り、世界中のワイン愛好家を虜にするほど。
そして、世界中の生産者も同様にコート・ロティのシラーに惹かれ、クール・クライメイト・シラーの手本として注目されているのです。
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シラーらしいしっかりした色調と、スミレや黒胡椒の香りに、一切の雑味がないピュアな果実味が感じられます。しっかりとした骨格、濃厚感に上品さが備わった、コート・ロティのお手本のような1本です。
2.コンドリュー
土壌:花崗岩
栽培面積:200ha
生産可能色:白
アペラシオンは斜面のみに限定されているため、畑作業は全て手作業で行われています。ヴィオニエは栽培が難しく、コンドリューの畑ではこれまで何度も植え替えの危機に直面し、それを乗り越えてきました。
この地のワイン造りにかける生産者の熱い想いが歴史を紡ぐ、伝統あるアペラシオンです。
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南国果実の芳醇なアロマと花やハーブの華やかなニュアンスが広がります。ヴィオニエのポテンシャルが最大限に引き出された、うっとりするような上質な味わいです。
3.シャトー・グリエ
主な土壌:花崗岩が風化した砂質
栽培面積:3ha
生産可能色:白
周りをコンドリューに囲まれ、円形劇場の形をしたローヌ最小のアぺラシオン。現在は、ボルドーのシャトー・ラトゥールを有するピノ―家が単独で所有しています。造られるワインは、フローラルなアロマとミネラルの風味が特徴です。
4.サン・ジョセフ
主な土壌:花崗岩が風化した砂質
栽培面積:1,330ha
生産可能色:赤、白
北部ローヌでは、クローズ・エルミタージュに次ぐ大きなアぺラシオンで、北はコート・ロティ、南はコルナスまでのローヌ川の右岸60kmにわたり広がります。広大なアペラシオンは、場所によって栽培条件が異なり、バラエティに富んだワインが生まれ、品質の高さとコストパフォーマンスの良さで知られています。
5.クローズ・エルミタ―ジュ
主な土壌:平地の多様な土壌
栽培面積:1,768ha
生産可能色:赤、白
エルミタージュの丘を取り囲む、広大なワイン産地。地勢的に平地が多く、土壌は多様。若いうちから楽しめるワインを生むコスパ抜群のアペラシオンで、一般的に、エルミタージュよりも軽やかなワインが生産されます。
News 丘陵地に注目!
20世紀後半に元々の丘陵地から拡大し、平坦地に広がったアぺラシオン。近年は再び、丘陵地だけを対象としたエリアが注目されています。新規参入がしやすいダイナミックな産地から、急斜面の土地を中心に既に生産者達による買い付けが始まっています。
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ローヌ全域で圧巻のコレクションを誇る「ローヌで最も優れたネゴシアン」が手がける1本。樹齢50~100年の古樹から造られ、穏やかな果実味と繊細な酸味にミネラルが溶け込んだ1本です。
6.エルミタージュ
主な土壌: 花崗岩、石灰、シリカ、肥沃な沖積土の土壌
栽培面積:136ha
生産可能色:赤、白、ヴァン・ド・パイユ白
ローヌ川の蛇行により左岸に生じた急峻な南向きの斜面に広がるアぺラシオン。南向きの斜面はミストラルという冷たい北風からブドウを守り、「北ローヌの王様」と呼ばれるにふさわしい力強く熟成能力に恵まれた男性的なスタイルのワインが造られます。
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黒系果実のリッチな果実味に、凝縮感のある豊かなタンニン。今後15年近く熟成に耐えられる、非常に高いポテンシャルを備えた1本です。凝縮感ある男性的な味わいを、じっくりとご堪能ください。
7.コルナス
主な土壌: 花崗岩質土壌
栽培面積:150ha
生産可能色:赤
ケルト語で「焼けた大地」を意味し、日当たりの良い南向きや東向きの急峻な斜面に配置されたブドウ畑が広がります。シラー100%から造られるワインの味わいは、北ローヌでも抜きんでてパワフルで、重厚な果実味をお楽しみいただけます。
8.サン・ペレイ
主な土壌: 花崗岩質土壌
栽培面積:98ha
生産可能色:白、発泡白
北部ローヌのアぺラシオンの中でも、最も南に位置する平野の外れの冷涼な地域。小さな谷に隠れるようにブドウ畑が広がっており、良質な白ワインと発泡性ワインのみが生産されています。
新規生産者が登場!シャトー・ド・モンフラン
映画プロデューサーやアニエス・ベーの創設など、異色の経歴を持つジャン・ルネ・ド・フルーリュー氏がオーナーを務めるワイナリー。
川の大洪水から動物たちが逃げてくる場所、ラングドック地方とプロヴァンス地方の中間、ローヌ川とガルドン川の間ににワイナリーを構えたため、ラテン語の「Mons Fremens=野生動物の山」から名前が付けられました。2008年からオーガニック栽培を導入し、100%自社畑のブドウを使用したワインメイキングが特徴です。
シャトー・ド・モンフラン