イタリアで乾杯ワインの定番として根強い人気を誇る甘口微発泡ワイン、モスカート・ダスティ。その中でも「モスカートの巨匠」と称されるサラッコが手掛けるキュヴェは、低価格帯ながら各有名評価誌で高評価を獲得する高いコストパフォーマンスを誇っています。サラッコのワインは、モスカート・ダスティの指標と評され、著名な評論家からも惜しみない賛辞を受け、イタリア国内外で確固たる地位を築き上げています。

イタリアのピエモンテ州アスティ地域で栽培が盛んな白ブドウ品種モスカート・ビアンコを用いて造られる甘口微発泡ワイン、モスカート・ダスティ。このモスカート・ダスティを造る世界的に有名な生産者がサラッコです。ワインレポートでも「サラッコがトップ生産者であることに異論をはさむ者はいない」と評されるほどの確固たる地位を築き上げ、著名な評論家や専門誌から惜しみない賛辞を受けています。

ガンベロ・ロッソの2018年版においては、サラッコを代表するキュヴェ、モスカート・ダスティが最高評価となるトレ・ビッキエリを獲得。また、ワイン・アドヴォケイトでも、「パオロ・サラッコ氏こそモスカートの巨匠」（2011年10月31日）、「モスカート・ダスティの最も成功した生産者のひとり」（2016年6月30日）などと絶賛されました。そしてワイン・エンスージアストでは、その年ブラインドテイスティングした中で、コストパフォーマンスに優れた最も素晴らしいワインを選ぶベスト・バイ2024年において18位にランクイン。モスカート・ダスティとしてはトップに選出されています。

ワイン評論家マット・クレイマー氏は著書『イタリアワインが分かる』の中で、「私の見るところ最上の造り手はパオロ・サラッコである」、「濃密にして爽やかな、澄みきった味わい。模範的な造り手である」と称賛しています。

ワイナリーの歴史はルイージ・サラッコ氏がモスカートの栽培を始めた1900年代初頭に遡ります。当時は、栽培するモスカートを醸造し、ヴェルモットの原料としてピエモンテの大手メーカーへ販売していました。1950年、2代目ジョヴァンニ氏がワイナリーを継ぎます。彼は新しい畑を手に入れブドウの生産量を増やしワイナリーを拡大させましたが、造られたワインはアスティ・スプマンテの製造会社に売却されていました。

そして1988年、当主であるパオロ・サラッコ氏がドメーヌ元詰めを開始しました。彼はブドウ畑の中で育ち、幼い頃から家族の名前を掲げたワインを造りたいと強く思っており、自らの名を冠したラベルでワインをリリース。パオロ氏は1984年にアルバの学校で醸造学を修めており、新しい醸造テクニックだけでなく、より近代的な畑の管理法をワイナリーに導入しました。

その後、サラッコのモスカート・ダスティは、イタリアだけでなく国際的に広く普及。そして現在では、上質なモスカートの基準となる生産者のひとつとして、多くのワインラヴァーを魅了しています。

ワイナリーが位置するのは、まるで絵のように美しいカスティリオーネ・ティネッラ村。サラッコはこの地を中心に、19の異なる区画からなる約50haの畑を所有しています。 サラッコではモスカートを中心に、テロワールに適したブドウ品種を栽培しています。

サラッコの畑は標高280～500mに位置し、土壌は砂の層や灰色粘土、そして石灰岩から構成されています。この標高と土壌が合わさり、ブドウ樹は適切な温度と湿度のバランスの中で必要なミネラル分を吸収し、モスカート特有の華やかなアロマを備えるのです。

収穫されたブドウは除梗・圧搾され、それぞれ異なるタンクに投入。果汁は発酵前にブレンドされますが、消費者にフレッシュさを最大限に保ったままのワインを届けるため、瓶詰めの作業を、注文が入ってから行うこだわりようです。

そうして造られるサラッコのモスカートの特徴は、単に甘いだけではなく酸味と果実味のバランスが良く、モスカートの持つエレガンスとアロマティックな個性を最大限表現していること。また、瓶詰め後はなるべく早く飲みきった方がいいというモスカート･ダスティの既成観念を破って、瓶の中で熟成を続けるのも魅力です。

食前酒としてはもちろん、スパイシーな味わいをマイルドにするため、インドやタイなどのエスニック料理とも好相性。また低いアルコール度数と甘美なアロマ、フレッシュさはケーキやフルーツタルト、ビスケットやアイスクリームといったデザートにもピッタリです。