カリフォルニアワインの礎となったブドウ品種、ジンファンデル

赤ワイン

現在、カリフォルニアでのジンファンデルの栽培面積は、シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワールに次いで第4位ですが、カリフォルニアを象徴するブドウ品種と言えばやはりジンファンデルではないでしょうか?

今回は、今も昔もカリフォルニアワインには欠かせない存在であるジンファンデルについてご紹介致します。

ジンファンデルとは

ブドウ

ジンファンデルは、主にアメリカ西海岸のカリフォルニア州で栽培されている赤ワイン用ブドウ品種です。

19世紀前半に、アメリカに苗木が持ち込まれて以来、100年近くに渡りカリフォルニア独自のブドウとみなされていました。しかし、1990年代にイタリアのプーリア地方で多く栽培されているプリミティーヴォと同じDNAを持つことが確認されました。

ジンファンデルは、果粒は中程度、果皮は薄いのですが色が非常に濃く、南イタリアでは他の品種に比べて早熟です。それが由来で、イタリアでは「最初」を意味する「プリミティーヴォ」と名付けられました。

また、ジンファンデルの成熟は一粒ずつばらつきがあるので房全体の成熟を見極めるのが難しく、果粒によっては他に類を見ないほど多量の糖分を蓄積することがあります。その結果、時として非常にアルコール度数の高いワインが生まれます。

ジンファンデルの主な産地

 主な産地はアメリカのカリフォルニア州とイタリアのプーリア州です。それぞれ詳しく紹介致します。

 カリフォルニア州(アメリカ)

カリフォルニア風景

2016年の統計によるとカリフォルニア州でのジンファンデルの栽培面積は、約17,987ha。これはカベルネ・ソーヴィニヨンの栽培面積の2分の1ほどになりますが、カベルネ・ソーヴィニヨン同様、ノースコーストのナパやソノマといった名醸地で高品質なワインが造られています。

また、シエラ・フットヒルズ(シェラネバダ山脈の西側の山麓に点在するブドウ畑の総称で広域のAVA)内に含まれるAVA(注1)の全ての地区でジンファンデルが代表的なブドウ品種となっています。

この辺りは、1840年代から50年代のゴールドラッシュの舞台となったエリアで、その頃からジンファンデルの栽培がされていました。ブドウの収量が最も重要視されていた1880年代は、鉱夫やゴールドラッシュで富を得た人たちの日常酒として大量生産されていました。その後、フィロキセラ禍によってほとんどのブドウ畑は打ち捨てられてしまいましたが、ジンファンデルの畑のいくつかは生き残り、現在100年を超える樹齢のブドウから凝縮した味わいのワインが造られています。

(注1)AVA(American Viticultural Areas)=米国政府認定ブドウ栽培地域一定の地理的・気候的なブドウ栽培条件を持つとみなされる境界線を規定するもので、フランスやイタリアなどヨーロッパのワイン法のような、ブドウ品種、栽培、醸造方法等を規定するものではありません。

プーリア州(イタリア)

プーリア風景

イタリア半島の南東部に位置するプーリア州は、広い平野を持ち、温暖な気候に恵まれています。そのため、ブドウをはじめ、オリーブや穀物、野菜などが栽培されている大農産地で、ワイン生産量も非常に多い州です。

プーリア州南部のマンドゥリアがプリミティーヴォの主な産地で、太陽の恵みをたっぷり受けて育ったブドウから、アルコール度数の高い濃厚なワインが造られます。また、干しブドウ状にしたプリミティーヴォから造られるアルコール度数の高い甘口の赤ワイン「プリミティーヴォ・ディ・マンドゥリア・ドルチェ・ナトゥラーレ」が2011年にD.O.C.G.(イタリア最上級格付けワイン)に認定されました。

ジンファンデルのワインの特長

赤ワイン

冷涼な地域で栽培されたジンファンデルから造られるワインは、チェリーやラズベリーのような果実味が豊かで程よい酸味のあるワインとなります。

一方、温暖な地域で栽培されたジンファンデルから造られるワインは、ブラックベリーや、コショウ、クローブといったスパイスのニュアンスがあります。

いずれの場合も、概ね色合いは黒みがかった濃い赤色で肉付きがよく、力強さと豊潤さを併せ持ったワインとなります。

また、カリフォルニアではジンファンデルから「ホワイト・ジンファンデル」という淡いピンク色のやや甘口のワインも造られています。これは、ジンファンデルの果皮を取り除いて白ワインと同じ製法で造られるロゼワインです。こちらは、ジンファンデルから赤ワインを造る最中に、濃度を上げるために取り除いた余分なジュースを別途発酵させて造ったことがきっかけで生まれました。

ホワイト・ジンファンデルは1970年代にカリフォルニアで大流行となり、カリフォルニアでのジンファンデルの生産量のほとんどがホワイト・ジンファンデル用に使用されたていた時期もあるほどです。

ホワイト・ジンファンデルは個性の強いジンファンデルの赤ワインとは異なり、フルーティーでみずみずしく、ソフトな味わいのため、強いアルコールが苦手な女性にも人気です。

ジンファンデルのワインと料理の相性

焼肉

果実味が豊かなジンファンデルの赤ワインは、少し甘みのあるソースとの相性が良いので、焼肉やテリヤキハンバーガー、お好み焼きなどとよく合います。

また、スパイスの風味が強い凝縮したジンファンデルのワインには、ジビエや羊肉も合います。個性が強いワインなので、家庭料理と合わせる場合はハーブやスパイスを使うといった工夫が必要かもしれません。チーズなら熟成したウォッシュタイプチーズとお試しください。

また、ホワイト・ジンファンデルは簡単なおつまみと楽しむアペロや、食前酒にぴったりです。食後にデザートと合わせても良いでしょう。

まとめ

現在、カリフォルニアでは残存する樹齢の高いジンファンデルから、良質なワインが生産されています。

一時はカリフォルニアで最大の栽培面積を誇ったジンファンデルも、1980年以降少しずつカベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネといった人気のある国際品種への植え替えが進み栽培面積が減少しました。

しかし、ホワイト・ジンファンデルは今もなおカリフォルニアで絶大な人気のため植え替えにはストップがかかりました。つまり、ホワイト・ジンファンデルの人気のおかげで古木が守られたのです。

ジンファンデルは時代や流行に左右されながらも、カリフォルニアワインの礎となったブドウ品種と言えるでしょう。

参考文献 :日本ソムリエ協会 教本 2018