ガイザーヴィル

1885年、医師であるオセア・ペローネ氏がモンテベロリッジの頂上近くに
土地を購入したのがリッジ・ヴィンヤーズの始まり。
1969年にはチリでワイナリー建設を経験したポール・ドレーパー氏が
共同経営者として新たに参画します。
リッジ・ヴィンヤーズの名を有名にした契機となったのが1976年、
無名だったカリフォルニアワインがフランスのトップワイナリーを
打ち負かしたことで世界を震撼させた、「パリ・テイスティング」。
この試飲会において、リッジ・ヴィンヤーズ・モンテ・ベロ1971年は、
レオヴィル・ラスカーズなどの格付けシャトーを抑え、見事第5位に入賞したのです。

世界各国からの注目の的となったリッジを1986年に「大塚製薬」が購入。
創設以来からこだわり続けている「その土地らしさ」を現在まで一貫して表現し、
ついに2006年、ジャンシス・ロビンソンら世界の著名な評論家も参加した
パリ・テイスティング30周年試飲会において、
若いワイン部門と熟成ワイン部門の両方で、フランスの格付け１級シャトーや
前回優勝したスタッグス・リープスなどを抑えて優勝するという偉業を成し遂げました。

元最高醸造責任者、現CEOのポール・ドレーバー氏は、
マスター・オブ・ワイン協会とザ・ドリンク・ビジネスが運営する
「醸造家が選ぶ醸造家賞」を2013年に受賞。
さらに2015年にデキャンター誌において、
ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティの当主オベール・ド・ヴィレーヌや
世界的醸造コンサルタントのミシェル・ロランと共に
「醸造家が選ぶ最も尊敬する醸造家」トップ5にも選ばれた偉大な醸造家。
化学薬品を極力減らす持続可能な栽培、自然な醸造方法、単一畑にこだわり、
尚且つそれらがワインの品質に与える影響を示す役割を果たしてきた先駆者です。
ボルドーブレンドのワインだけでなく、
由緒あるカリフォルニア伝統品種ジンファンデルに力を入れワインメイキングを行なっています。

ガイザーヴィルは、アレキサンダー・ヴァレーの自社畑から収穫される
ジンファンデルを主体にして造られたワイン。
ガイザーヴィルの畑では、樹齢130年をこす樹木をはじめ、
リッジの育てるブドウの中で最も古い樹が植えられており、
日中の気温が高く、夕方に吹くそよ風と朝に畑を覆う霧という理想的な環境と
水はけがよくワインにミネラルの風味を与える、
大きな石が含まれた砂利混じりのローム土壌で、
ジンファンデルとその他の補助品種が育てられています。

リッジが造るほとんどのジンファンデルに含まれるプティット・シラーより
カリニャンのブレンド比率が高いのが特徴で、
風味が何層にも折り重なったエレガントな味わい。
リッジが造るワインの中でも最も長寿で、10年以上の熟成を経て尚、
均衡の取れた美しい姿を見せてくれる逸品です。