新しい年も皆さまにもっともっとワインを楽しんでいただきたい・・・!そんな思いを込めて、エノテカが2019年に注目するワイントピックをまとめてご紹介します。
2019年の注目ワインやトレンドとは!?今回は後編をお送りいたします。
前編はこちら!ワインをさらに楽しむ!2019年注目トピック10【前編】
Topic6 ワインツーリズム!
スペイン・カタルーニャを拠点とするトーレスのワイナリーを訪れる訪問者は、年間約8万人!ワインツーリズムに力を入れているトーレスでは、ミニ電車で巡るセラー見学をはじめ、シアターでの歴史解説 、試飲など、超充実の内容が自慢です。
日本でも、山梨県甲州市勝沼町や長野県塩尻市などを筆頭にしたワインツーリズムの人気が高まり、新しい旅の形としてポピュラーになりつつあります。
ブドウが育まれる自然に触れ、土地を感じ、造り手と交流することで見えてくる背景や物語。そこにはワインを味わうこととはまた別の楽しさや喜びが潜んでいます。国内海外問わず、機会があれば “ ワイン旅 ” 、いかがでしょうか
Topic7 プレミアムロゼ!
世界のロゼワイン消費量は、2002年対比で30%増と伸長。(注1) さらに、2017年には日本においても主要ワイン輸入業者が拡充すると宣言するなど、ますますブームが続いているロゼワイン。
中でも2019年は、プレミアムロゼに注目! 特にその台風の目となっているのが、フランス産のロゼ。アメリカではすでに爆発的な人気を集めており、ジャンシス・ロビンソン女史は「それはアメリカの富裕層の間であまりに人気が高まったため、ハンプトンズ(米国で最も高価な住宅地)の水、あるいはミレニアルのシャンパーニュと呼ばれるようになったほど。」と喩えるほど。(注2)
料理を選ばないという魅力もあるため、プレミアムロゼの躍進はアジアを含む各国で続きそうです。
(注1):2015年時点/フランス アグリメール・プロヴァンスワイン委員会(注2):2018年7月21日「ピンカンズ」/JancisRobinson.com
Topic8 ワインスクール!
「働き方改革」の浸透によって、アフターファイブを自己研さんの時間に充てる社会人が増えているといわれる昨今。これまでのソムリエ試験対策一辺倒ではない、様々なワインスクールが登場し、すそ野が広がりそうです。
例えば、2018年10月にオープンしたワインショップ・エノテカ たまプラーザ店では、初心者の方向けの「ワインの選び方講座」や「チーズセミナー」など多彩な講座を開講し、多くの講座がキャンセル待ちという人気ぶり。また、マスターソムリエに挑戦する若者を描いたNetflixのドキュメンタリー「Somm(ソム)」も、プロのテイスティングを知る教材として話題になりました。2019年は、ワインの学びがますますアプローチしやすくなり多様化する予感!
Topic9 クールクライメイト!
「ブドウ栽培に適した土地は2050年までに、最大で現在の3分の2まで縮小する恐れがある」(注3) という衝撃的な提言があるように、深刻な地球温暖化によって、ワイン生産者がより冷涼な気候をもつ地域(クールクライメイト)にブドウ畑を求める動きが広がっています。
例えばシャンパーニュの大手メゾン、テタンジェがイギリスに畑を購入したことがニュースになったほか、これまでワイン造りは難しいと言われていたアメリカのニューヨーク州でも、高品質なワインが生み出されるようになってきました。同じような理由で、イギリスやカナダといった産地も注目を集めており、現在のワイン地図が大きく塗り替えられる日が来る可能性があります。
(注3):「ヴィネクスポ 2017」 討論会 「ファイア・アンド・レイン:気候変動とワイン産業」
Topic10 オーガニック!
ここ15年来オーガニックワイン産業は著しく成長し、世界的にワイン造りは減農薬・有機農法へとシフトしています。オーガニックワインの生産量は、2004年から2015年の間に世界では約280%と伸長 。(注4) ワイン大国、フランスのオーガニックワイン市場は、2015年と比較して2016年は18. 2%増加。(注5)
また、2018年にはボルドーの格付け第1 級シャトーとして初めてシャトー・ラトゥールがビオロジック認証を取得 。そしてシャンパーニュでは、ルイ・ロデレールが2020年にはクリスタルの畑を100%ビオディナミ栽培に転換予定。名だたるトップワイナリーが転換を進めるビオディナミ、この流れはワイン界で大きな潮流となる可能性を秘めています。
(注4): EUROPEAN SUPERMARKET MAGAZINE 2017年4月12日発行(注5):THE DIVA Network “ OVERVIEW OF THE ORGANIC WINE MARKET ”