月の満ち欠けを見てワイン造りを行うビオディナミ生産者たち

月

もうすぐ中秋の名月(※2018年は9月24日)。

実は月の満ち欠けがワイン造りに大きく影響しているワイナリーが数多く存在します。

この秋は月のパワーに思いを馳せながら、お月見&ワインを楽しんでみませんか?

自然界のあらゆるものは月の満ち欠けが大きく影響!

地球や宇宙のパワーを取り込み、土地や環境、植物の力を最大限に引き出すことを目指すビオディナミ農法では、月の満ち欠けのリズムが重視されています。

新月から満月

月が次第に満ちて満月になる時期は、植物の生命力が増大。収穫は満月になる頃を見計らって行われます。

満月から新月

一方、満月から新月になる期間は、植物の生命力が弱まる時期。樹勢が弱まり、剪定に絶好のタイミングとなるそうです。加えて、月の高度によっても、内向き&外向きのパワーが働くと言われています。

このような月や天体の動きに併せた考えは、ビオディナミの大きな特徴のひとつです。

「ヴィニュロン(ワイン生産者※エノテカ注)は単に自分の区画を耕しているのではない、その畑はより広大な全体の一部であり、全体からの影響を強く受けるため、全体を知ることが肝心である、というものです。ヴィニュロンは、テロワールそして地域の一部、さらには地球という惑星、太陽系、そして昔の人々が宇宙と呼んだものに関与している、というわけです」(※)

ところで、月の満ち欠けのサイクルを農業に生かすのはビオディナミに限りません。ピエモンテの生産者、エルヴィオ・コーニョはビオディナミを実践しているわけではありませんが、伝統に従い、満月の日にボトリングをしています。

このタイミングだとワインが安定するのだそう。ガヤもビオディナミではありませんが、月の動きに併せたワインメイキングを実践しており、それは生産者にとっての“共通認識事項”とのこと。植物をはじめ、自然界の生きものは月や太陽をはじめ、あらゆる環境の影響を受けています。それは人間も同じ。「髪の毛を切るタイミングもそうなのよ」とガヤ・ガヤ女史は茶目っ気たっぷりに話していました。

実は月と大きな関係があるワイン。
夜空に昇る月を見ながら、今の満ち欠けの状況がブドウ畑やワイン造りにどんな影響をもたらしているのかを考えつつ、ワインを味わうのも一興かもしれません。

※ 引用(一部抜粋):『ビオディナミ・ワイン35のQ&A』 アントワーヌ・ルプティ・ド・ラ・ビーニュ著  星埜聡美訳

月の満ち欠けがワイン造りに影響しているワイナリー

月の満ち欠けがワイン造りに影響している代表的なワイナリーをご紹介します。

2004年からビオディナミを導入。ボルドーにおける先駆者的存在。

シャトー・ポンテ・カネ

France Bordeaux [ フランス・ボルドー ] シャトー・ポンテ・カネ

ビオディナミ生産者 ※認証あり

エコセール(オーガニック)とデメテール、ヴィオディヴァン(ビオディナミ)で認証を受けた先駆者。野生酵母で発酵し、10頭の馬で畑の半分を耕作。いずれ14頭に増やし、4年以内にすべてを馬で耕作する計画とのこと。畑には、ビオディナミの調合剤を入れた牛の角が700個も埋められています。
※ワインジャーナリスト山本昭彦氏「ワインレポート」 2018年4月12日記事より

18年前から取り組んできた、シャンパーニュ最大のビオディナミ生産者。

ルイ・ロデレール

France Champagne [ フランス・シャンパーニュ ] ルイ・ロデレール

ビオディナミ生産者 ※認証なし

シャンパーニュ最大のビオディナミ生産者、ルイ・ロデレール。
醸造責任者ジャン・バティスト・レカイヨン氏は、土地の個性をより豊かに表現したいとの思いから、18年前よりビオディナミに着手。今や自社畑240haのうち、約115haがビオディナミです(115haはオーガニック認証あり)。2020年までにはクリスタルの畑がすべてビオディナミとなる予定だそうです。

ビオディナミではないが、月の動きに併せたワインメイキングを実践。

ガヤ

Italy Piemonte [ イタリア・ピエモンテ ] ガヤ

独自の実験的方法で畑を管理

「剪定のタイミングがとても重要なのよ」とガヤ・ガヤ女史。剪定は満月から新月に向かう樹勢が弱まるときに行います。ほか、ワインを樽に移し替えるときも月の状況を考慮、瓶詰は月が欠けていくタイミングで行うと安定するのだそう。長年の経験に加えて専門家の助言をもとに、独自のワインメイキングが進められています。

本家コント・ラフォン同様、マコンでもビオディナミを実践。

レ・ゼリティエール・デュ・コント・ラフォン

France Bourgogne [ フランス・ブルゴーニュ ] レ・ゼリティエール・デュ・コント・ラフォン

ビオディナミ生産者 ※認証なし

本家コント・ラフォンと同じビオディナミを導入し、1 0 0%マロラクティック発酵、ノンフィルターで瓶詰め。ビオディナミで造られたブドウは、アペラシオンごとの特徴がくっきりと表現されています。栽培も本家とまったく同じチームだけに、これほどお得なマコンはないのでは、と思えるほど、丁寧かつナチュラルに手がけられています。

自然環境が素晴らしいワインを造る、がボデガ・チャクラの信念。

チャクラの調合剤501番

チャクラの調合剤501番

Argentina Patagonia [ アルゼンチン・パタゴニア ] ボデガ・チャクラ

ビオディナミ生産者 ※認証あり

ボデガ・チャクラがあるパタゴニアは、非常に乾燥した過酷な環境ながら、ブドウにとっては理想的な土地となっています。ロケッタ氏は「畑が健康であれば、生き物が棲む。生き物が棲めば、自然とブドウの風味が豊かになる」を信条に、ビオディナミ(デメテール認証あり)を実践しています。

 

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