イタリアのスパークリングワイン「プロセッコ」とは?

スパークリングワインが注がれるグラス

みなさんプロセッコというワインをご存じでしょうか?プロセッコは、シャンパンやカヴァと並ぶ世界の3大スパークリングワインのひとつです。

その魅力はなんといっても新鮮な果実風味とお手頃な価格。フレッシュ&フルーティーで難しいところのない味わいとお手頃な価格は、ワインに親しみのない層や若い世代にも受け入れられやすく、世界的に人気が高まっています。

2013年にはシャンパンを抜き、世界で最も売れているスパークリングワインとなりました。さらにヴィネクスポ元CEOギョーム・デグリーズ氏によると、2020年には年間販売本数が4億本を超える見込みで、まさに世界的トレンドワインの一つと言えるでしょう。

今回はそんなプロセッコを徹底解説いたします!

プロセッコの産地

急斜面のテロワール

プロセッコはイタリア・ヴェネト州、ヴェネツィアの北25kmほどにあるトレヴィーゾの周囲に拡がります。

生産地域は法律上3つに分類されますが、プロセッコとして全地域合わせて30,000haを超える広大な土地で生産されています。

なかでも、古くからプロセッコを生産してきたコネリアーノからヴァルドッビアデーネにかけて東西にのびる地域は、標高100-500mの真南向き斜面に広がる絶好のロケーション。

素晴らしい日当たりと、アルプス山脈やアドリア海からの風による冷却効果で、ブドウが適度な酸を保ったまま完熟することができるため、この地域ではより高品質なプロセッコが造られています。

プロセッコのブドウ品種

プロセッコのブドウ

プロセッコに使用が認可されているブドウ品種はグレラ(最低85%)と、最大15%までのグレラ・ルンガ、ヴェルディゾ、ペレラ、ビアンチェッタといった土着品種やシャルドネ、ピノ・ノワールをはじめとしたピノ系品種をブレンドすることが認められています。

グレラ

プロセッコの主要品種です。2009年まで「プロセッコ」という名前で呼ばれていましたが、プロセッコというワイン名を守るため、法律的にグレラという名前に変更されました。マスカットほどではありませんが、フローラルな品種で軽いワインを造ります。

グレラ・ルンガ

ルンガ(Lunga=Long)の名の通り、実がやや縦長のプロセッコのクローン品種。と長年考えられてきましたが、DNA分析の結果、違う品種だということが判明しました。グレラに比べてスパイシーなアロマを持つといわれています。

ヴェルディゾ

特徴的な卵型の実をつける品種です。柑橘類の香りと高い酸味が特徴で、陰干しして甘口ワインなどにも使われます。

ペレラ

Pere(ra)=pear(洋ナシ)の名が指し示す通り、見ためも香りも洋ナシを連想させる品種です。ヴェルディゾ同様甘口ワインにも使用されます。

ビアンケッタ

早熟で冷涼な年にも熟すことができるためバランスをとるためにブレンドされています。単一でワインに仕立てられることはなく、フリウリの白ワインなどにも補助品種として使われています。

シャルドネ、ピノ・ノワール

言わずと知れた高品質ブドウ品種です。シャンパンをはじめ、カヴァ、プロセッコと世界の3大スパークリングワイン全てに使用されています。

プロセッコとシャンパンの違い

スパークリングワインが入ったグラス

ここではプロセッコとシャンパンの違いを比較してみましょう。どちらも同じスパークリングワインですが、スタイルはとても対照的です。

味わいの違い

大きな違いのひとつは残糖分の差です。

いずれも銘柄によって幅広い甘辛度がありますが、一般的にシャンパンは残糖分が12g/l以下で造られています。一方でプロセッコは近年辛口化の傾向はありますが、おおむね12g/l 以上になります。

数値としては微妙な差ではありますが、人間がワイン中の甘みをきちんと感じられるようになる境界が12g/l前後と言われているので、シャンパンは辛口、プロセッコはほんのり甘い、ということになります。

香りの違い

つぎに製法による香りの違いがあります。

スパークリングワインは主にアルコール発酵の副産物として発生する二酸化炭素を、ワインに閉じ込めることで発泡性を持たせています。(安価なものはコーラのようにガスを注入しているものもあります)

この二酸化炭素を閉じ込める方法はいくつかありますが、シャンパンはそのうちの伝統的方式(瓶内二次発酵)という製法で造られています。

伝統的方式ではボトルの中でワインと酵母(イースト)が長期間接触するため、ワインがイースト由来のパンのような香りを持つようになります。

 

かたやプロセッコは、密閉式タンク方式という製法で造られています。

この製法では大きなタンク内でまとまった量のワインを短期間で仕込みます。そのためイーストとの接触が抑えられ、パンのような香りはワインにつきません。

これによって、造られるプロセッコはブドウ本来の香りを邪魔するものが一切ないフレッシュ&フルーティーな味わいになります。

目指すワインのスタイルによって使い分けられるので、どちらの製法のワインが優れているということはありません。

しかし伝統的方式で造られるスパークリングワインに比べ、密閉式タンク方式で造られるワインは手間がかからず安価。これもプロセッコの人気を支える魅力の1つとなっています。

 

その他には、アルコール度数がシャンパンは平均12.5%前後に対して、プロセッコは平均11%前後という違いもあります。

このように味わいや香り、値段も全く違うのでTPOによって飲みわけると素敵ですね!レストランでの食事にシャンパンも良いですが、暑い日に氷を浮かべたプロセッコも良いものです。

プロセッコの格付け

 プロセッコというと安価な大量生産ワインをイメージする方もいますが、それだけではありません。なんとプロセッコには、ブルゴーニュのような村名や特級畑の格付けも存在するのです。

プロセッコのヒエラルキー

上の図がプロセッコのヒエラルキーです。もっとも広域に拡がり全生産量の約66%を占めるプロセッコ DOCを基盤として、その上に全生産量の約33%を占めるコネリアーノ・ヴァルドッビアデーネDOCGと、全生産量のわずか1%と稀少なアゾーロ・プロセッコ。

さらに上位にはコネリアーノ・ヴァルドッビアデーネ・プロセッコ・スペリオーレの中でも、限られた43村で造られたものだけが表記できる「リヴェ(Rive)」、古来からプロセッコ最高の畑といわれてきた「カルティッツェ(Cartizze)」、と呼ばれる107haの単一畑名の表記が認められています。

まだまだ法整備されたばかりで、Riveは各村の特徴を表現するまでには至っていないと言われています。

しかしカルティッツェは顕著な品質差が感じられますので、プロセッコ=安酒というイメージをお持ちの方はお試しください。

まとめ

これであなたも今日からプロセッコ通ですね。

爽やかですがほんのり甘いプロセッコは、ワイン初心者や女子会にオススメですし、氷を入れてカクテルに使用するのにも適しています。

みなさんもお気に入りのプロセッコの楽しみ方を見つけてください。

 

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