イタリアワインの帝王ガヤのスペシャルディナー

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レポート
公開日 : 2017.10.21
更新日 : 2019.6.13
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今回は、イタリアワインの専門家として活躍するワインジャーナリスト、宮嶋勲(ミヤジマ イサオ)氏がナビゲートする”イタリアワインの帝王ガヤ”のスペシャルディナーに参加。トスカーナ州の西側、海沿いに広がるボルゲリ地区で造られる白ワインから始まり、フラッグシップのバルバレスコ3ヴィンテージの飲み比べ。もちろん、アンジェロコート東京様の絶品お料理とのペアリングは、新しい発見と王道マリアージュが混在する、気の抜けない上質な緊張感とともに会は進行しました。
通常結婚式会場となるチェペルを今回は貸切
目次

ガヤとは?

ジョヴァンニ・ガヤ氏が1859年にバルバレスコ村にワイナリーを創業したのが歴史の始まり。2代目の時代には、現当主であるアンジェロ氏の祖母、クロチルド・レイ女史もワイン造りに参画し、現在にも脈々と続く品質主義の礎を築きました。アンジェロ氏と旧知の仲である宮嶋氏は、ガヤは国際的に成功しているので、グローバルなワインだと思われがちだが、実は非常にピエモンテらしい。なぜならば、ワインに酸味やタンニンがしっかりありお料理を必要とするから。見た目がいかつく個性的なキャラの彼だが、実はお料理がとても好きなフーディーで、ボルゲリのカ・マルカンダに行くと必ず立ち寄る海沿いのリストランテ ラ・ピネータのお魚料理は絶品です。
ガヤ・ガヤ女史のメッセージで会はスタート

カ・マルカンダで造られるヴィスタマーレ2016年

イチジクと生ハム、オリーヴとドライトマトのマリネ、茄子の器にカポナータ
アンジェロ氏が1996年に取得したカ・マルカンダ。トスカーナの沿岸部に広がる畑からワインが造られるため、名前はヴィスタマーレ=オーシャンヴュー。アーモンドやフルーツのアロマに濃密な味わいとミネラルが感じられ、追っかけるように酸味が広がるため生ハムの塩味やドライトマトの酸味と相性がピッタリ。乾杯も兼ねていたので爽やかな味わいが、アペリティーボとしても絶妙な役割を果たしていました。

ガヤのロッシィ・バス2014年

ボタン海老のカルパッチョ パッションフルーツのアクセント
こちらはガヤの本家本元、ピエモンテで造られる白ワインでファーストヴィンテージは1988年。ピエモンテは石灰質土壌が中心で、ブドウが熟しやすい南向きの斜面には既にネッビオーロが栽培されており、日照量が黒ブドウ程必要ではない白ブドウのシャルドネは、北向き斜面に植えられています。ボタン海老の自然な甘味とワインの旨味が同じレヴェルで同調し、完熟ブドウのみを使っているため、エキゾチックなフルーツソースとも喧嘩せず驚きの調和をしていました。
海の幸カポラータ
カポラータは伝統的なパスタ料理で、切り刻んだパスタを魚介の出汁で炊き上げるお料理。リゾットに似ているかと思いきや、パスタ特有のツルっと感があり、粉っぽいとろみ感を考えるともんじゃ焼きに近いテイスト。シャルドネは世界中で栽培されていますが、品種の個性であるねっとりとしたとろみはこのワインにもあり、とろみつながりでマリアージュを考案されたシェフの感性に拍手。添えられた切り身は、一般流通が増え名前が知られるようになってきたイトヨリダイで、歯応えがあり身力の強い味わいがワインの果実味パワーと完璧に寄り添いました。

ガヤのバルバレスコ垂直試飲 2013年/2000年/1996年

国産牛ロースの低温調理 3種のベリーと共に
いよいよメインディッシュ。しかし参加者一同、ナイフフォクを持つ前に3ヴィンテージの比較テイスティング。個人で試そうと思うと、エノテカ税別ボトル価格で2013年:22,000円、2000年:44,000円、1996年:50,000円の合計116,000円となり、割り勘しても実現が難しい価格帯なので、静寂な時が流れるほど皆様真剣に試飲。2013年は日照量に恵まれた秀逸な年で、混じり気のないピュアーな果実味が好印象。2000年は力強くマッチョな年で、熟成からくる優しさや包み込むシルキーさがある。20年以上の熟成を経た1996年は、冷涼な気象条件に由来する豊富なタンニンと酸味が感じられ、昔のイメージに近い古典的なバルバレスコ。
国産牛のローストとのペアリングは、2013年の完成度の高い味わいと牛肉の赤身の風味が合い、1996年はまだまだ残る弾けんばかりの果実味とタンニンがお肉のサシを洗う。2000年は最初はエネルギー感が合わないと思ったが、フランボワーズと一緒に食べると酸味が同調し綺麗なペアリングになるので、この年の潜在的な酸味は高いんだと改めて実感。
冒頭で宮嶋氏は、イタリアワインの最大の特長はお料理との相性が良いところ、と仰られていましたが、食材が持つ旨みや風味と調和したり、添えられたフルーツのソースやバルサミコ酢とも上手にペアリングしたりと、イタリアワインの魅力は多種多様な味わいにも合ってしまう、懐深い対応力なのかなと感じました。ご参加頂きました皆様には深く御礼申し上げます。
宮嶋 勲(みやじま いさお)
1959年京都生まれ。東京大学経済学部卒業。現在イタリアと日本でワインと食について執筆活動を行っている。2013年にグランディ・クリュ・ディタリア最優秀外国人 ジャーナリスト賞受賞。2014年、イタリア文化への貢献により“イタリアの星勲章”コンメンダトーレ章をイタリア大統領より授与。

今回登場したガヤのワイン

ヴィスタマーレ
/ カ・マルカンダ(ガヤ)
(イタリア トスカーナ ボルゲリ)
8,000 円 (8,640 円 税込)
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ロッシィ・バス
/ ガヤ
(イタリア ピエモンテ)
9,000 円 (9,720 円 税込)
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バルバレスコ 2013年
/ ガヤ
(イタリア ピエモンテ)
22,000 円 (23,760 円 税込)
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