わたしたちが日頃飲んでいるワイン。このワインを造った生産者はどんなものが好きで、どんな風に仕事をしているのか気になったことはありませんか?
ワイン造りから私生活まで、生産者の素顔に迫ります。
ロレンツォ・マニェッリさん
生年月日:1983年3月27日 出身地:イタリア・トスカーナ州フィレンツェ県フィエーゾレ 趣味:セーリング、トレッキング、スキー 家族:妻、2人の娘(ヴィオラさん、ジュリアさん)
レ・キウーゼはイタリア・トスカーナ州モンタルチーノに位置する、1987年創業のワイナリー。彼らの畑は、かつてブルネッロ・ディ・モンタルチーノの生みの親として知られるビオンディ・サンティが、上級キュヴェであるリゼルヴァのブドウを栽培していたことから、その系譜を継ぐ存在として知られています。
当主のロレンツォさんは幼い頃、父の仕事であったコーヒー焙煎士に興味をもっていたのだとか。ですが、母方の家業であるブドウ畑の仕事を手伝っていくうちに、ワイン造りへの思いが芽生えたと言います。今回は、そんなロレンツォさんのワイン造りへの思いからプライベートまで、お話を伺いました。
私の原点にある存在
私の人生に大きな影響を与えてくれたのが、両親と叔父です。両親の存在は大きく、土地へのリスペクトや人生観を教えてくれました。母を一言で表すなら「調和」、父は「パワフル」。私の繊細で精密な部分は母から、行動力とパッションは父から受け継いだと思います。
母方の叔父フランコ・ビオンディ・サンティはモンタルチーノの土地や伝統について深く教えてくれました。その教えは今でも私の中に息づいており、ワインメーカーとしての基盤になっています。
ワイン造りのこだわり
テロワールの表現とは、単なる土地の特徴を示すだけではなく、歴史や世代を超えて受け継がれてきた物語をワインに映し出すことだと考えています。大切なことは2つ。1つ目はワインのスタイルがナチュラルであること。オーク樽や酵母で高品質なワインを造ることは可能ですが、その土地で生まれた自然な特徴を隠してしまっては意味がないと感じています。
2つ目は調和のとれたブドウを作ること。酸、タンニン、糖のバランスが欠けていると、セラーで調整が必要になりますが、その時点で自然の表現から離れてしまいます。そのため、畑仕事を通じて、バランスの整った高品質なブドウを育てることが何よりも重要です。
お気に入りキュヴェとベスト・ペアリング
どのワインも大切で1本を選ぶのは難しいですが、自分の末っ子のように可愛がっているロッソ・ディ・モンタルチーノを紹介します。親しみやすい味わいで、ペアリングの幅広さが魅力。
ローマ出身の妻が作るアマトリチャーナとのペアリングがお気に入りで、豚の頬肉を塩漬けにして熟成させたグアンチャーレの脂身とワインの華やかな果実味が調和し、一口目から最後までパスタソースの複雑な風味とワインの余韻を楽しむことができます。
2023年
5,500 円
(税込)
2022年
4,620 円
(税込)
これからの目標
ヴィンテージ毎に違う味わいを表現できていることに満足しています。今後も着実にクオリティーを高め、自分らしいワインを造り続けていきたいです。
また、モンタルチーノのエリアを盛り上げることも私の大切な使命です。父から受け継いだ“皆を引っ張る力”が私の長所だと思っていて、昨年末からは若手生産者を毎月集めて、地域の将来について話し合っています。地域内でライバルとして競うのではなく、競合は外にあると考えた時に、こうしたワインメーカー同士のつながりを深めることが重要です。モンタルチーノを産地としてどう発信していくかを皆で考え、その表現を追求することが私の目標です。
オフショット
休みの日はセーリングやトレッキング、冬はスキーを楽しみながら、リフレッシュしています。
モンタルチーノを離れて外の世界へ足を運ぶことで、新たな視点を得て、自己を俯瞰して見つめ直す時間を持つことがワイン造りにも良い影響を与えると思っています。
『エノテカタイムス』は全国のワインショップ・エノテカにて配布中です。ぜひお手に取ってご覧ください。 ※一部対象外の店舗がございます。 ※数に限りがございます。期間中でも配布が終了している場合がございます、予めご了承ください。