ワインの世界には数多くの噂や疑問が存在します。
「これって本当なの?」と思うような噂や「ワインのここがわからない!」という疑問など、あなたも持っていませんか?
そんな皆さんが聞いたことのある噂や抱えている疑問をエノテカスタッフが検証します。
ワインの味わいは原料であるブドウと生育環境、醸造方法など人為的な要素が関わりあって決定します。
ですが「ブドウの特徴は何となく分かるけれど、産地が違うとどのように味わいが変わるのかよく分からない」そんな方も多いと思います。
実際にSNS上でも「産地ごとにワインの味わいはどう違うの?」という質問がありました。
そこで今回はエノテカスタッフが同じブドウ品種で異なる産地のワインを飲み比べてみました。赤ワイン編をお届けします。
白ワイン編はこちら
目次
検証について
比較するのは全世界で栽培されている黒ブドウ品種「ピノ・ノワール」。全く地域の異なる“フランス・ブルゴーニュ”のピノ・ノワールと“アルゼンチン”のピノ・ノワールを選びました。
この二つをエノテカスタッフ3名で飲み比べ。スタッフには事前にワインの情報を伝えた上で飲んでもらい、香りや味わいについてコメントしてもらいました。
検証したワインの詳細
今回検証した二つのワインがこちら!生産地域の条件についてスタッフに共有した上で検証を行いました。
実際にテイスティングしたワインはこちら
ブルゴーニュ キュヴェ・マルゴ
赤
エレガント&クラシック
ピュリニー・モンラッシェ最高の造り手の一人。コート・ド・ボーヌの複数区画のブドウをブレンドして造られるしなやかで調和の取れた味わい。 詳細を見る
4.4
(35件)2022年
6,600 円
(税込)
カイケン・ウルトラ・ピノ・ノワール
赤
チャーミング&パフュームド
チリのトップワイナリー、モンテス社がアルゼンチンで手掛ける上級シリーズ。濃密な味わいと香り高いスパイスのニュアンスが印象的な1本。 詳細を見る
3.9
(15件)2021年
3,080 円
(税込)
JS 91
検証結果
2種類を飲み比べ、スタッフのコメントをまとめた結果がこちら。香りや味わい、相性の良い料理などそれぞれ特徴が異なることが分かります。
ワイン①ブルゴーニュ キュヴェ・マルゴ
赤系果実やスパイスの香りが特徴で、エレガントな印象
香り:ラズベリーや野イチゴなどの赤系果実の香りやシナモン、ナツメグなどのスパイスの香りが感じられる
味わい:酸味は豊かで緻密なタンニン、エレガントな印象
相性の良い料理:塩こしょうをかけたシンプルなステーキ、ラムの香草焼き
ワイン②カイケン・ウルトラ・ピノ・ノワール
熟した果実の香りが強く感じられてボリューム感がある
香り:ドライフルーツや完熟したイチゴのような甘みのある果実の香りが強く感じられる、その中にミントのような清涼感のある香りもある
味わい:酸味の強さは①と同程度だが、果実の甘い香りが強くでているので、酸味は豊かだが①と比べると丸みのある印象
相性の良い料理:タレの焼き鳥、山椒をかけたうなぎの蒲焼、酢豚
どうして味わいが違う?
どちらも同じピノ・ノワールの赤ワインですが、香りや味わいのバランスが異なるという結果になりました。こうした味わいの違いは産地のどのような要因が影響しているのでしょうか?
基本的にブドウは日照量が豊富で気温が高い環境では糖度が高くて酸味が控えめに、日照量が控えめで気温が低い環境では糖度は緩やかに上昇して酸味が高くなります。
②のアルゼンチンのピノ・ノワールは甘みもありながら酸味もしっかりと感じられていました。
これは「日較差」の影響と考えられます。日較差、つまり最高気温と最低気温の差が大きいと、ブドウが酸味をキープしながら糖分も蓄えるので、甘みも酸味も感じられたというわけです。
このように日較差や降水量など、ブドウに影響を与える気候条件は様々あり、複雑な要素が絡み合ってワインの味わいが決定しています。
そのため一概に気温が高いからこのような味わいになると言い切ることはできませんが、環境の違いによってある程度味わいを推測することができます。
お好みの品種に加えて、さらに産地まで絞れるとより自分の好みに合うワインに出会うことができます!造られる環境はワインごとに異なるので、困ったらワインショップのスタッフに聞いてみてくださいね。
まとめ
造られる場所の特徴がワインの味わいに現れるというのが今回改めて分かりました。ブドウ品種だけでなく色々な要素が絡み合うことで多様なワインが造られています。
難しく感じるかもしれませんが、色々な味わいが楽しめるというのがワインの面白いところでもあります。ぜひ産地にも目を向けてみて、ワインを楽しんでみてくださいね!
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