ジュヴレ・シャンベルタン村はブルゴーニュのコート・ド・ニュイ地区最大の面積を持ち、なおかつコート・ド・ニュイの中で最多となる九つのグラン・クリュ(特級畑)を保有します。
そのグラン・クリュのうちの一つであるシャペル・シャンベルタンは、力強く男性的なワインが多いジュヴレ・シャンベルタンのグラン・クリュの中で、最も繊細なワインを生むと言われています。
今回はそんなグラン・クリュ、シャペル・シャンベルタンを紹介したいと思います。
産地 | フランス ブルゴーニュ コート・ド・ニュイ ジュヴレ・シャンベルタン村 |
面積 | 5.48ha |
土壌 | 粘土質を含む石灰岩 |
品種 | ピノ・ノワール |
タイプ | 赤 |
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テロワール
シャペル・シャンベルタンはブルゴーニュのコート・ド・ニュイ地区北部ジュヴレ・シャンベルタン村にあるグラン・クリュで、面積は約5.48ha、標高約265〜275mの日当たりの良い東向きの斜面にあります。
国道を挟んで西側の斜面上方にグラン・クリュのシャンベルタン・クロ・ド・ベーズ、南側に同じくグラン・クリュのグリオット・シャンベルタンと隣接しています。
夏は暑く冬は寒い半大陸性気候のブルゴーニュの中で、ジュヴレ・シャンベルタン村はグラン・クリュを擁する村としては北方に位置するため比較的冷涼です。この地域一帯の土壌は粘土石灰質土壌で、グラン・クリュは茶色い土壌で表土は薄く、泥土や砂利質の堆積物となっています。
シャペル・シャンベルタンは南側のアン・ラ・シャペルと北側のレ・ジェモーの2区画からなります。アン・ラ・シャペル側の土壌は小石と石灰質の土壌、レ・ジェモー側の土壌は地中深くに粘土質があり、若干の違いがあります。
シャペル・シャンベルタンという名前の由来は、1155年に建立されたベーズ修道院の礼拝堂(フランス語で礼拝堂=シャペル)にあります。ちなみにこの礼拝堂は1789年のフランス革命の最中に壊されてしまったので現存しません。
ジュヴレ・シャンベルタン村の九つのグラン・クリュ
ワインの特徴
1937年にA.O.C.に認定されたシャペル・シャンベルタンはピノ・ノワールから造られる赤ワインです。
シャペル・シャンベルタンはジュヴレ・シャンベルタン村のグラン・クリュワインの中では、最も軽快かつ繊細なワインと表現されます。
ただし、あくまでこの村のグラン・クリュの中でということですから、長期熟成も可能なポテンシャルを備えたワインであることに違いはありません。
最近は力強いスタイルのワインに仕上げる生産者もいます。豊かな芳香となめらかな舌触り、上品な果実味、複雑で長い余韻、飲み頃を迎えるまでに最低でも5年、良年のワインなら20年程度は熟成させることが可能でしょう。
代表的な生産者
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参考文献 『The World Atlas of WINE 8th Edition 世界のワイン図鑑』