「フランスの庭」ロワールで作られるチーズの魅力

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公開日 : 2021.7.13
更新日 : 2021.7.15
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フランスの中でも風光明媚なワイン産地として知られる、ロワール地方。全長1,000キロにも及ぶロワール川流域の沿岸にワイン産地が広がっています。
そんなロワール地方はワインだけではなく、チーズも有名です。
美味しいワインがあるところに、美味しいチーズがある。
今回は、そんなワインのお供に欠かせないチーズにスポットを当てたロワール地方のお話と、チーズの美味しい食べ方のご紹介です。
目次

ロワールってどんなところ?

人気の観光名所でもあるロワール地方は、美しいブドウ畑や森が広がり、古城が点在する「フランスの庭」とも言われる場所です。
そんなロワール地方は、ワインだけではなく、山羊乳から造られるシェーヴルの一大産地。薪やピラミッドなどユニークな形をした様々なシェーヴルが造られています。
シェーヴルがロワール地方に多い背景として、8世紀にフランスに攻め入ったサラセン軍がトゥール・ポワチエ間の戦いでフランス軍に撃退され、サラセン軍が食料として連れてきていた山羊と、チーズ作りをしていた女性を置いていったため、ロワール地方に山羊と山羊のチーズの製法がそのまま広がっていったと言われています。

代表的なチーズ

シェーヴルは、山羊乳特有の香りと爽やかさ、ヨーグルトのような酸味に、きめ細やかな口溶けが特徴です。
熟成が進むほど、山羊乳の特有の香りは強くなり、ミルクのコクを感じられます。お好みの熟成具合で召し上がってください。
ここからはそんなロワール地方を代表するチーズをご紹介します。

クロタン・ド・シャヴィニョル

クロタンと呼ばれる、直径4~5cmほどの小さな饅頭形のシェーヴルです。クロタンとは、「窪み」「凹み」の意味であるクロ(crot)が由来という説や、チーズの型が素焼きのランプ(crot)のような形だという説があります。
ロワールを代表する白ワイン、サンセールが造られる地域のすぐそばにあるシャヴィニョル村で生まれたチーズのため、クロタン・ド・シャヴィニョルのお供にサンセールのソーヴィニヨン・ブランは欠かせません。
熟成の若いミ・セックは爽やかな酸味があり、乾いてカチカチになったセックはコクや甘みが増し、熟成ごとの味わいを楽しめます。
繊細なクロタンは、専用のクロタンナイフを用いてカットします。

ヴァランセ

表面は木炭の炭で覆われ、上部を切り取られたピラミッド型をしたヴァランセ。
この特徴的な形には有名な逸話があります。エジプト遠征で敗れたナポレオンが、かつてはミピラミッド型をしていたヴァランセを見て憤慨し、上部を切り落とすよう命じたそうです。
味わいは、乳酸の香りと繊細な酸味、シェーヴルの優しい甘みを感じます。

サント・モール・ド・トゥーレーヌ

細長い筒状の、薪や太巻きのような見た目が特長のサント・モール・ド・トゥーレーヌ。木炭の灰で覆われ、薄く波打つような皺があり、中央に藁が1本通されています。
若いうちはしっとりと水分を含んだテクスチャーと、ヨーグルトのような酸味ときめ細やかで繊細な口溶けです。
熟成によって、水分が抜け、旨味やコク、香ばしいナッツのような複雑性が増します。

ワインとの相性

野性的な山羊乳の香りのチーズには同郷のワインを合わせると驚くほどマッチします。ワインとチーズの同郷を合わせる組み合わせは基本ですが、これ以上無いほどワインとチーズが寄り添います。
熟成が若い爽やかなシェーヴルにはロワール産のソーヴィニヨン・ブランやシュナン・ブランを使った白ワインがピッタリです。山羊乳特有の青草や藁、熟成庫のような個性的な香りに負けず、その個性を包み込むように調和します。
ロワールで造られたワインに、ロワールのシェーヴルを合わせる。シンプルな組み合わせですが、人々が昔から日常的に親しんできた組み合わせです。

美味しい食べ方

シェーヴルは、表面に木炭の粉がまぶされているものと、ないものがあります。木炭粉はシェーヴルの酸味を緩和させ、水分量を調整するためにまぶされていて、食べても害はありません。乾燥を促し、良い熟成につながります。
シェーヴルはそのままを食べることはもちろん、季節のジャムやはちみつ、オリーブオイル、ハーブなどを添えると香りと味わいがより深まります。
熟成したものやシェーヴルの強い香りに苦手な意識がある場合は、意外な組み合わせですが、焼いたベーコンやゆず胡椒など、シェーヴルの香りに負けない素材を合わせると特有の香りが緩和されますよ。
シンプルなバゲットももちろんですが、ナッツやドライフルーツの入ったパンと合わせると、爽やかなシェーヴルの酸味とパンの香ばしさや甘みでバランスが良くなります。クルミパンにシェーヴルを載せて頂くと、ワインが止まりません。
パンにチーズを載せてこんがり焼くだけでも、朝食からおやつ、おつまみにピッタリ。クロタン・ド・シャヴィニョルをバゲットに載せてトーストし、グリーンサラダに添えて、ドレッシングをかけた料理も人気です。

まとめ

清らかな自然の美しい風景が広がるロワール地方。美味しいワインがあるところには美味しいチーズがあると言われるように、様々なワインが造られるロワール地方には、歴史的背景のあるシェーヴルがあります。
山羊乳特有の香りに、ロワール地方のワインを合わせれば、美しい風景のロワール地方が目に浮かぶように素敵なペアリングになります。
ぜひワインとチーズを組み合わせて食べてみてくださいね。
ロワールワインの一覧はこちら
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