徹底解剖!シャトーヌフ・デュ・パプ

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公開日 : 2021.1.5
更新日 : 2022.5.28
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南ローヌの最重要産地、シャトーヌフ・デュ・パプ。“南仏のピノ・ノワール”とも称されるグルナッシュを主体に、魅力あふれるワインが生み出されています。


今回は、シャトーヌフ・デュ・パプにはどんな産地なのか、そしてこの地でワインを造る生産者についてご紹介します。

知ってる?ヌフパプ!

シャトーヌフ・デュ・パプを語る上で欠かせないのが、多彩なブドウ品種です。


シャトーヌフ・デュ・パプに使用できるブドウ品種は、グルナッシュ、シラー、ムールヴェードル、サンソー、クレレット、ヴァカレーズ、ブールブーラン、ルーサンヌ、クノワーズ、ミュスカルダン、ピクプール、ピカルダン、テレ・ノワールの13種で、フランスのAOCでの使用ブドウ品種数の中では最多を誇ります。


その中でも、特に重要な品種はグルナッシュ。このアペラシオンで80%もの栽培を占めており、100%グルナッシュで仕立てる生産者もいます。


また、ブドウ品種だけでなく土壌も多彩。


シャトーヌフ・デュ・パプといえば、赤い粘土の上に丸い石がゴロゴロと転がる圧挺の小石が有名。この土壌をガル・ガーレ土壌と言います。この丸石は一見して乾燥した荒れた土地のように見えますが、ブドウにとっては通気性に富み水はけの良い素晴らしい条件が揃っているのです。


シャトーヌフ・デュ・パプには他にも、砂地、粘土の上にゴツゴツした石灰岩、赤い砂岩という特徴的な土壌が見られ、これらの土壌の組み合わせこそがシャトーヌフ・デュ・パプのユニークなテロワールの要素のひとつとなっているのです。

生産者を紹介

シャトーヌフ・デュ・パプを造る4つの名生産者を紹介します。


今回は下記のような質問にも答えて頂きました。


Q1)  シャトーヌフ・デュ・パプの魅力とは?

Q2)シャトーヌフ・デュ・パプを造る上でのこだわりは?

Q3)あなたが造るシャトーヌフ・デュ・パプの特長は?

Q4)どのように楽しむのがオススメ?


シャトーヌフ・デュ・パプをより美味しく、楽しむコツが詰まっていますよ。

ヴュー・テレグラフ

現当主 ダニエル(左)&フレデリック・ブルニエ兄弟

自然に忠実に、そして複雑味や深みを生む“古樹”を大切に育てることが信条。オーガニックな栽培をはじめ、醸造面では人工酵母を使用せず、ピジャージュもなし。


人的な仲介を可能な限り減らした“クラシック”と称される彼らのワイン造りからは、美しくエレガントなシャトーヌフ・デュ・パプが生み出されます。

ーシャトーヌフ・デュ・パプの魅力とは?


このアペラシオンからは、リッチで濃厚かつバランスがよく、一定の熟成ポテンシャルがある赤ワインが生み出されています。これらの特徴はすべて、古樹のグルナッシュからくるものです。

ーシャトーヌフ・デュ・パプを造る上でのこだわりは?


私たちは「ラ・クロー」「テレグラム」「ピエロン」を造っていて、「シャトーヌフ・デュ・パプ」というワインを造っているわけではありません。


もちろん、どのキュヴェもシャトーヌフ・デュ・パプA.O.C.なんですけどね(シャトーヌフ・デュ・パプと一言でまとめられてなくないということ)。

ーどのように楽しむのがオススメ?


「ラ・クロー」は一定期間熟成してほしい。最高の状態になるのはおおよそ10年後ですが、若いうちからも楽しめます。料理と合わせるなら、ローストかグリルしたラムや牛肉、チーズなどとぜひ。

ヴュー・テレグラフの商品一覧

ロテム・ムニール・サウマ(ルシアン・ル・モワンヌ)

当主 ムニール・サウマ氏とロテム夫人

ブルゴーニュの鬼才、ルシアン・ル・モワンヌの当主、ムニール・サウマ氏が妻のロテム女史と立ち上げたワイナリー。


名門シャトー・ラヤスに隣接する素晴らしい立地の畑を所有。ブルゴーニュのピノ・ノワール同様、グルナッシュにも圧倒的な情熱を注いでいます。

ーシャトーヌフ・デュ・パプの魅力とは?


よくヌフ・デュ・パプとブルゴーニュを比べるんだけれど、ピノ・ノワールとグルナッシュ・ノワールは、本質的に似ているブドウだと感じているよ。

ーシャトーヌフ・デュ・パプを造る上でのこだわりは?


自然と畑に敬意を払い、畑ではすべて手作業で必要最低限しか手を加えないようにしています。手摘み、全房発酵を行い、ポンピングオーバーや、パンチングダウンは行いません。澱抜き、清澄を行わず、無濾過で極少量のSO2と一緒にボトリングしています。

ーどのように楽しむのがオススメ?


「イノピア」は気軽に楽しめるワイン、「オムニア」はブルゴーニュで考えると、ポマールかジュヴレ・シャンベルタンのようなイメージで、脂肪分のある肉やチーズとの組み合わせがオススメ。どちらのワインも必ずデキャンタして空気に触れさせてからお楽しみあれ!

ロテム・ムニール・サウマの商品

クロ・デ・パプ

当主 ポール・ヴァンサン・アヴリル氏

シャトーヌフ・デュ・パプの中でも最良の畑とされる“クロ・デ・パプ”(教皇の区画)で、17世紀からワインを造り続けている名門。当主のアヴリル氏はブルゴーニュで学んだワイン造りをもとにエレガントなスタイルのワイン造りを実践しています。

ーシャトーヌフ・デュ・パプの魅力とは?


シャトーヌフ・デュ・パプは、「vins de garde」。すなわちキープするべきワイン、熟成するべきワインです。

ーシャトーヌフ・デュ・パプを造る上でのこだわりは?


自分にとっての一番のこだわりは、テロワールを理解し、リスペクトすること。ブルゴーニュワインとの関係が長く強くあり、ブルゴーニュでの経験が軸になっています。だから、今もブルゴーニュでのワイン造りのアプローチを使い、エレガントで繊細でシルキーなタンニンがあるワインを造っています。

ーあなたが造るシャトーヌフ・デュ・パプの特長は?


クロ・デ・パプでは複数の区画(35ha、24区画)がひとつのワインになります。その中には3つの異なる土壌(砂質、粘土質、丸い小石)が存在します。異なるブドウ品種やテロワールをブレンドすることによりワインの複雑味が増すのです。

クロ・デ・パプの商品一覧

タルデュー・ローラン

当主 ミッシェル・タルデュー氏と息子のバスチャンさん

ローヌ全域にまたがるアペラシオンからオーガニックの古樹(樹齢50~100年)の果汁やワインを買い付け、多くのキュヴェを少量生産するマイクロ・ネゴシアンの先駆け的存在。

素晴らしいシャトーヌフ・デュ・パプとは、凝縮感やパワーではなく、タンニンの質やその繊細さが鍵なんだ。ちょうどいい完全な成熟度のブドウがシャトーヌフ・デュ・パプの複雑なテロワールを最もよく表しているよ。

ーシャトーヌフ・デュ・パプを造る上でのこだわりは?


3つの異なるシャトーヌフ・デュ・パプのキュヴェを造ったのは、それぞれ異なるスタイルを表現したかったから。グルナッシュ100%、除梗しないで造る「シャトーヌフ・デュ・パプ・キュヴェ・スペシャル」は3つの中でも最もブルゴーニュに近いスタイルだね。

ーどのように楽しむのがオススメ?


シャトーヌフ・デュ・パプを飲むのに特別なイベントなんて必要ないよ。飲みたいと思ったときに飲めばいいんだ! 今を楽しむのが一番!

タルデュー・ローランの商品一覧

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