12月はイベントが目白押しで、1年で最もきらびやかなシーズン。中でも一大イベントであるクリスマスには、乾杯にシャンパンを飲むことが多いですよね。
クリスマスだけでなくお祝いの席ではシャンパンで乾杯することが多いですが、それってどうしてでしょうか?考えたことはありますか?
今回は、その謎について解き明かしていきたいと思います!
シャンパンの歴史
この謎は、シャンパンの誕生の歴史を振り返ることで真相が見えてきます!
シャンパンの生産地であるフランス・シャンパーニュ地方では、少なくとも紀元前4世紀頃にはワインが飲まれていたことが分かっていますが、当時は現在のシャンパンのような発泡性のワイン(スパークリングワイン)が好まれていたわけではありませんでした。
その頃のシャンパーニュ地方の代表的なワインは非発泡性の赤ワインで、発泡性のものは長い間、失敗作で不吉だとされていました。
しかし、修道士のドン・ペリニヨンが複数のワインを調合する技術を開発し、発泡性ワインをコルク栓のガラス瓶に閉じ込めるというアイデアを採用したことで、味わいが飛躍的に向上。
パリの社交界でシャンパーニュ産の発泡性のワイン──すなわち、現在の状態に近いシャンパンが大流行しました。これが17世紀後半のことです。
シャンパンが流行し出した頃から、シャンパーニュの都市・ランスのノートルダム大聖堂で行われているフランス国王の戴冠式後の祝宴で、シャンパンが振る舞われるようになりました。
この慣習が世界的に広まってゆき、「お祝い=シャンパン」という認識が定着したのです。
シャンパンがお祝いにピッタリな理由
シャンパンがお祝いの席で飲まれるのは、このような歴史だけでなく、シャンパンの味わいや特徴も理由として挙げられます。
スパークリングワインは世界中で造られていますが、その中でもシャンパンは味わい、品質、風味など、どれをとってもトップクラス。
シャンパーニュ地方で栽培、収穫されたブドウを原料とし、厳格な基準を満たして造られたもののみに「シャンパン」と名乗ることができます。
例えば、瓶内二次発酵。いわゆる“シャンパーニュ製法”により、芳醇な香りときめ細かな泡立ちとなります。さらには、瓶詰めから出荷までは最低15ヶ月の熟成が必要とされ、うち12ヶ月の澱熟成という長い熟成期間が義務付けられています。
このような厳しい基準をクリアし、最高峰のスパークリングワインが生まれるのです。
シャンパンは、豪華でラグジュアリーなイメージがあり高価格ですが、それに見合った細かくクリーミーな泡立ち、開栓後の素晴らしい風味の広がり、味わいのバランスの良さや長く続く余韻などが特徴的です。それゆえに特別感を味わうことができ、お祝いなどの大切なシーンに最適だとされています。
また、日本人はビールで乾杯する文化が定着していることもあり、泡立ちのあるシャンパンでの乾杯は比較的違和感なく受け入れられたこと、スッキリとした飲み心地や味わいから和食に限らず幅広いジャンルの料理にも合わせやすいこと、フルーティーで舌触りも良く飲みやすいことから、日常的にワインを飲む人だけでなく、普段ワインを飲まない人々にも愛されることなども理由に挙げられます。
このような様々な特徴からシャンパンはお祝いにピッタリなお酒とされ、親しまれているのです。
まとめ
お祝いにどうしてシャンパンが選ばれるのか、そして華やかな場にシャンパンがふさわしい理由、お分かりいただけたでしょうか?
これからのクリスマスや年末年始のイベントに向けてお好みの1本を選んでみてくださいね。
参考:山本博『シャンパンのすべて』河出書房新社
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