夏こそ飲みたい!リースリングの魅力

白ワイン

近年、世界中で人気を集めるリースリング。ニューヨークなど海外のレストランシーンでは夏の風物詩となりつつあります。

2000年代初頭の「リースリング・ルネッサンス」と呼ばれるリースリング人気から始まって、リースリングワインの市場はここ数年で大きく変化を遂げました。

今回は、暑い夏にこそ飲みたいリースリングのワインについて解説します。

どうして夏にピッタリなの?

白ワイン

暑い夏は冷たい白ワインがおいしいですよね。中でもキリッとした酸味と柔らかな果実味、そして豊かなミネラル感を特徴とするリースリングは、夏のワインの代表格です。

特に辛口のリースリングワインは、各国の料理と合わせやすいこともあり、世界中で親しまれています。しかし、一昔前まで「リースリングと言えば甘口」というイメージが強かったのも事実です。

というのも、リースリングの最大の産地であるドイツは、長らくワインの残糖度による格付けが主流だったため、リースリングは甘口ワインに仕立てられていました。

しかし、世界的な辛口嗜好を受け、1990年代後半から高品質な辛口のリースリングワインが増産されるようになったのです。それ以降、リースリングワインが世界中で再認識されるようになりました。

リースリングはドイツのラインガウ地方を原産とする白ブドウ品種で、房は小さく、実は小粒で淡い緑色から黄金色をしており、完熟すると赤茶色の斑点が見られます。冷涼な気候を好み、寒さに強く、水捌けの良い痩せた土壌でよく育ちます。

シャルドネと並んで偉大な白ワインを生む高貴なブドウとして知られていますが、リースリングは極甘口から辛口、発泡性まで多様なスタイルのワインを生みます。

リースリングのワインの特徴は甘口でも辛口でも、そして若いワインであっても熟成させたものでも、凛とした酸があること。果実味やミネラル感のバランスが良く、華やかな香りや味わいのエレガントさは、他の白ワインの追随を許しません。

なお、リースリングのワインでよく聞く「ペトロール」という石油のようなニュアンスは、熟成させたワインに見られることが多いようです。

多様なスタイルのワインが存在するリースリングワインですが、夏に選んでいただきたいのはなんと言っても辛口リースリング!しっかり冷やして飲む辛口リースリングは、和洋問わず夏の食卓で大活躍すること間違いありません。

サマー・オブ・リースリング!

リースリングが夏に飲みたい白ワインとして人気が高まったのは、2008年の夏、ニューヨークで行われたプロモーション『サマー・オブ・リースリング』がきっかけでした。

ニューヨークで大人気のレストラン『Hearth』とワインバー『Terroir』のオーナーであるポール・グレコ氏が、店内のグラスワインのサービスをリースリング種のワインのみにしたプロモーションは、ニューヨーカーたちの「リースリングは甘口」という固定概念を覆し、リースリングワインの魅力を広めました。

以降、このプロモーションに賛同する人やレストラン、ワイナリーが増え続け、毎年ニューヨークはもちろんオーストラリアやニュージーランドなど世界各国で『サマー・オブ・リースリング』が開催されるようになったのです。

リースリングと合う料理

白ワイン

リースリングのワインは極甘口から辛口までありますが、ここでは夏におすすめの辛口リースリングと相性の良い料理を紹介します。

特に、素材の味を生かしたシンプルな調理法の料理と相性抜群なリースリング。暑い夏には助かりますね。

付け合わせやソース、ドレッシングに酸味があればより素晴らしいペアリングになるでしょう。

ポークソテーやカツレツ

レモンを絞ったり、酸味のあるトマトソースを添えると良いでしょう。ソースの酸味と肉汁、ワインの酸味の三つが合わさり絶妙です。同じ料理法で鶏肉もおすすめ!

シャルキュトリー

ハムやパテ、キャベツやじゃがいもと一緒に煮込むベーコンやソーセージなど。加工肉はリースリングの産地であるドイツやフランスのアルザス地方で昔からよく食されています。

ザワークラウト(発酵キャベツの塩漬け)とマスタードがあればなお良いでしょう。

白身魚の塩焼きやムニエル、貝類

カルパッチョや刺身のような生の料理ももちろん合います。また、シーフードサラダやホタテ、生牡蠣も。

和食ならエビや穴子の天ぷらがおすすめです。

夏野菜

夏野菜は生のサラダでも良いですが、火を通した料理の方がよく合うと思います。

バーベキューで定番のナスやトマトのグリル、パプリカなど焼き野菜のマリネなど。マヨネーズで味付けしたポテトサラダも案外合います。

リースリングの主な産地

リースリングの産地は主に寒冷な地域です。栽培される土地や気候の個性、つまりテロワールをワインに表現することに長けたリースリングは、産地によって異なるスタイルのワインを生みます。

ドイツ

ドイツ ブドウ畑

リースリングの最大の産地は原産地であるドイツです。ドイツにある13の生産地域の内、ラインガウ地方はブドウ畑のおよそ8割を、モーゼル地方はブドウ畑の6割をリースリングが占めています。

ラインガウ地方は南から北に向かって流れるライン川がルートを変更し東から西へと流れる地域に沿って広がる産地で、ブドウ畑は南向きに開墾されています。

ライン川の豊富な水量によって年間を通じて温暖な気候で、南斜面に植えられたブドウ樹は十分な日照量が得られるため、果実味豊かで力強く、しっかりとした酸味を持ち合わせたワインが生み出されています。ラインガウ地方で造られるリースリングワインの大半は辛口ですが、高級な極甘口ワインも造られています。

また、ドイツの西端に位置し、モーゼル川とその支流のザール川、ルーヴァー川流域に広がるモーゼル地域はドイツで最も古いワイン産地であり、リースリングの銘醸地として高い知名度を誇ります。

モーゼル川沿いの谷の急斜面に広がるブドウ畑が有名で、リースリングは主に石灰質の混在しないスレート(粘板岩)土壌が多いモーゼル川の中流域で栽培されています。多くの銘醸畑も中流域に集中しています。

モーゼルのリースリングは標高が高く冷涼な気候のもとに生まれるキレのある酸味、土壌に由来するミネラル感、エレガントな余韻の長さが特徴です。

フランス

アルザス ブドウ畑

フランス北東部のライン川を挟んでドイツと国境を接するアルザス地方もまた、リースリングの有名な産地です。

ブドウ畑はヴォージュ山脈の丘陵にあり、土壌は花崗岩質から火山性堆積岩、泥灰岩質と複雑に織り成しています。そのテロワールの多様性が複数のブドウ品種の栽培を可能にしていますが、中でもリースリングはアルザス地方最大の栽培面積を誇り、スパークリングワインをはじめ辛口から極甘口のワインまで様々なスタイルのワインが造られています。

寒暖差の大きい大陸性気候で年間の降水量が少なく日照量も十分にあるため、概ねドイツのリースリングに比べてブドウは完熟します。そのため、力強い果実味と酸味のバランスがとれた甘美なリースリングワインが造られています。

アメリカ

ニューヨーク ブドウ畑

ニューヨーク州のオンタリオ湖に近いフィンガーレイクスや、ワシントン州のコロンビアヴァレーなど、アメリカの冷涼なワイン産地でリースリングが栽培されています。

ニューヨーク州では1950年代からリースリングが栽培されていましたが、2000年を過ぎたころから注目されるようになりました。

とりわけフィンガーレイクスの夏の涼しい気候や石灰質やミネラルを多く含む土壌がリースリングの栽培に適しており、瑞々しい味わいのリースリングワインが生産されています。辛口はもちろんオフドライ(半辛口)のリースリングワインも人気です。

まとめ

華やかな香りやエレガントな味わいが特徴のリースリング。高貴なブドウ品種ではありますが、その最大の魅力はどんな料理にも合わせられる懐の深さではないでしょうか?

リースリング=甘口ワインという概念はもう過去のもの。今や世界中で辛口のリースリングワインが愛飲されているのです。

さぁ、日本もいよいよ夏本番!冷蔵庫にリースリングワインをストックして、真夏のワインライフをおおいに楽しみましょう!