ペトラ PETRA
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イタリア トスカーナ
イタリア最高峰のボルドースタイルの追求
スーパータスカンを生み出す偉大なワイン産地ボルゲリから約15kmの距離に位置するスヴェレートの地で、最高峰のボルドースタイルのワイン造りを志し設立されたペトラ。20年以上の時を経て、ゼロから造り上げられた畑が成長し、近年目覚ましい品質向上を遂げています。
目次
「全てをゼロから造り出す」という哲学のもと誕生したペトラ
フランチャコルタの名門、ベラヴィスタのオーナー・ファミリーであるヴィットリオ・モレッティ氏と、愛娘フランチェスカ氏が、1997年に新たにトスカーナに建てたワイナリーがペトラです。フランチェスカ氏が、父親とのボルドー出張でボルドーワインに一目惚れし「イタリアで最高のボルドースタイルのワインを造りたい」という志のもと、ワイナリーを設立。フランチェスカ氏は、ボルドーの醸造学校を卒業した後ペトラに参画しています。
ワイナリーのスタートは買収から始まる生産者が多い中、「すべてをゼロから造り出して自分が表現したいワインを造りたい」といったヴィットリオ氏の哲学から、ペトラは畑も醸造施設も全てゼロから造り上げられました。
ペトラを設立するにあたり、一番重視していたのは土壌。ヴィットリオ氏はまず土壌に着目し、専門家による調査の結果、素晴らしいポテンシャルを持つ土地を購入。土壌を研究し、どのブドウをどこに植えるかを吟味、選択することができたのは、ゼロからのスタートだからこそできたことです。醸造設備に関しても、可能な限りブドウに負荷をかけず、収穫されたブドウが醸造されるまで一連の流れで移動できるよう設計にこだわっています。
近年目覚ましい品質向上を遂げ、よりエレガントなスタイルへ
ペトラの設立から20年以上の時を経て畑は成長し、よりありのままのテロワールの表現ができるようになりました。同時にワインの品質が近年目覚ましく向上し、これまでのパワフルなスタイルから、よりエレガントで複雑味の増したクラシカルなスタイルにシフト。味わい全体のバランス感にも優れ、長期熟成のポテンシャルも高いワインを生み出しています。
スヴェレートという比較的新しいD.O.C.Gかつ、ゼロから造った畑にも関わらず、彼らが手掛けるワインは、トップキュヴェから手頃なキュヴェまで既にワイン評価誌で90点以上の高評価を連発。今やトスカーナを代表する造り手のひとつとして挙げられるペトラですが、その裏には並々ならぬ努力が行われています。
スペシャリストを迎え、ワイナリーの大規模改革を実施
2013年には醸造チームを一新。醸造コンサルタントに、2002年ガンベロ・ロッソ最優秀醸造家を受賞したジュゼッペ・カヴィオーラ氏、栽培コンサルタントに農学者ルッジェーロ・マッツィッリ氏を迎え入れます。2016年には、「ゼロからの再スタート」という意味を込めて、土壌、畑の管理、醸造などのスペシャリストを迎え入れ、ワイナリーの大規模改革を実施します。
土壌の研究と栽培プロセスの改善
2016年の大規模改革に合わせ、最新技術を用いて、特に土壌に注目した新しい特性評価を実施。このプロジェクトにより、栽培のプロセスを改善することができ、また熟成に耐えうるブドウ樹を選定することができました。加えてペトラが所有する畑の可能性、そして各区画ごとの個性を改めて確認でき、テロワールをよりよく表現することができるようになったのです。
細心の注意を払ったブドウ畑の管理
ペトラのゼネラルマネージャーを務めるヴィタリアーノ・ティリート氏曰く「ブドウ畑の管理に細心の注意を払うことによって品質が非常に向上した。」とのこと。手作業にこだわった手間をかけた畑作業によって、ブドウの生育がコントロールしやすくなり、よりバランスのとれたブドウが収穫されるようになりました。
醸造プロセスの改善
土壌に関する知識を深めることで、収穫時の熟成プロセスや選果方法を改善するための知見を習得。抽出を抑えた醸造や熟成のプロセスを改善したことで、よりエレガントで長期熟成が可能なワインが造られるようになりました。
ラベルも一新
"ナチュラル""ピュア""エレガンス"を表すシンプルな配色をベースに、「土地で収穫されたブドウの力を最大限生かす」という想いから、畑が描かれたクラシックなデザインになっています。
ボルドー右岸に類似する恵まれた土地、スヴェレート
ワイナリーが位置するのはスーパータスカンを生み出す偉大なワイン産地ボルゲリから僅か15kmほどの距離にある、トスカーナ沿岸コルニア渓谷のスヴェレート。古代ローマの文化が色濃く残り、美しい自然が溢れるこの地で、ブドウ畑、コルク樫の森、オリーブの木を含む約400haにもおよぶ土地を所有しており、そのうちブドウ畑は約100haを有します。
スヴェレートのテロワールの最大の特徴は、トスカーナの他の地域に比べて平均気温が高く降水量が少ないこと、そして土壌がユニークであること。石灰岩や鉄、マグネシウム、マンガンなどのミネラルを豊富に含んだ石と、夏季の保水力を維持する深い粘土層、金属質の丘陵地となっています。
ヴィタリアーノ氏は「ボルドーの中でペトラのスタイルと似ているのがポムロル。土壌も似た性質が見受けられ、エレガントで骨格がしっかりしていて香り高いスタイルが生み出される。」と語っています。
また、ヴィタリアーノ氏曰く「今日においては気候、土壌の研究が進んでおり、その意味でスヴェレートがボルゲリに劣らない素晴らしい土地であるということが分かってきている。」とのこと。実際にスヴェレートは、イタリアの権威あるワイン評価誌ガンベロ・ロッソにて最高評価を受賞するワインが産出されるなど近年評価を上げており、今後の更なる発展に注目が集まっています。
手作業にこだわったオーガニック栽培
ペトラが使用するのは、ベラヴィスタ同様完全自社畑で栽培されたブドウ。高いポテンシャルを持ったワインを造るため、土壌の構成要素まで細かく分析を行い入念に区分けを実施しています。5つの区画に分けられたエリアを、さらに11の細かいエリアに分け分析。その起源や土地の構成要素、ワイン造りへの本質的な適正を見極めた上で、最も適しているブドウが植樹されています。
ブドウは土地の力を最大限に引き出すためオーガニック栽培を採用。そして畑作業はバランスの取れたブドウの成長を調整するために手作業にこだわっています。同時に、均質で健康、そして樹齢の高い木を植えたブドウ畑を造ることを目的として、主な植物の病気は手作業で治療。収穫についても区画ごとに最適なタイミングを図って、すべて手作業で行われています。
ワイン醸造と自然、そして芸術が一体となった醸造設備
「ペトラ」とは ラテン語で「ピエトラ=石」の意味。その名の通り、ワイナリーは神聖なこの土地の石を多用し「よいワインを造る」というたった一つの目的のためにミリ単位で計画的に骨組みされています。
建設の際に重要視されたのは外観はもちろんのこと、自然の力を最大限に活かすこと。そのために、ワインが完成するまでの工程をブドウに負担をかけないよう、重力を利用して行うことができるシステムを採用。丘の中心からトンネルのように穴を掘り、極力負荷を与えずにブドウを運ぶことが可能になっています。
収穫したブドウは、この重力システムにより地下室へ移動。発酵槽もブドウの種類や状態に合わせて数種類用意し、クリーンな醸造設備と手法により、ピュアなブドウ本来の果実味が保たれます。そうした完璧なまでの品質主義により、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、カベルネ・フラン、サンジョヴェーゼなどを使い、美しく調和の取れた見事なトップキュヴェ「ペトラ」を始めとする、芯が強くフィネスを備えたワインを生み出しています。
熟成に関しては、温度や湿度を最高のバランスに保つため、丘陵の内部に直接堀り抜いた地下室で行えるよう建設。まさに、ワイン醸造と自然の摂理、そして芸術が一体となった醸造施設です。
ペトラを象徴する美しく近代的なワイナリーを設計したのは、スイスの著名な建築家マリオ・ボッタ氏。代表的な作品はサンフランシスコ近代美術館(通称SF MoMA)、スカラ座の改修工事などが挙げられます。ペトラは著名な建築家が携わったワイナリーとして、その芸術的でスタイリッシュな外観が多くの人を惹きつけています。
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