チーズ好きを魅了する!ウォッシュチーズの香りと味わい

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ワインペアリング
公開日 : 2019.6.21
更新日 : 2022.5.23
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ウォッシュチーズ

ナチュラルチーズの中でも一際個性を発揮する、ウォッシュチーズ。芳しい香りと味わいは、一度食べたら病み付きになるチーズです。

香りや味わいが強くクセのあるチーズですが、種類によって様々な違いがあります。

今回は、チーズ好きを魅了するウォッシュチーズについてご紹介します。

目次

ウォッシュチーズの造り方

ウォッシュチーズとは、その名の通りチーズの表面を洗って造られたチーズです。実際の製造工程では、洗うというよりも布やブラシなどで表面を拭うというイメージ。

このようにウォッシュしながら造られることで「リネンス菌」と呼ばれる菌がチーズを分解し始めます。この菌は、たんぱく質を分解しながらオレンジ色の色素を出し、粘りのある表皮を造り上げます。

リネンス菌の香りは、発酵食品である納豆によく似た香りをしています。それもそのはず、納豆菌もリネンス菌も同じ枯草菌の一種なのです。

チーズの表面を拭う際、塩水や地酒のワインやブランデーを含ませて製造します。地酒を使用する場合、塩水よりも香りが強くなることが多く、その土地・造り手ならではの個性的なチーズが造られます。

代表的なウォッシュチーズ

ここでは代表的な三つのウォッシュチーズについてご紹介します。

マンステール/Munster

ウォッシュチーズ

フランス北東部・アルザス地方を代表するウォッシュチーズが、マンステールです。マンステールは修道院の意味を持つモナステールが語源とされ、修道士によって造り出されました。

生乳を使用し塩水でウォッシュされた、比較的食べやすいウォッシュチーズです。

表皮はオレンジの色合いで粘性があり、中身はむっちりとしています。表皮の部分にはリネンス菌による特有の香りがありますが、中身は蒸し大豆のように優しい香りと品の良いミルクの味わいです。

エポワス/Epoisses

ウォッシュチーズ

ウォッシュチーズの中でもチーズ好きを魅了して止まないチーズが、エポワスです。

フランス・ブルゴーニュ地方で造られます。美食家であったブリア・サヴァランが「チーズの王様」と賞賛したことでも知られ、歴史的にも人気を博しています。

エポワスの表皮はシワが寄り、艶やかで、濃いオレンジ色をしています。

熟成には、ワインの搾りカスから造られる地酒のマール・ド・ブルゴーニュが使用され、香りも強く感じます。中身はとろりとしたクリーミーな味わいで、スプーンですくって盛り付けるほど、柔らかな組織が特徴的です。

タレッジョ/Taleggio

ウォッシュチーズ

イタリア北部を代表するウォッシュチーズが、タレッジョです。タレッジョ渓谷で生まれた、古い歴史を持つチーズです。生乳を使用し、塩水でウォッシュしながら熟成します。

表面は粘性があるオレンジ色から赤茶色で、熟成するほどに旨味が強くなり、味わい深くなります。

ウォッシュチーズ特有の香りがありますが、中身は弾力のあるねっとりとしたミルクのマイルドな味わいなので、初心者の方にも食べやすいチーズです。パスタやピザなど料理にも使用しやすいチーズの一つです。

その他

ウォッシュチーズ

その他には、白カビチーズのようで食べやすいポン・レヴェックや、日本で人気のある季節限定製造のモン・ドールなどがあります。

ウォッシュチーズは個性的な香りを持ちますが、中身は比較的食べやすいため、香りが苦手な方は表皮を取り除くことで楽しむことができますよ。

詳しくはこちら

ウォッシュチーズの食べ方と合わせて美味しいワイン

ウォッシュチーズ

ウォッシュチーズを食べる際は、30分ほど前に冷蔵庫から出し室温に戻します。室温に戻すことで香りが豊かに感じられ、クリーミーな食感を味わえます。組織が柔らかい場合は、スプーンですくって、お皿に盛りましょう。

そのままでも香りと塩味・旨味を楽しめるウォッシュチーズですが、スパイスやパンを添えるとさらに美味しさが広がります。

例えば、マンステールには製菓にも使用されるキャラウェイシードを添えることでアクセントが加わり、すっきりとした味わいになります。パンをチーズに添える際には、香ばしいライ麦やナッツ入りのものを用意すると、味わい深いウォッシュチーズにとても合います。塩味が強いと感じる場合は、甘味となるジャムやはちみつを添えても良いですね。

また、フルーティーでコクのあるワインが、クセのあるウォッシュチーズに負けずに寄り添います。塩味が強いタイプには、甘口ワインも相性が良い組み合わせです。

ワインとチーズの組み合わせは難しいと感じてしまいがちですが、選び方の基本はチーズとワインの郷土を合わせる方法です。

アルザス地方のマンステールには、アルザスのアロマティックなゲヴェルツトラミネール、エポワスにはブルゴーニュのピノ・ノワールなど。同郷の組み合わせは驚くほど双方の香りが広がるので、一度は試す価値のあるペアリングです。

まとめ

チーズラヴァーを虜にするウォッシュチーズ。

第一印象ではその香りの強さに驚いてしまいますが、口にすると広がる香りとクリーミーな味わいのギャップ、そして余韻に長く残る芳しい香りに魅了されます。

様々な種類を並べて比較してみると、ウォッシュチーズの楽しさが広がりますよ。ぜひお好みの味わいを探してみてください。

フェルミエ

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