創業80年を超える老舗洋食店「つばめグリル」と、ちょうど今年創業30年を迎えたチリのプレミアムワイナリー「モンテス」。

長年にわたってファンに愛され続ける両者のコラボレーションディナーが、先月つばめグリル品川駅前店で行われ、40名のゲストが参加しました。

モンテスは、チリに1988年に設立したワイナリー。当時は廉価なワインばかりだったチリにおいて、醸造家のアウレリオ･モンテス氏を中心に、スペシャリストたちが各人の持つ技術と経験を結集して「世界最高峰のチリワインを造る」という信念のもとスタートしました。数々の名ワインを生み出し、そのワインは大統領主催の晩さん会で使用されるなど、チリが誇るプレミアムワインの代名詞として高い人気を誇っています。

実はつばめグリルでは、10年以上前からモンテスのワインをハウスワインとして扱っていただいており、その縁もあって、今回のスペシャルディナーイベントが実現しました。

今回はワイン6種と料理とのペアリングを楽しむディナーでしたが、最初にサプライズで供されたのが、モンテスのワインを使ったカクテルです。

メロンリキュールとライム果汁に、モンテス・クラシックシリーズ・ソーヴィニヨン・ブラン、トニックウォーターをブレンド。エノテカのスタッフが考案したオリジナルカクテルです。

ちょうど蒸し暑い日だったこともあり、ディナーが始まる前の爽やかなアペリティフはとても心地よい1杯でした。

アスパラガスと自家製ハムのミモザサラダ

つばめグリルで人気の自家製ハムと、旬のアスパラガスを使った前菜に合わせたのは、モンテス・アルファ・スペシャル・キュヴェ・ソーヴィニヨン・ブラン。

海岸からわずか7㎞というチリ沿岸部の冷涼な産地、レイダ・ヴァレーで育てられたソーヴィニヨン・ブランを使ったこちらのワインは、年間生産量わずか5,000本という稀少キュヴェ。

チリのソーヴィニヨン・ブランによくある果実味が全面に出たスタイルではなく、華やかなトロピカルフルーツやハーブのアロマに、ミネラル、アスパラガスやアーティチョークといったヴェジタルな風味も加わり、複雑な味わいです。

しっとりとやわらかいハムとみずみずしいアスパラガスが絶妙の組み合わせのサラダに、清々しいアロマとほんのり苦みのある後味が心地よいソーヴィニヨン・ブランがとてもよく合います。

 

熊本あか牛サーロインのローストビーフ

メインに供されたのは、本日のために用意されたスペシャルメニュー、熊本あか牛サーロインのローストビーフ。

漆黒に輝くソースは、なんとモンテス・アルファ・カベルネ・ソーヴィニヨンとつばめグリル自慢のフォン・ド・ヴォーを1日かけて煮詰めたというワインソース。ゲスト約40名分に12本のワインを使った(！)という超贅沢なソースです。

こちらに合せたのは、モンテスを代表するトップ・キュヴェのひとつ、モンテス・アルファ・エム。チリ最高の畑と言われる単一畑「ラ・フィンカ・デ・アパルタ」のカベルネ・ソーヴィニヨンを中心に、フレンチオークの新樽で18ヶ月に渡って熟成させた渾身の1本です。

熟した黒系果実の香りに、リコリスやバニラの甘いスパイスのニュアンス。凝縮した力強い風味がありながらもタンニンはどこまでもシルキーで、きめの細かいサシが入ったあか牛のしっとりとした味わいと見事な相性をみせてくれます。モンテスのワインにモンテスのソースがかかったステーキ。こんなに完璧なマリアージュはそうそうありません。

 

イベントの途中では、モンテスでワイン造りの研修を受けたエノテカスタッフによるワインの説明やモンテスクイズ大会も行われ、訪れたゲストはモンテスの魅力にどっぷりと浸ることができたようです。

手作りの味と素材の鮮度にこだわるつばめグリルの素晴らしい料理と、ブドウの品質にこだわり進化し続けるモンテス社の、洗練されつつもしっかりとブドウの旨味の詰まったワイン。その相性の良さを堪能し、両者が何十年にもわたりファンに愛され続ける理由が垣間見えたディナーでした。