フランスで友人の家を訪ねたとき、「ハナコ、アペロしよう」と誘われたことがあります。
時刻は18時ごろ。夕食の前に軽くお酒を飲みながらゆっくり過ごす「アペリティフ(食前酒)」を略した「アペロ」は、彼らにとって大切な習慣なのだそう。
初めてのアペロだった私は、「バーみたいにおしゃれなカクテルとおつまみでも出るのかしら」と内心ドキドキ。ところが、家主がリビングへ運んできたのは、市販のポテトチップスとブリーチーズ、飲みかけの白ワイン、そしてパックのオレンジジュース。
グラスにたっぷり氷を入れ、白ワインを半分ほど注いだら、あとはオレンジジュースを加えるだけ。ポテトチップスを大皿に盛ってソファに腰掛け、乾杯してたわいないおしゃべりを楽しみます。拍子抜けするほど気軽でしたが、夕食前に軽く一杯飲むだけで、気持ちがふっとほぐれる心地よさを知りました。
そんな素敵な習慣を、ぜひ日本でも!休日の夕方、思い立ったら気軽に始められるのがアペロのいいところ。キッチンで料理をしながら、おつまみをひと口、ワインを少し飲むだけでも立派なアペロです。
特に夏は、まだ明るいうちから始めるのがおすすめ。ワインをそのまま味わうのもいいですが、ノンアルコールの炭酸水などで割ってライムをぎゅっと搾れば、アルコール度数もほどよく、暑い日にぴったりの爽やかな一杯になります。だんだんと窓の外が暗くなっていくのを眺めながら、のんびりキッチンで過ごしましょう。
おつまみは、手軽に作れるものを三品。うずらの卵ときゅうり、アンチョビを刺したピンチョス、フレッシュトマトをすりおろしてパンにのせたパン・コン・トマテ、そしてぜひ試していただきたいのがバナナのベーコン巻き。意外な組み合わせですが、ねっとりと甘いバナナとベーコンの塩気が驚くほどよく合います。カリッと焼き上げるのがおいしさのポイントですよ。
さて、さまざまなテーマを通してワインの楽しみ方をご紹介してきたこの連載も、今回で最終回となりました。私自身、ビギナーならではの視点で学びながら、多くの素敵なワインと出会い、「もっと知りたい」「もっと味わってみたい」という気持ちが回を重ねるごとに大きくなっていきました。
この連載はひとまず一区切りとなりますが、私のワインとのお付き合いは、これからも続いていきます。新しい一本との出会いを楽しみながら、そのおいしさや楽しさを、またどこかで皆さんと分かち合えたらうれしいです。
1年間お付き合いいただき、本当にありがとうございました。皆さまのワインライフが、これからも豊かで楽しい時間であふれますように!
レシピ:アペロおつまみ3種
●うずらときゅうりのピンチョス
【材料 2人分】
うずらの卵(水煮) 2個
きゅうり 2㎝
アンチョビフィレ 1切
【作り方】
1.きゅうりは1㎝幅に切る。アンチョビは半分に切る。
2.きゅうり、うずらの卵、アンチョビの順でピックに刺す。
●パン・コン・トマテ
【材料 2人分】
好みのパン 2切れ
トマトのすりおろし 大さじ2
塩 少々
にんにく 1かけ
バジルの葉 1/2枚
【作り方】
1.パンはトーストして、にんにくの切り口をこすりつけて香りをつける。
2.トマトに塩を加え、パンにのせてバジルを添える。
●バナナのベーコン巻き
【材料 2人分】
バナナ 1/4本
ベーコン 1枚
粗挽き黒胡椒 少々
【作り方】
1.バナナは縦半分に切り、半分に切ったベーコンで巻く。
2.フライパンにバナナのベーコン巻きを並べて焼き目がつくまで焼き、粗挽き黒胡椒を振る。
写真=福田喜一
コラム内で紹介したワインはこちら
ムートン・カデ・ソーヴィニヨン・ブラン・オーガニック・バイ・ナタン
白
アロマティック&ピュア
環境に配慮し生み出された、新世代のフレッシュなボルドーワイン。都会からの逃避を表現した、爽やかで上品、すっきりとした白ワイン。 詳細を見る
3.8
(8件)2024年
2,200 円
(税込)