未来への可能性を拓き、進化するボルドーワイン

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公開日 : 2024.1.10
更新日 : 2024.1.11
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ワインは数千年もの歴史を持つお酒です。ファッションや音楽に流行があるように、ワインも時代の流れとともに変化を続け、魅力はますます広がっています。


そんなワイン事情に敏感ないまどきスタッフが集まり、ベテランスタッフと語らいます。


第3回のテーマは、「ボルドーワイン」。世界中の愛好家を魅了し続ける世界最高峰のワイン銘醸地の一つですが、近年そんなボルドーでは、長い歴史で培われてきた伝統を守りながらも、これまでのイメージを覆すような、現代の環境や消費者の嗜好に合ったワイン造りを行う生産者が増えています。


今回はそんなボルドーワインの“いま”について、エノテカスタッフに訊きました。

スタッフプロフィール

スタッフプロフィール

左から

河獠

マーケティング部 企画販促課

ワイン好きの私にとってボルドーワインは憧れの存在です。そんなボルドーワインは「ワイン好きの共通言語」だと考えています。世界中のワイン好きに認められたボルドーワインを介せば、世代や国も越えて、同じワイン好きとして仲良くなれると思っているからです。


石樵友紀

表参道ヒルズ店  店長

私はボルドーは世界一のワイン産地だと思っていて、シンプルではないその奥深い味わいにじっくり向き合う時間が至福です。私がボルドー好きのため、勤務する表参道ヒルズ店のBarメニューにもよく美味しいボルドーワインをご用意しています!


森田倫加

商品部 ブランド課

ボルドー担当のサポートとして、買付・発注業務から来日アテンドまで幅広い業務に携わっています。ボルドーワインの豊かな味わいの裏には、緻密で丁寧な作業があること、またボルドーの人々の細やかな気遣いに日々魅了されています。

目次

変革を恐れないボルドー

―本日はボルドーワインを愛する皆さんにお集まりいただきました。いろいろなことを訊けたらと思うのですが、石樵さんは昨秋、研修でボルドーに行かれたそうですね!最新情報なども教えてくれたらうれしいです。

石樵友紀
石樵

石樵

はい、本当に素晴らしい経験でした!現地で畑や醸造施設を見学し、テイスティングしながら生産者の方々と交流でき、ボルドーの魅力を改めて再確認することができました。

河

ボルドーのシャトー訪問、羨ましいです…!

石樵

石樵

私はボルドーの中でもポイヤックのワインの荘厳で奥深いところが大好きなのですが、今回の研修でボルドーに対するイメージが良い意味で変わりました。 ボルドーワインに対して、同じようなお堅いとイメージを持たれている方も多いと思うのですが、そういった素晴らしい伝統がありながらも、そのイメージを一新する新しい取り組みが盛んに行われて日々進化していることを目の当たりにしました。

河

ボルドーって実はサスティナブルな取り組みにも先進的ですし、伝統的な産地でありながら、色々なことにチャレンジしている産地ですよね。

森田倫加
森田

森田

私はボルドーの生産者やネゴシアン(※1)と頻繁にコミュニケ―ションを取るのですが、「昔は何十年も熟成するのを待たないと美味しさが引き出せなかったけれど、今はリリース後、すぐに開けて楽しめるスタイルに変化している」という声をよく聞きます。

石樵

石樵

研修中に訪れたシャトーでも、ワインの「飲みやすさ」に注力しているという話を多く聞きました。 例えば、カロン・セギュールでは現在、メルロのブレンド比率を減らし、カベルネ・ソーヴィニヨンの比率を増やしているそうです。

河

カロン・セギュールが位置するサン・テステフは、メドックのアペラシオンの中でも「メルロのブレンド比率の高さによるボリューミーなスタイル」のワインが造られる産地として知られていますので、その変更は大きいニュースですね。

※1 フランス語で卸売業の意味。ワインの生産者との仲介業者。

河獠
石樵

石樵

多くの生産者は「もう濃くてアルコール度数が高いワインは求められていない」とおっしゃっていました。 メルロの比率を減らすことで、ワインの肉厚な味わいと高いアルコール度数を抑えているそうです。

森田

森田

醸造面でも変化がありますよね。

石樵

石樵

はい、果汁の抽出方法が変わっています。 例えばポンピングオーバー(※2)は多くのシャトーで行われなくなり、よりデリケートな抽出方法が増え、柔らかなタンニンやピュアな果実味を表現し、飲みやすさを追求するようになったそうです。 技術革新が進んでいると感じます。

※2 醗酵中、醗酵槽の下からポンプで液体を吸い上げて、上からかける事。 果帽と液体を混ぜ、醗酵を促し均一に行う事、果帽部分の温度調節、果帽からの成分抽などが目的。

ワイン談議
森田

森田

生産者の世代交代も進んでいて、造られるワインも、ロバート・パーカー氏が一時代を築いた重いスタイルが主流だった時から変わってきているそうです。 若い世代にもっとボルドーワインを楽しんでもらうために、どうしたら「飲みやすい」と感じるか、ということを常に考えているとシャトーの方々がおっしゃっていました。

―注目している生産者はいますか?

河

僕は、お手頃な価格ながらクオリティの高い味わいを楽しめるシャトー・テューレイに注目しています。 オーナーの娘さんである醸造家姉妹がメインでワイン造りを行っているのですが、ボルドーではあまり馴染みのないシラーやシャルドネを植えてワインを造ってるんですよね。 最初は周りの人たちからクレイジーだと言われたそうですが、このような次世代の自由な取り組みに感化されて、新たな品種を植え始める造り手も出てきたと聞きました。

森田

森田

面白いですよね。この地ではボルドー型のボトルを使用するのが一般的なところ、チャーミングな味わいのワインはブルゴーニュ型のボトルで販売していますよね。

ワイン談議
石樵

石樵

プティ・クルセルシリーズですよね。あの愛らしいラベルも、若い人に飲んでほしいという思いであの様なポップなデザインにしたと生産者の方がおっしゃっていました。 あえて有名な画家ではなくて、友人に描いてもらったラベルなんだそうです。

河

チャーミングな味わいが伝わる愛らしいデザインですよね。

ル・プティ・クルセル・レ・コパン
750ml

ル・プティ・クルセル・レ・コパン

  • チャーミング&パフュームド

  • 2021

    1,980

    (税込)

―ほかに気になる生産者はいますか?

森田

森田

シャトー・ラフィットでは、2018年にミレニアル世代のサスキア・ド・ロスチャイルドさんが当主になりました。 彼女はソーテルヌの貴腐ワインの需要が減少していることに対応して、より楽しく、若い世代も含めてより多くの場面で楽しんでほしいという思いから、傘下のシャトー・リューセックのボトルデザインを刷新したんですよね。

河

これまでのソーテルヌでは考えられない様なポップで可愛いらしいデザインですよね。

森田倫加
森田

森田

はい。ミレニアル世代のサスキアさんの感性が活かされていますよね。 私もそうでしたが、同世代の方々にも親しみやすい印象を持っていただけたんじゃないかと思います。 また「飲み残したら再び栓をして冷蔵庫に入れて」長く楽しめるように、ボトルネックに専属コルクが備え付けられたり、氷を入れて気軽に1杯飲むという楽しみ方を提案されたり。

石樵

石樵

気軽に楽しんでいいんだよ、というメッセージが伝わりますよね。

「ボルドー=赤ワイン」だけじゃない

―世界的にも白ワインはトレンドになってきていると思うんですけど、ボルドーでも白ワインの需要が伸びているようですね。

河

健康志向の高まりなどで世界的に食のヘルシー化が進んでいるかと思いますが、ボルドーも同じようにお肉よりも野菜や魚を好んで食べる人たちが増えているそうです。 そうするとワインも軽くなって白やロゼが伸びているというのは聞きますよね。

ワイン談議
森田

森田

確かにボルドーのネゴシアンからの情報でも、世界で白ワインの需要が高まっているとよく耳にします。

河

個人的にボルドーの白ワインは、大きく3つのタイプに分けられると思っています。 一つ目はソーヴィニヨン・ブラン主体の爽やかなタイプ、二つ目はセミヨン主体のジューシーなタイプ、三つ目は樽熟成させたタイプです。この中でも最近は一つ目の爽やかなタイプが増えているんじゃないですかね。 私はジューシーなタイプや樽熟成のタイプも好きなのですが。

石樵

石樵

確かにそうですね。 先ほど赤ワインが渋くて濃い味わいから「飲みやすい」スタイルに変わってきているという話になりましたが、白ワインも同様で、爽やかでフルーティーな味わいに変わってきている傾向があると思います。

河

これまであまり使用されてこなかった品種を取り入れたり、ブレンド比率を変更したりして調整されているようですね。

ワイン談議
石樵

石樵

格付け2級シャトー、コス・デストゥルネルが手がける稀少白ワインのコス・デストゥルネル・ブランは、凝縮したリッチな味わいですが、2018年ヴィンテージから新たに発売されたセカンドワインは、非常にフレッシュで、コス・ブランのイメージとは全く異なりました。 市場のニーズに合わせてのリリースなのかもしれません。

パゴド・ド・コス・ブラン
750ml

パゴド・ド・コス・ブラン

  • エレガント&ミネラリー

本数限定
  • 2020

    11,000

    (税込)

  • JS 94-95
河

ボルドーの白ワインといえば、貴腐ワインのソーテルヌも有名ですが、最近は辛口の白ワインに力を入れるシャトーも増えてきていますよね。 温暖化の影響で貴腐ワインに使用するブドウがうまくできなかったり、先ほど石樵さんがおっしゃった市場のニーズに合わせた味わいの変化が見受けられますよね。

石樵

石樵

私は普段接客で、そういった辛口白ワインをお探しの方におすすめする際のキラーワードがあります。 「貴腐ワインの生産者は数少ないボルドーの白ワインの専門家です。その専門家が造る辛口ワインももちろん美味しいです。」と。

森田

森田

そんなふうに説明されたら買っちゃいますね(笑)

石樵友紀
石樵

石樵

ありがとうございます(笑)実際にその通りだと思うんです。 しかも価格は本家の貴腐ワインの5分の1くらい。4,000円~6,000円程度で手に入りますが、同じ価格帯のブルゴーニュなどの白ワインと比較しても負けないような、非常に味わいのクオリティが高いと思います。

森田

森田

本当にワインをお好きな方に、ぜひ飲んでいただきたいですよね。

河

やはりボルドーって赤ワインのイメージが強いからか、白ワインの市場評価がまだまだ追いついていないように感じます。 世界的にワインの価格が高騰している中で、価格は控えめながら美味しい白ワインというのがたくさんありますよね。 宝探しみたいにそういうお得なワインを探す楽しみも、ボルドーワインの魅力ですよね。

河獠

まとめ

歴史と伝統に裏打ちされた確固たる名声を確立しながらも、変革を恐れず、現代の環境や消費者の好みに合わせて多様なアプロ―チに取り組み、新たな可能性を開拓しているボルドーワイン。


世界的にワインの価格が高騰している中で、安定した高いクオリティながらも比較的手に取りやすい価格のワインが多数存在するのも、ボルドーワインの大きな魅力です。


ボルドーワインはその進化と柔軟性によって、未来への可能性を広げ続けています。


いまどきスタッフの話から、ボルドーワインの楽しさが広がりました。


ボルドーワインの一覧はこちら
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