イタリア北部アルプスの山岳地帯に位置するピエモンテ州は、バローロやバルバレスコといったイタリアを代表する赤ワインで有名な産地。
そんなピエモンテ州で、古くから親しまれている白ワインがガヴィです。
今回はそんなガヴィについて紹介します。
産地 | イタリア ピエモンテ州南部 |
面積 | 1,480ha |
土壌 | 粘土石灰質に凝灰岩が混ざる土壌 |
タイプ | 白、スプマンテ、フリッツァンテ |
品種 | コルテーゼ |
ワインの特徴
ガヴィは1998年にD.O.C.G.に認定されたピエモンテ州の白ワインで、正式名称は「ガヴィ」または「コルテーゼ・ディ・ガヴィ」と言います。
ガヴィの産地は、リグーリア・アペニン山脈にほど近いピエモンテ州南部のリグーリア州との国境にあるため、ガヴィは正確にはリグーリア州とロンバルディア州の一部も含む11の市町村で造られています。
特定の地域で収穫したブドウだけで造っている場合はその地域名をエチケットに表示することができます。
原料ブドウのコルテーゼは主にピエモンテ南部で栽培されている白ブドウで、通常は早飲みのシンプルなワインができます。
ところが、ガヴィは例外で、ピエモンテ南部のガヴィの丘陵地帯は地中海の影響を受け温暖でコルテーゼが完璧に熟すため、非常に優美なワインが生まれるのです。
ガヴィのワインの特徴はなんと言っても、しっかりとした酸味とミネラル感溢れる味わいです。火打ち石や蜂蜜、ハーブの香りに爽やかな柑橘系のニュアンスもあり、さっぱりとした辛口で魚介類との相性も抜群です。
とりわけガヴィ村で造られるガヴィ・ディ・ガヴィの風味は、ガヴィのテロワールに大きく由来しています。
粘土石灰質に凝灰岩が混ざる土壌、夏と冬の寒暖差、アペニン山脈からの雪解け水、温暖で海風の当たる南向きの斜面といったブドウ栽培に適した特異なテロワールが良質なコルテーゼを育み、味わいを決定付けているのです。
歴史
もともとガヴィ地域で造られるワインは甘口が中心でしたが、19世紀になってジェノバの富裕層の別荘地としてガヴィが人気になると、地中海沿岸の郷土料理である魚料理に合わせるため、辛口のワインが造られるようになりました。
その後1960〜1970年代にガヴィは世界的大ブームとなり生産量が増加した結果、品質が低下し人気も低迷してしまいました。しかし、近年は再び品質が向上し、改めてガヴィのコストパフォーマンスの高さやフードフレンドリーな味わいが評価されるようになっています。
代表的な生産者
- エンリコ・セラフィーノ
- ヴィッラ・スパリーナ
- ラ・スコルカ
参考文献:日本ソムリエ協会 教本2021