ロエロ地域の老舗ワイナリーと知られるエンリコ・セラフィーノ。1878年の創業時からカナーレ・ダルバでワイン造りを行い、1900年代初頭にはバローロやバルバレスコの造り手として名を馳せていました。また、赤ワインだけでなくガヴィをはじめとした白ワインから、瓶内二次発酵により造られるスパークリングワインまで幅広く生産。彼らの造るアルタ・ランガが幾度も最高評価のトレ・ビッキエリを獲得するなど、スパークリングワインの生産者としても有名な造り手です。

エンリコ・セラフィーノは、1878年、優れたピエモンテワインが生まれるロエロ地区のカナーレ・ダルバに創業されたワイナリー。設立者のエンリコ・セラフィーノ氏は、創業当時から家族経営で丁寧に手作業によるワイン造りを行ってきました。

20世紀最初のパリ万国博覧会では、エンリコ・セラフィーノの1897年バローロや1898年ネッビオーロ・セッコなどがメダルを獲得。当時からバローロ、そしてバルバレスコの造り手として名を馳せていたエンリコ・セラフィーノですが、赤ワインだけでなくロエロ・アルネイスやガヴィをはじめとした白ワインから、シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵を用いて造られるスパークリングワインまで幅広く生産しています。

現在では、ピエモンテでのワイン造りに精通するニコ・コンタ氏が社長としてワイナリーの運営を担っています。エンリコ・セラフィーノのワインは、イタリアで影響力のあるワインガイドとして知られるガンベロ・ロッソにも度々取り上げられており、彼らのアルタ・ランガの中には幾度も最高評価のトレ・ビッキエリを獲得したワインもあるほど。多くのイタリアワイン愛好家を魅了し続けています。

世界遺産にも認定されるランゲやロエロ、そしてモンフェッラート地域に位置する合計60ha程の畑のブドウでワイン造りをするエンリコ・セラフィーノ。彼らはセッラルンガ・ダルバ、カナーレ、アルタ・ランガに 約25haの畑を所有し、その他に約35haの契約畑を管理しています。

エンリコ・セラフィーノでは、自然を尊重したワイン造りを行うため、栽培での化学薬品の使用を減らすことを目標としています。ブドウ畑では、良好な生態系バランスを崩さないよう、例外的に年に一度のみ除草剤を使用し、影響の少ない機械を導入。また、病気の可能性を予測するため常にブドウ樹を観測し、害虫を防ぐ交尾妨害や環境に配慮したブドウ樹の病害対策など、最小限の介入を行っています。

手摘みで収穫後、ブドウを傷つけないように振動式選果台にて手作業で選果。除梗後、破砕前にさらに2度目の選果を実施します。ワインの果実味豊かなアロマを保つため、ブドウは無酸素環境で圧搾され、酸化が防がれています。また、ワイナリーでは、水の消費量を削減する取り組みや、再生可能資源による電気エネルギーを使用することで環境に配慮したワイン造りを行っています。

エンリコ・セラフィーノでは、様々なタイプのワインが造られていますが、その中でも特筆すべきなのは、瓶内二次発酵で造られるアルタ・ランガと、イタリアでワインの王として称えられているバローロと、女王と称されるバルバレスコ。これらはワイナリーを代表する特別なワインです。

アルタ・ランガは、2011年にイタリアワインの原産地呼称であるDOCGに認定されたスパークリングワイン。エンリコ・セラフィーノでは創業当初からスパークリングワインを生産し、彼らのアルタ・ランガ・ゼロ・リゼルヴァは、過去にガンベロ・ロッソにて度々トレ・ビッキエリを獲得するなど、その品質と功績は国内外で認められています。

また、エンリコ・セラフィーノでは、バローロとバルバレスコも創業当初から生産。歴史上におけるワイナリーの重要性から、バローロとバルバレスコの生産地域外であるカナーレ・ダルバのセラーで醸造を行うことが規定により認められています。彼らは、バローロの著名な村であるセッラルンガ・ダルバに自社畑を所有し、モンフォルテとラ・モッラの契約畑で栽培されるブドウからもバローロを造っています。また、バルバレスコは、バルバレスコやネイヴェ、アルバで栽培されるブドウを使用して造っています。 創業当時から長年ワイナリーに蓄積されたワイン造りの経験と知識が、確かな品質を生み出しています。

彼らが目指すのは “コンテンポラリーとネイチャーの融合”。つまり現代の嗜好に寄り添ったスタイルと、テロワールへのリスペクトということで、両者のバランスこそが、長く愛される秘訣だと社長のニコ氏は語ります。そんな国内外で高く評価をされている、エンリコ・セラフィーノのワイン。その品質の高さと親しみやすい味わいは長年愛され続けています。