ワインでよく聞くノン・ヴィンテージって何のこと?

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公開日 : 2018.6.14
更新日 : 2023.7.12
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よくスパークリングワインのボトルに「NV」と書かれていますが、どういう意味かご存知ですか?

あれは「ノン・ヴィンテージ」と言って、収穫年度の代わりに記載されています。

今回はそんな「ノン・ヴィンテージ」についてご紹介します。「ノン・ヴィンテージ」を知っておくことで、これからの季節にぴったりな美味しいワインを探す手がかりになるかもしれないので、ぜひ覚えておいてください。

目次

まずは、ヴィンテージって何のこと?

日本で「ヴィンテージもの」というと、職人が手掛けて味わいや重厚感が評価された時代物の逸品を指すことが多いですよね。

しかしワインの世界でヴィンテージは、そのワインの原料となるブドウが収穫された年を指します。古いワインのことは「オールド・ヴィンテージ・ワイン」と呼ぶことがほとんどです。

ヴィンテージは任意表示

ワインには流通するにあたり絶対に表示しなければならない「義務表示」と、生産者の判断で表示してもしなくてもよい「任意表示」に分かれています。

前者には製品のカテゴリー(ワイン、V.D.N.などの種類)、A.O.P.(原産地呼称)やI.G.P.(地理的表示)の表記と名称、原産地、アルコール度数、瓶詰め業者、スパークリング・ワインの場合は残糖量の表示、妊婦への注意喚起などがあり、後者には原料のブドウ品種、スパークリング・ワイン以外の残糖表示などが含まれており、収穫年も後者の「任意表示」に含まれています。

任意表示でもルールがある

表示してもしなくてもいいとは言え、表示する場合は各国のワイン法に則った表示に関するルールを守らなければなりません。

例えばワインボトルのラベルに「2018」と表示したい場合、2018年に収穫されたブドウがそのワインの原料に何%以上含まれているかで表示の可否が決まります。

EU加盟国の場合は85%以上、アメリカ合衆国の場合はA.V.A.(アメリカ政府が認定した指定栽培地域)表示で95%以上、チリの場合は75%以上その年に収穫されたブドウが含まれていないと、収穫年を表示することはできません。

日本については2018年10月から施行されるワイン法で、収穫年の表示は85%以上となっています。

中でも収穫年の表示に厳しいフランス・シャンパーニュ地方では、その年に収穫されたブドウが100%使用されている場合のみヴィンテージの表示が可能となります。

どの国でも、指定されたパーセンテージに満たない場合は、収穫年を表示することはできません。

シャンパンの8割は“ノン・ヴィンテージ”

ヴィンテージが表示されたシャンパンは、なぜその年に収穫されたブドウを100%使う必要があるのでしょうか?

そもそもシャンパンの8割は、収穫年が表示されていない“ノン・ヴィンテージ”(ノン・ミレジメ)のものです。

シャンパンの産地であるシャンパーニュ地方はフランスでも北部の寒い地域にあり、収穫されるブドウが上手く熟さないことがあり、なかなか質が安定しません。しかしシャンパーニュのメゾンとしては、毎年同じ味わいのものを安定して供給したいという思いがあります。

そこで、味わいに差が出ないよう、その年のブドウで造ったワインに、複数年のワインがブレンドされたリザーブワインを調合(=アッサンブラージュ:ブレンドすること)したものを、多くの人に味わってもらえるように“ノン・ヴィンテージ”としてリリースするのです。

一方で、100%その年のブドウで造られた、収穫年が表示されたヴィンテージ・シャンパン(ミレジメ)は、しっかりと選びぬかれたブドウのみで造られています。価格も“ノン・ヴィンテージ”のものより高くなり、瓶の中で最低3年寝かせないと出荷できません。

“ノン・ヴィンテージ”のシャンパンは最低15カ月寝かせたら出荷させることができ、その他のスパークリング・ワインについては多くが最低9カ月の瓶内熟成を経たらリリースできるため、ヴィンテージ・シャンパンがどれほど手のかかった存在なのかがわかりますよね。

多くが“ノン・ヴィンテージ”だからこそ、しっかりと味の違いを消費者にアピールするためにも100%という完璧な数字が必要だったのかもしれませんね。

まとめ

親しみを込めて「ノン・ヴィン」と呼ばれることもある“ノン・ヴィンテージ”のワイン。

もちろんシャンパン以外にも“ノン・ヴィンテージ”のワインはあり、日頃食卓を彩るデイリーワインに多いようです。

収穫年が表示されたヴィンテージ・ワインには、その年にその地域で収穫されたブドウがどんな出来だったのかが如実に現れます。

“ノン・ヴィンテージ”に、その違いが現れることはありませんが、逆に言えば生産者が自信を持って毎年安定した味を提供したいと熱意がこもったワインだと言えるのではないでしょうか。

シャンパーニュ特集はこちら >
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