ボラッチョの国!スペインで愛される料理とワイン

スペイン料理

スペインと聞いて最初に思い浮かぶものは何ですか?フラメンコ、闘牛、サッカー…ワイン好きの皆さんにとっては、美味しいワインとタパスのイメージでしょうか。

お米が好き、魚が好き、シンプル調理が中心…実は日本人の嗜好にとても近いスペインの食文化。

食べることが大好き、そして何より、お酒を飲むのも大好き!明るいうちから美味しいタパスとお酒を楽しむ、ボラッチョ(酔っ払い)の国というのがスペインの特徴です。

人気のパエリアやアヒージョを食べて、満足していちゃもったいない!今回はスペインっ子たちが愛する、スペイン料理の世界をご紹介します。

日本でも広がるバルブーム

スペイン料理

スペインを訪れると、どんな小さな街でも、どんな小さな路地でも、ちょっと歩けば必ず見つかる「バル」。朝早くから深夜まで店を開け、コーヒーとパン、サンドイッチなどの軽食、お酒とタパス(おつまみ)、デザートまで、どれも安価で提供してくれます。

1日中いろんな目的で利用できるバルですが、最も賑わうのはやはり夕方から。スペインのバルにはそれぞれのスペシャリテ(看板タパス)があり、その1皿とお酒1杯をカウンターでいただき、グラスがあいたら隣のバルへはしごするホッピングスタイルがスペイン流です。カウンターとテーブル席では会計も違います。

サッカーやワイン人気の広がりとともに、日本でもスペインバルが瞬く間に増えました。

とは言えその実情は、スペインバルというより、スペインのニュアンスを取り込んだ無国籍料理という感じの店も多く、スペイン料理は長らく日本で誤解されてきました。

その流れが変わってきたのはここ1~2年。実際に旅して本場の味を求めるファンが増え、それに応えるように店も淘汰され、本場の味や雰囲気を作るスペインバルが定着してきました。

これから流行るかも!?スペイン料理のトレンド

カルドソ""

カルドソ

スペインの米料理は、仕上がりのスープ量により大きく分けて3つの種類があります。最も水分量の少ない、日本でポピュラーなスタイルが「セコ(seco:乾いているという意味)」。これより少し水分が多く、しっとりなめらかな食感の「メロッソ(meloso:まろやかという意味)」。

そして今、注目を集めているのが、日本のおじやにちょっと似た「カルドソ(caldoso:カルド=だしが多いという意味)」です。

お米はスペインから取り寄せた方が良い?オススメの銘柄は?パエリアを作るとき、日本の常識ではどうしてもお米に目がいきがちですが、実は一番大切なのは「スープ」の方。

しっかり手をかけたスープに、お米は洗わずに加える…お米は乾燥しているので、最初に出会った水分を一気に吸い込む習性があります。その水分を洗う水ではなく、美味しいスープにしてあげることで、濃厚な旨味が米ひと粒ひと粒にしみ渡り、最高に贅沢な味わいに仕上がるのです。

汁物やお茶漬けなど、だしを飲むことに慣れ親しんできた日本人にとって、カルドソはその味わいを最も強く実感できる逸品。旨味をしっかり感じられる米料理は、お酒のつまみにしたくなる味わいです。〆のつもりで食べると、またワインを飲みたくなっちゃうのでご用心!

スペインっ子大好きなスペイン料理

スペイン通はみんな知ってる!?日本ではまだあまり知られていない、でも日本でも味わえる、スペインっ子大好きなタパスとおすすめワインをご紹介します。

青唐辛子の揚げ物「ピミエント・デ・パドロン」

ピミエント・デ・パドロン

スペインは野菜も美味しい!タパスでもパプリカやジャガイモ、タマネギなどたくさんの美味しい野菜が登場しますが、主役級の人気と言えば、パドロン。

小ぶりなピーマンのような、ししとうのようなルックスで、軽やかな食感と凝縮された旨味、甘味、ほのかな苦味を感じます。日本のししとう同様、時々「当たり」が混ざっています。

シンプルに素揚げして粗塩をふるか、薄い衣をまとわせて揚げるフリートスが人気です。どちらもスペインバルでは定番中の定番タパス。パドロンは日本の枝豆的ポジションとも言われています。

青野菜にはやっぱり、ベルデホやソーヴィニヨンブランなど、同じく青いハーブのニュアンスを感じる爽やか系白ワインがテッパン。ほのかな苦みが重なり合う、大人ペアリングを楽しめます。

小イワシのマリネ「ボケロネス」

ボケロネス

こちらも定番中の定番タパス、アンチョビでお馴染みの“ヒコいわし”を使ったマリネです。小ぶりながら、脂ののったヒコいわしを塩でしめ、上質なオリーブオイルと、ビネガーに漬けてキリっと酸をきかせた深い味わい。

スペインっ子たちはもちろん、何はともあれボケロネス!というスペイン帰りのグルメたちも多いはず。

〆サバや真いわしの酢漬けなど、日本にも似た料理が多いため、どこか懐かしさを感じられるタパスかもしれません。以前、スペインからのお客さまに〆サバをお出しした時、これは日本の料理?スペイン料理じゃないの?と驚いていたのを思い出します。

イチオシペアリングは、断然シェリー!シェリーは白ワインにアルコールを添加して樽詰めしたもので、ふわりと広がる芳醇な樽の香りが特徴。熟成方法により数種類に分類され、色合いも味わいも変わってきます。

ボケロネスに合わせるなら、キリッとドライな飲み口のフィノやマンサニージャがピッタリです。

バスクの腸詰め「チストラ」

チストラ

日本では生ハムばかりが注目されていますが、スペインでは腸詰人気も高く、生ハムと一緒に盛り合わせで提供されます。

チョリソ、サルチチョン、モルシージャ、ブティファラ…と種類も豊富ですが、スペイン通の間で注目を集めているのは、美食の街バスク地方サンセバスチャンの伝統料理「チストラ」。

パリっと弾ける薄皮と熟成された旨み、ジューシーで噛むほどにじゅわっと広がる味わいと風味が、何とも言えない美食の世界へ誘います。

お皿にこぼれた旨味たっぷりのオイルをパンでぬぐって食べたらそれはもう!極上の美味しさに思わず顔もゆるんでしまいます。

こってり料理にはスパークリングでキュッと流すのがテッパンですが、チストラの脂は流したくない!むしろ留めてじっくりゆっくり楽しんじゃうのも手。

ガルナッチャなど、ふくらみのある熟した果実味と甘やかなスパイス、コク、深みを感じる赤ワインを合わせ、旨味の余韻を膨らませるのも良いですよ。

まとめ

このようなご時世で今すぐには難しいですが、世の中が落ち着いたら、スペインへ行ってみませんか?

日本には、本場スペインを感じられるスペインバルがたくさんあります。

その日を想像しながら、スペインへ旅している心地良い錯覚に浸ってみるのも、素敵な夜の過ごし方かもしれません。