クヘイジ KUHEIJI
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フランス ブルゴーニュ コート・ド・ニュイ モレ・サン・ドニ
「日本酒とワインの化学反応」を目指した萬乗醸造の新たな挑戦
日本国内のみならず、星付きレストランでも高い人気を博す日本酒「九平次」。その九平次を造る萬乗醸造がフランス・ブルゴーニュで手掛けるワインブランドがKUHEIJIです。萬乗醸造が目指すのは「日本酒とワインの化学反応」。日本酒とワインは同じ醸造酒で、原料は違うものの発酵のメカニズムは共通しています。ワインの哲学・伝統・技術を学ぶことで、日本酒のそれを見つめ直すことに繋がり、さらに両者の知識、経験をミックスさせることでイノベーションを生み出せると考えているのです。
目次
日本酒とワイン、2つのドメーヌを持つ世界的にも稀有な蔵
1647年創業の歴史ある愛知県名古屋市緑区の酒蔵、萬乗醸造。代々「九平治」を襲名する久野家の当主の久野九平治氏は15代目にあたります。「日本酒に21世紀型の新しい光を当ててやりたい」「日本酒を新しいステージに立たせてやりたい」「日本酒の新たな価値を創造し、それを押し上げる品でありたい」こんな思いから生み出される日本酒は、日本国内のみならず海外でも注目を集め続けています。
そんな萬乗醸造が新たに生み出したブランドが、フランス・ブルゴーニュの地で手掛けるワインKUHEIJIと、ドメーヌスタイルで造る日本酒「㊈ 久野九平治本店」です。萬乗醸造は日本酒、白ワイン、赤ワインの3つの食中酒を同じフィロソフィーのもと、皆様にご提案できる世界でも稀有な蔵になりました。
ブルゴーニュワインにおいて多くの有名ドメーヌが行っている「自ら原料を育て、酒を醸す」というスタイルは、実は日本酒業界では極めて稀なスタイルになります。日本酒なら米、ワインであればブドウ。これらの原料と徹底的に向き合いこだわり抜くことで、品種の個性、テロワールやヴィンテージの特徴を表現しています。
「日本酒とワインの化学反応」を目指した、ブルゴーニュでのワイン造り
KUHEIJIはブルゴーニュのモレ・サン・ドニで創業したワイナリー。2000年代前半の焼酎ブームで日本酒への危機感を覚えた久野氏は、フランスで日本酒普及に挑戦しますが、そこで突き付けられたのは、世界におけるワインと日本酒の価値の大きな差でした。「ワインを理解しないと世界で日本酒を広めることができない」と考えた久野氏は日本酒をもっと良いものにし、本当の美味しさを追求するためワイン造りの道へ踏み出します。
日本酒造りを受け継いできた萬乗醸造がフランスでワインを造るという挑戦に至ったのが2013年。萬乗醸造で15年にわたり日本酒造りに携わってきた伊藤啓孝氏が栽培醸造責任者として渡仏します。
伊藤氏は渡仏後フランス語やワインの勉強を始め、2015年にモレ・サン・ドニ村のグラン・クリュ街道沿いに自社醸造所を取得し、2016年をファーストヴィンテージとしてワインをリリース。翌年2017年には2.5haの自社畑を購入し、現在はドメーヌ兼ネゴシアンとしてグラン・クリュを含むワインを生産しています。
萬乗醸造が目指すのは「日本酒とワインの化学反応」。日本酒とワインは同じ醸造酒で、原料は違うものの発酵のメカニズムは共通しています。ワインの哲学・伝統・技術を学ぶことで、日本酒のそれを見つめ直すことに繋がり、さらに両者の知識、経験をミックスさせることでイノベーションを生み出せると考えているのです。
「ブルゴーニュの『テロワール、畑の差がブドウの違いを生み、ワインの個性が生まれる』という考えは田んぼ、米でも同じことです。KUHEIJIという同じブランドが同じ思想でワイン、日本酒を造る。その上でなお現れる個性。だからこそ我々は職人として品種・テロワールの個性をより鮮明に表現できると信じています」と久野氏は語ります。
「優しさ、エレガンス、先見性を持つワイン」を志向したワインスタイル
KUHEIJIが所有するのはモレ・サン・ドニ周辺に広がる2.5haの畑。ACブルゴーニュやブルゴーニュ・アリゴテと格付けは高くはありませんが、樹齢40年以上のいわゆるヴィエイユ・ヴィーニュと呼ばれる古樹の区画も含み、収穫量はグラン・クリュ並みの30~40hL/ha。栽培上必要となる肥料は最低限に抑えるなど、テロワールの個性を余すことなく発揮させるため、人為的な介入は最小限に抑えられています。
そんな伊藤氏のワイン造りにおけるこだわりは、低温での醸造。エレガンスを表現するために、温度には特に気を使い、低い温度でゆっくりと醸造を行っています。また、ピジャージュは必要な時だけ行い、ほぼルモンタージュのみで抽出しています。
「日本酒もワインも、その香り、味わいは大切ですが、それ以上に食事に、場に寄り添い、人と人をつなぐことに本当の価値があります」と伊藤氏は語ります。KUHEIJIが目指すのは、「優しさ、エレガンス、先見性を持つワイン」。
ブルゴーニュのピノ・ノワールとシャルドネの個性を損なうことなく引き出すことで、余計な華美をそぎ落とした謙虚さ、すなわちエレガンスを表現することができます。また、「日本酒とワインという境界を越えた人間としては、だからこそ加えられる先見性というスパイスで飲み手の情緒を刺激できれば」と考え、先見性を忘れることなく、飲む方に新しい体験を与えるようなワインを目指しているのです。
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