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フランス国王アンリ4世も愛した、注目株のアペラシオン、ジヴリとは? |
ジヴリは16世紀のフランス国王、アンリ4世の最もお気に入りのワインを生み出すことでも知られている産地。ジヴリで造られるワインの中には、“favorite wine of King Henri IV” と表記しているものもいくつかあり、フランス史において最も活躍した国王が好んだワインとしてフランス国内で広く愛されています。 |
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ブルゴーニュ地方南部のコート・シャロネーズ地区に位置している、ジブリ。ジヴリ村を中心に、標高240m~280mの南東あるいは南向きの斜面に広がっており、約300haの面積の中に、26もの一級畑の区画があります。畑は太陽の光を燦々と浴びる非常に日照時間に恵まれた立地。土壌はジュラ紀後期の石灰岩の風化から生まれた、褐色石灰岩と粘土石灰岩から成り、カルシウムを豊富に含んでいます。ストラクチャーがしっかりとした豊満な赤ワインと、生き生きとした果実味を備えるフレッシュな白ワインは、当時から高い評価を受けていました。 |
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フランス三ツ星レストランにも選ばれる、ジヴリで最も優秀な生産者。 |
ジヴリにおける最も優れた生産者として知られているのが、こちらのフランソワ・ランプ。 1977年からブドウ栽培を始め、1991年にドメーヌを設立。約9.5haの畑から赤ワインと白ワインの両方を生産しています。フランソワ・ランプ氏を一言で表すと、まさに“職人”そのもの。畑の状態を1年中丹念にチェックするため「バカンスを取る暇があったら畑に行く」というポリシーで、6月~8月は畑から離れないという徹底ぶりです。
フランソワ氏は、「私たちは多くのブルゴーニュの生産者と同じように優れたテロワールを持っている。ブルゴーニュのワインの生産者は、コート・ド・ニュイであろうとコート・ド・ボーヌであろうと、同じ方法でワイン造りを行えば、出来上がるワインに同様の特徴が現れてくる。テロワールの知名度は大きな問題ではなく、どういう方法でワインを造るかが大切だ」と語っています。どちらかというと地味な印象のコート・シャロネーズ地区のワインも、実は錚々たるスタードメーヌのひしめくコート・ド・ニュイやコート・ド・ボーヌのワインとなんら変わりが無いと考えているのです。
そのことを証明するかのように、フランソワ・ランプのワインはフランスの三ツ星レストラン、トロワグロ、ポール・ボキューズやラムロワーズにオンリストされた実績を持っています。現在でも多くの星付きレストランで取り扱われており、フランス国内での注目度の高さが伺えます。また、フランスで最も有名なワイン評価誌の1つ、「ラ・レヴュー・デュ・ヴァン・ド・フランス」にてニツ星を獲得。その他、「ル・フィガロ」などでも、ジヴリにおける最も優良な生産者として紹介されており、コート・シャロネーズ地区を代表する生産者として確固たる地位を築いています。 |
100%有機栽培、無農薬にこだわるワイン造り。 果実味と大地のニュアンスが複雑味を生み出す、滋味溢れる味わい。 |
フランソワ・ランプのワイン造りは、自然な造りをモットーとし、100%有機農法、無農薬にこだわって行われています。フランソワ・ランプでは、90年代半ばから、農薬・除草剤はもちろん化学肥料の使用までも一切行っていません。収穫にいたっても、当然のように100%手摘み。またピノ・ノワールは完全除梗した後、4〜5日間の低温浸漬を実施。人の手で櫂入れを行い、圧搾後は新樽比率70%の木樽、シャルドネは全収穫分を圧搾して直ぐに新樽比率70%の木樽に移し、赤白ともに自然酵母を使用して発酵を行います。
こうして造られるワインは、一言でジヴリと言っても、各一級畑のテロワールの特徴をしっかりと反映し、その個性を自然なままに表現した味わい。南部産地の特徴である赤系果実のジャムのようなアロマに、アペラシオン特有のスパイスのニュアンス。じわじわと広がるブドウの旨味に土っぽさが加わり、複雑な印象を与えます。若いうちはタンニンがしっかりとしていますが、3~5年ほどの熟成で、バランスに優れた優雅なスタイルへ変化を遂げます。
テロワールの豊かさを見事に表現した、フランソワ・ランプの実力は折り紙つき。ジブリの秀逸な一級畑が6,000円台から手に入る、ブルゴーニュファンには見逃せない生産者です。 |