ワインのテイスティングで押さえておきたいポイント

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公開日 : 2018.5.18
更新日 : 2023.7.12
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ワイングラス

テイスティングというと「当てっこ」のイメージが強いかもしれません。確かに品種や産地が漫画のように「ずばり」当たれば嬉しいものです。

しかし、グラスに注がれた1杯が「なぜそのようなワインになったのか?」と立ち止まることで、目の前のワインがより美味しく感じられるようになります。

今回はちょっと通っぽくワインを観察し分析する際の留意点をまとめてみました。この先、ソムリエ試験にチャレンジしようという方にとっても、役に立つかもしれません。

目次

外観

赤ワインをテイスティンググラスで見た外観

この中で重要な分析事項といわれているのが、濃淡、色調です。この2つからはブドウの成熟度や、ワインの熟成の進み具合、醸造・熟成法など様々なことが読み取ることができます。

それに対してワインのアルコール度数や残糖とリンクしている粘性は、同じワインを試飲していてもグラスの素材・状態で異なって見えることがあるので注意が必要です(リーデルグラスはISOよりもグラスの表面の凹凸がはっきりしているのでゆっくり脚が流れ落ちて見えることが多いようです)。

また脚が流れ落ちるのに案外時間がかかることもあるので忙しい現場では丁寧に見ることができないものです。

外観において大切なのは、外観だけですべてを決めつけず「〇〇の可能性もあるかな?」という程度でやめておいて、その情報を香りや味わいに引き継ぐことではないでしょうか。

☑重要な観察ポイントは濃淡・色調

☑粘性は意外と見づらい

☑外観だけですべてを決めない

香り

穏やかなスワリングの方法

香りを取るときに長時間がグラスに鼻をさしてクンクンするのはあまりおすすめしません。

1回目はさっと深く短くひと嗅ぎして、スワリング後の2回目にやや長めに香りをとるのがおすすめです。理由は五感の中でも嗅覚は疲れやすいからです。

香りが飛びやすい品種もあるので気を付けてください。たとえばソーヴィニヨン・ブラン種の香りは酸化に弱いので要注意です。

このような品種に関してはスワリングしすぎると香りが飛びやすいので、テイスターよっては「回さずひと嗅ぎするだけでいいんだ」とか、「軽くひと回しして香るだけでいいんだ」という話も耳にします。もしくは写真のように穏やかにスワリングを起こす方法もおすすめです。

☑嗅覚は疲れやすい

☑スワリングのしすぎに注意しなければいけない品種もある

味わい

ブドウのイメージ

飲み会ならばそういったことは一切考えず好きなように楽しんでもいいのですが、より深くワインを知りたいという場合はこのようなフォームが身についているとよいでしょう。

白ワインならば酸味のボリュームや性質が分析する際の最重要項目になります。一般的には酸が高い白ワインはブドウの成熟度が高すぎないこと、ひいては冷涼産地で造られた可能性がります。

この分析はごく一部で、酸の性質からマロラクティック発酵をしているかどうかなどの醸造法なども推論することができます。なお、酸味の強いワインは唾液がじわっと湧き出る感じがあります。

赤ワインならば渋みのボリュームや性質が重要項目になります。カベルネ・ソーヴィニヨンやシラーのように小粒で果皮が厚いブドウ品種などは一般的に渋みを強く感じることが多いでしょう。

それ以外にも醸造法や熟成についても分析することができます。渋みは口に含んだ後、皮膚が収斂する感じで観察できます。

☑一定の量・一定の時間口に含むフォームを作る

☑白は酸が命

☑赤は渋みが命

長いコメントは美しくない!?

赤ワインと白ワイン

しかしプロの現場では真逆のことが「良し」とされています。

なぜならば、お客様はソムリエのコメントを3分も聞きたくないからです。それよりも「早く飲みたい」というのが本音ではないでしょうか。

そのため、プロが工夫しているのは短時間で的確にワインの魅力を伝えることです。最近のソムリエ向けセミナーでは「スリーワード」でワインの魅力を伝えるトレーニングが行われるぐらいです。

例えば、ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランを3語で示すなら「清涼感、軽快さ、生き生きとした酸」です。

もちろん愛好家であっても、端的にワインを表現できる術をもっていれば、自分が探しているワインをソムリエにスムーズに伝えることが出来るので、これまで以上に会話が弾みワイン選びがより一層楽しくなるはずです。

まとめ

ワインは単に「美味しい」といって飲むだけでも十分楽しいのですが、ほんの少し時間をかけて丁寧にワインと向き合うことで、土地の個性や造り手の思いを知ることができます。

何よりもテイスティングのコツを知っていることでより多くの人とワインを飲む楽しみを共有することができます。

「ワインは仲間と飲むようにできている」というのが筆者のモットーですが、ワイン好きの仲間とより濃密な時間が過ごせそうです。

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