最も早く味わえる!「ニュージーランド・ヌーヴォー」2019年の出来は?

ニュージーランド畑

おなじみの新酒、ボジョレー・ヌーヴォーは毎年11月第3木曜日に解禁されることで知られていますが、実はそのボジョレーよりも早く解禁される夏のヌーヴォーがあるのをご存知でしょうか? それが「ニュージーランド・ヌーヴォー」。

南半球に位置するニュージーランドは、ボジョレー(フランス)が生まれる北半球と季節が逆転するため、北半球で言うところの秋ではなく、春の3月頃がブドウの収穫期。というわけで、ボジョレーより一足先に新酒が味わえるのです。

さて、今年2019年のニュージーランド・ヌーヴォーの出来はどうだったのでしょうか。7月1日の解禁を前に、その仕上がりをレポートします!

フランスを凌駕する?!ニュージーランドのワイン

ニュージーランド畑

マールボロのソーヴィニヨン・ブランの畑

フランスと季節が逆、というニュージーランド。ワイン造りの歴史は200年未満と浅いものの、近年ではフランスに負けない品質のワインがたくさん生まれて世界中の注目を集めているのをご存じでしょうか。

例えば、白ワイン用のブドウ品種ソーヴィニヨン・ブランといえば、フランスのロワール産が最上とされてきましたが、1980年代にニュージーランド・マールボロ産のソーヴィニヨン・ブランが国際的なワイン・コンペティションで最優秀賞を受賞し、世界中が注目するきっかけとなりました。

ライムやパッションフルーツなど、驚くほどアロマティックで溌剌とした唯一無二の個性をもつニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランは、今やロワール産と並び世界で高く評価されています。

また、もう一つ忘れてはならないブドウが、ピノ・ノワール。ニュージーランドのピノ・ノワールは、世界最高峰のピノ・ノワール産地、ブルゴーニュに続く産地として注目を集めており、世界最大規模のピノ・ノワールの祭典が開かれ、世界中から名だたるジャーナリストやワイン生産者が訪れるほどの盛り上がりを見せています。また、ブルゴーニュの超がつく人気生産者、コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエの醸造責任者、フランソワ・ミエ氏がフランス以外で初めて手がけたのが、セントラル・オタゴのピノ・ノワール(※プロフェッツ・ロック)ということからも、ブルゴーニュに続く産地としてのポテンシャルの高さが証明されています。

ワインメーカーに聞く!2019年のブドウの出来

シレーニ生産者

今年の収穫にあたったシレーニのメンバーたち(左端がシニアワインメーカーのケーン・コギル氏)

前置きが長くなりましたが、2019年のニュージーランドのブドウの出来はどうだったのでしょうか。

日本に輸入されているニュージーランドワインの中で、輸入量No.1(※)を誇るシレーニ・エステートのシニアワインメーカー、ケーン・コギル氏にその特徴を教えていただきました。

※食品産業しんぶん 2019年2月25日号「2018年輸入酒銘柄別ランキング」より。

シレーニ生産者

シレーニのシニアワインメーカー、ケーン・コギル氏。ニュージーランドのリンカーン大学で工学学士号(生物学的プロセス)とワイン栽培学と醸造学の準修士を取得。オレゴンでピノ・ノワールの芸術性を知り、ボルドーでの醸造も数年経験したという実力派。

「2019年はパーフェクトなブドウが収穫できた年です!

年初から日較差(昼夜の寒暖差。これが大きいほどフレッシュで香り高いブドウが収穫できる)が大きく、ブドウはフレッシュな酸を保ちながら成熟しました。雨はほとんどが生育期に降り、収穫期は雨の恐れのない素晴らしい天候となりました。」

「2018年は世界的に非常に暑い年で、ホークス・ベイも酷暑と言われた2009年や2014年並みの暑さでしたが、2019年は昨年と比較すると暑さは穏やかではあったものの、積算成長度日(GDD)は約1,400℃で、生育期の気温は例年より暖かく、理想的な酸と熟度を備えたブドウが実りました。

結果、美しいアロマの、ニュージーランドワインらしいフレッシュでいきいきとしたワインに仕上がりました。」

新酒の味わいと、一緒に食べたい料理とは?

とっても素晴らしい出来の2019年、期待が持てそうです!

さらに、シレーニのシニアワインメーカーのケーン氏に、ワインの仕上がりと、一緒に食べたい料理を聞いてみました。

シレーニ・ヌーヴォー・ソーヴィニヨン・ブラン

ワインボトル

こちらのソーヴィニヨン・ブランは、通常のワインに使用するブドウとは別に、果実味が主役のヌーヴォーに適した、早熟のエリアから収穫したブドウを使用。低温のステンレスタンクで、アロマと果実味を保ったまま発酵させるそうです。

ケーン氏によると「熟した濃厚な桃やトロピカルのアロマを感じる、フレッシュで香り高いワインに仕上がりました。ジューシーで爽やかな酸を兼ね備えた若々しい味わいをお楽しみください。」とのこと。

ソーヴィニヨン・ブランと共に食べたい料理

サラダ

“ディナーのためのシンプルサーモンサラダ”

シレーニ・ヌーヴォー・ソーヴィニヨン・ブランに合う料理としてケーン氏におすすめしてもらったのが、こちらのサーモンサラダ。

好みの野菜に、温めたスモークサーモン、そしてマヨネーズにディルやレモン汁、ケーパーを混ぜたドレッシングをかけていただきます。

フレッシュなソーヴィニヨン・ブランの爽快な香りが、サラダの美味しさを引き立てます!

シレーニ・ヌーヴォー・ピノ・ノワール

ワインボトル

続いて、ピノ・ノワールです。こちらは、早熟で糖度が上がりきらない区画のブドウを使用することにより、フローラルでベリー系のアロマが際立つヌーヴォーらしい味わいを表現。マセラシオンカルボニックの技法を用い、更にマロラクティック発酵を行うことによりアロマを最大限に引き出しています。

ケーン氏によると「チェリーやフローラルなアロマが鮮やか。美しく柔らかい口当たりと、いきいきとした酸が余韻まで長く感じられる味わい。」とのこと。

ピノ・ノワールと共に食べたい料理

ニョッキ

“ポークソーセージのラグーニョッキ”

シレーニ・ヌーヴォー・ピノ・ノワールに合う料理としてケーン氏におすすめしてもらったのが、こちらのポークソーセージのラグーニョッキ。

生のソーセージを潰してチリやオレガノ、香味野菜、ワイン、トマトソースで煮込んだラグーを、ニョッキにたっぷりかけていただきます。やわらかなニョッキが、ピノ・ノワールのやわらかな果実味とぴったり。ワインが何杯でも進んでしまいそうな危険な組み合わせです。

まとめ

気候に恵まれた南半球の注目産地、ニュージーランド。今年のヌーヴォーは、ワインメーカーも太鼓判を押す素晴らしい仕上がりだったようです。

果実味主体でみずみずしい味わいのニュージーランド・ヌーヴォーは、蒸し暑い今の季節にもぴったり。ぜひ、ボジョレーに先がけて、家族や仲間とともに夏の新酒パーティーを楽しんでみてはいかがでしょうか?