イタリアを代表する高級スパークリングワイン「フランチャコルタ」。
瓶内二次発酵方式で造られるスパークリングワインの中で初めて統制保証原産地呼称(D.O.C.G)の認定を受けた、シャンパーニュと並び、称されるスパークリングワインです。
フランチャコルタの生産量はシャンパーニュの5%ほどと少なく、しかもその9割ほどはイタリア本国で消費されるため世界的な知名度は高くありません。
そんなフランチャコルタの輸出先のトップ日本。輸出全体の22%を占めるほど、日本人に愛されているスパークリングワインでもあるのです。
イタリア人と日本人に愛されるフランチャコルタとはどのようなスパークリングワインなのでしょうか?その秘密に迫ります。
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フランチャコルタの産地
フランチャコルタが造られるのは、イタリア北部、ロンバルディア州にあるイゼオ湖の南に広がる丘陵地。
ミラノから車で約1時間という立地にある風光明媚な場所で、近郊で暮らす人々の避暑地として栄えてきたリゾート地としても知られています。
かつては氷河に覆われていた土壌は石灰粘土質。スパークリングワインにとって最適なブドウが育ちます。
山々と湖に囲まれた盆地のようなところにモザイク状に広がるブドウ畑の栽培面積は3,000haほどで、シャンパーニュ地方の34,000haと比較すると1/10以下。そしてその約70%が有機栽培、もしくは有機栽培へ移行中の畑だといいます。
畑の面積が限られている小さな産地だからこそ、多くの生産者が一丸となって品質向上に努めているそうです。
シャンパーニュを上回る厳しい基準
フランチャコルタと名乗るには多くの規定をクリアしなければなりません。
収穫したブドウは圧搾した後、シャンパーニュと同じく瓶内二次発酵によって発泡性ワインになります。法定熟成期間は、最低18ヶ月は二次発酵後の瓶内で熟成する必要があります。
これはシャンパーニュの15ヶ月を上回る熟成期間です。
さらにロゼ、サテンは24ヶ月、収穫年入りのミッレジマートは30ヶ月、リゼルヴァは60ヶ月とタイプによって厳しく定められており、生産者によっては、スタンダード・キュヴェでも36ヶ月以上の熟成を経ることもあります。
こうして厳しい規定を科すことで高い品質を保持、“奇跡”とうたわれるほどの産地へと成長したのです。
フランチャコルタの種類
フランチャコルタに使用されるブドウは、シャルドネ、ピノ・ビアンコ、ピノ・ネロの3種類。
使用するブドウの品種や製法によって、フランチャコルタには様々な種類があります。
・ノン・ヴィンテージ
様々な収穫年のブドウをブレンド。法定熟成期間は18ヶ月の瓶内熟成。
・ミッレジマート(ヴィンテージ)
単一収穫年のブドウのみ使用。法定熟成期間は30ヶ月の瓶内熟成。
・ロゼ/ロザート
ピノ・ネロを25%以上ブレンドしたロゼタイプ。法定熟成期間は24ヶ月の瓶内熟成。
・サテン
白ブドウ(シャルドネ、ピノ・ビアンコ)のみを使用。法定熟成期間は24ヶ月の瓶内熟成。
・リゼルヴァ
法定熟成期間は30ヶ月の瓶内熟成。
フランチャコルタの特徴
シャンパーニュと比べて温暖なフランチャコルタ地方では、ブドウが完全に熟すことから糖度が十分で酸が穏やかなワインに仕上がります。そのため補糖をする必要がなく、より自然な味わいのスパークリングワインとなるのです。
また、フランチャコルタの気圧は約5~6気圧と低め。長期熟成によるきめ細かな泡と相まって、柔らかな口当たりを演出します。
フランチャコルタにピッタリな料理
フランチャコルタの輸出先トップが日本と言うだけあって、和食との相性は折り紙つき!
フランチャコルタ協会の会長を務めるベラヴィスタのヴィットリオ・モレッティ氏曰く「寿司はもちろん、天ぷらとも相性が良い」とのこと。口当たりがソフトで酸が穏やかなフランチャコルタは、繊細な和食にピッタリと寄り添ってくれます。
もちろんイタリア料理との相性は言うまでもありません。本国イタリアでは、食前酒としてだけでなく、前菜からメインまでフランチャコルタで通すのがトレンドだそう。軽やかな料理の世界的流行とも相まって、イタリアと日本だけでなく世界的なフランチャコルタブームが続きそうです。
おすすめのフランチャコルタ
最後に、ぜひ一度お試しいただきたいフランチャコルタのワインをご紹介します。
こちらはミラノ・スカラ座の公式サプライヤーにも選ばれた、フランチャコルタのトップ生産者が造る1本。
きめ細かい泡に程良い果実味、美しい酸が完璧に調和した、イタリア最高峰のスパークリングワインです。
箱も美しいのでギフトにもピッタリ。記念日の贈り物として選んでみてはいかがでしょうか。
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