No.1シャンパーニュメゾン「ルイ・ロデレール」オーナー&天才醸造家にインタビュー!

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公開日 : 2018.12.1
更新日 : 2022.5.19
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広尾店の前で記念撮影

ロデレール・ファミリーの7代目、現オーナーのフレデリック・ルゾー氏(左)と、

副社長兼シェフ・ド・カーヴ(醸造責任者)のジャン・バティスト・レカイヨン氏

今年2018年、イギリスの専門誌『ドリンクス・インターナショナル』の「世界で最も称賛されるシャンパーニュ・ブランド2018」で第1位に選ばれ、同時に「シャンパーニュ&スパークリング世界選手権2018」において、生産者として最高賞である「スパークリングワイン・プロデューサー・オブ・ザ・イヤー」に選出、多くの栄冠に輝いたルイ・ロデレール。昨年の受賞に続いて多くの1位を獲得し、名実ともにNo.1メゾンとして不動の地位を築き上げています。

そんなトップメゾン、ルイ・ロデレールからオーナーの現当主、フレデリック・ルゾー氏と副社長兼シェフ・ド・カーヴ(醸造責任者)を務めるジャン・バティスト・レカイヨン氏が来日。新作シャンパーニュや、トップを走り続けるメゾンの原動力について伺いました。

目次

初めてリリースされた蔵出しの熟成ボトル、クリスタル2002年

クリスタル2002年※フレデリック・ルゾー氏とジャン・バティスト・レカイヨン氏のサイン入りボックスを限定発売中

同社を代表するプレスティージュ・キュヴェ、クリスタル。今年は最新の2008年がリリースされ、多くの評価誌で100点満点を獲得し大きな話題を呼びました。実は今年はもう一つのクリスタルが初めてリリースされたのをご存知でしょうか。

それがクリスタル2002年。何が初めてかというと、通常のリリースとは別に、メゾンのセラーで熟成したボトルをセカンドリリースしたクリスタルは実は初めてなのだそうです。

石灰質土壌から生まれる強靭なミネラルをもち、そのポテンシャルゆえ熟成してこそ、その真価を発揮すると言われるクリスタル。2002年は特に優れたヴィンテージであたったため、ワインが出来上がった時点で、セカンドリリースを決定したそうです。(2008年もその予定があるそうです)

こちらのクリスタル2002年は、地下深く12メートルにあるセラーで気温11℃、湿度100%という熟成に最適な環境で静かにリリースを待ったという特別なキュヴェ。湿度100%というと驚かれる方も多いかもしれませんが、レカイヨン氏によると、乾燥によるコルクの縮みがないため、シャンパーニュの保存には最高の環境とのことで、これこそが彼らがセカンドリリースを決めた大きな理由の一つなのです。

レカイヨン氏に2002年の特徴を聞くと、「自然からのギフト」との答え。2002年も2008年も歴史に残るグレートヴィンテージですが、2002年の方がよりブドウの凝縮度、熟度が高く、クリスタルの特徴である石灰質土壌由来のミネラル、エレガンスに加え、しっかりとした果実味やリッチなテクスチャーが楽しめるとのことです。対して2008年はより厳しい気候で、強靭なミネラルが際立っているとのこと。

シャンパーニュ地方最大のビオディナミ生産者

自社畑

ルイ・ロデレールの自社畑

ルイ・ロデレールでは240haという広大な自社畑のうち、現在は約半分をビオディナミで栽培。現在もビオディナミへの転換を進めており、シャンパーニュ地方では最大のビオディナミ生産者と言われています。

実際にビオディナミ栽培を始めてワインがどう変わったのか、レカイヨン氏に聞いたところ、

「ビオディナミは20年前に始めました。最初は有効かどうかという証拠が欲しかったので、実際にビオディナミ栽培の畑と、そうでない畑を比較検証しました。はたしてどちらがクリスタルのテロワールやフレーヴァーを表現できるか、と。結果は、ビオディナミの畑のブドウの方が、テロワールの表現に秀でているということがわかりました。

ただ、ビオディナミはあくまで手段です。テロワールが何を考え、語ろうとしているのか、それを引き出すのがビオディナミ栽培なのです。」

ルゾー氏も、

「私たちのワイン造りを永く続けるために取り組んでいるのです。」

と、お二人ともビオディナミの質問になると特に情熱をこめてその信念を語ってくださいました。

今でこそボルドーのシャトー・ラトゥール(2018年にビオロジック認証取得)など、多くのトップワイナリーが取り組んでいるビオディナミ栽培ですが、20年前のシャンパーニュで理解を示してくれるワイナリーはごくわずかだったとか。もともと冷涼な気候で病害も多いシャンパーニュ地方で無農薬栽培を行うこと自体、非常に大きなリスクだったのです。

それでも続けてこられたのは、経営上のリスクがあるにもかかわらずそれを認めたルゾー氏の理解と、レカイヨン氏の地道な取り組みがあったからこそなのでしょう。

大切なのは家族経営とダイバーシティ(多様性)

インタビューの様子

トップメゾンとして、ルイ・ロデレールの一番のアドバンテージは何かと尋ねたところ、オーナーのフレデリック・ルゾー氏が以下のように答えてくださいました。

「それはやはり、家族経営であるということです。シャンパーニュには数多くのメゾンがありますが、大手20社の中で家族経営のメゾンは我々を含め2~3くらいでしょうか。

家族経営のよいところは、パッションやスピリットを代々繋いでいけること、早い決断ができること、そして長い時間軸で経営ができることにあります。お金儲けに追われるといいワインはできません。」

また、ルイ・ロデレールでは「ダイバーシティ=多様性」も重要なテーマ。400以上に上る畑の区画ごとに醸造し、多様な個性をもつそれらのキュヴェをブレンドしていくことで調和のとれたシャンパーニュが生まれます。またブレンドに際しては、様々な世代、性別のスタッフが関わるとか。そしてそれを取りまとめるのがシェフ・ド・カーヴであるジャン・バティスト・レカイヨン氏。オーケストラをまとめる指揮者のような存在です。

クリエィティビティ(創造性)を更新し続ける

インタビューの様子

そうしてメゾンの指揮者としてブドウの栽培からワインの醸造まで(シャンパーニュだけでなく、ルイ・ロデレールがボルドーやポルト、アメリカに所有するワイナリーまで)を統括し、さらに副社長として経営にも参画しているレカイヨン氏。

ここで、彼にどうしても聞きたかった質問をぶつけてみました。普段はどんなワインを飲んでいるのでしょうか? やはりシャンパーニュ??

「普段は2種類のワインを飲むようにしています。

1つめは、“New Wine”。新しい体験ができるワインを意識的に飲むようにしています。例えば最近では、ギリシャや、オーストリアのワイン(特にブラウフレンキッシュが好きです)などを飲んでいます。これもダイバーシティですね。発見が大切です。昨日は東京でSakeを飲みました(笑)。

そして2つ目は、私自身のために、大好きなブルゴーニュワイン(20年前のものから若いものまで)や、熟成したボルドーワインなどを楽しんでいます。ピエモンテのバローロも好きです。

ワイン造りはクリエイティブな仕事です。それには革新性が大切で、様々なワインを飲んで学び続けることで、日々、クリエィティビティ(創造性)を更新し続ける必要があるのです。

そしてなによりも大切なのは、自分自身がワインを楽しむことと、ワインへの情熱をもち続けることです。

あ、でも飲み過ぎは禁物ですよ!(笑)」

天才醸造家のモチベーションの源とは?

二人で談笑する様子

フレデリック・ルゾー氏(左)とジャン・バティスト・レカイヨン氏(右)

最後に、天才醸造家と称されるジャン・バティスト・レカイヨンさんに、トップを走り続けるモチベーションの源について尋ねました。

「第1には、(隣にいるオーナーの)フレデリック・ルゾー! 30年一緒に働いています。シャンパーニュ造りにはどの年にも新しいストーリーがある。そんな中、常に決断し続けてくれています。

第2には、最高のシャンパーニュを造りたいという想い。明日のシャンパーニュは今日のシャンパーニュよりもよくなっている。これをモットーに日々努力を続けています。」

するとすかさず、隣のルゾー氏が「私は決して満足しないけどね(笑)。・・・こんな(なかなか満足しない自分みたいな)人間がいるのもダイバーシティ!」と締めくくってくださいました。それを聞いたレカイヨン氏は「結構いい仕事していると思うけど・・」と一言。

ワイン造りへの揺るぎない自信と、互いの仕事に対するリスペクトに満ちたルゾー氏とレカイヨン氏を見て、今乗りに乗っているシャンパーニュメゾン、ルイ・ロデレールの熱い原動力をたっぷりと感じました。これからもさらに美味しくなるであろうルイ・ロデレールのシャンパーニュに大いに期待しています!

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