情熱の国、スペイン。歴史や文化、芸術やスポーツなど多様な魅力を持つ国です。
フラメンコや闘牛、サッカーなどスペインと聞いて思い浮かぶもの、いくつかありますよね?
その一つに挙げられる食。2010年にはスペイン料理がイタリア料理、ギリシャ料理、モロッコ料理とともに「地中海の食事」として、ユネスコの無形文化遺産に登録されました。
さらにモダンスパニッシュの登場により、スペイン料理の魅力が広がっています。そんなスペインの料理の変遷についてお伝えします。
カジュアルさが魅力のスペインバル
スペイン料理と言えば、日本でも人気のスペインバルが1番に思い浮かぶのではないでしょうか。フランス料理やイタリア料理と比べて、それまであまり馴染みのなかったスペイン料理がバルの浸透によって定着するようになりました。
スペインバルは、スペインでは朝早くから深夜まで営業しており、コーヒーやパン、サンドイッチなどの軽食からお酒やおつまみ、デザートまで、どれも手頃な価格で提供されています。
「バル」と聞くと飲み屋のイメージがあるかもしれませんが、スペインではモーニングからランチ、そしてお酒を飲む場としての要素を持っています。スペイン人にとって生活に欠かせない、コミュニケーションを楽しむ場となっているのです。
そんなスペインバルが2000年代頃から日本をはじめ、世界的にブームとなりました。カジュアルな飲食店で気軽にタパスなどのおつまみやお酒を楽しめる雰囲気が評判を呼びました。
スペインバルブームによってタパスやパエリアなどのスペイン料理が広がり、世界中の人たちがスペインのカジュアルな食文化を知るきっかけとなったのです。
スペイン料理の未来を切り開く
スペインバルブームとともに、スペイン料理の世界的な知名度を高める存在となったのが「モダンスパニッシュ」。伝統的なスペイン料理とモダンなスタイルが融合した料理のスタイルが登場しました。
そんなモダンスパニッシュを語るのに欠かせない存在が、「エル・ブジ(El Bulli)」です。
1964年、スペインのカタルーニャ州に小さなビーチサイドのレストランとして創業し、1984年にフェラン・アドリア氏を迎え入れることで、その運命が大きく変わりました。まるでスペイン料理の未来を切り開くような革新的な料理が提供されたのです。
その料理スタイルは「分子ガストロノミー」と呼ばれ、食品の物理学や化学的なプロセスを活用しています。
液体窒素を使って食材を瞬間的に冷凍させることで新たなテクスチャーの料理を生み出したり、どんな食材も泡へと変化させる調理器「エスプーマ」を開発したのもフェラン・アドリア氏と言われています。
今までにない、驚くような視覚と味覚が体験できるエル・ブジは、瞬く間に人気を集め、「世界一のレストラン」の称号をたびたび受賞しました。
残念ながら、エル・ブジは忙しさのあまり閉店しましたが、その革新的なスタイルとアプローチは料理界に大きな変革をもたらしました。分子ガストロノミーとモダンスパニッシュという概念は世界中に広まり、多くのシェフたちに影響を与えたのです。
伝統と革新の融合
モダンスパニッシュの登場により、かつてはフランス料理やイタリア料理に比べて影の薄かったスペイン料理が国際的な注目を集め、高い評価を受けるようになりました。
伝統的なタパスやパエリアなどの定番料理はもちろん、新たな料理も次々と生まれています。こうした進化と多様性により、スペインは美食の街として知られるようになりました。星付きレストランが軒を連ね、その料理は世界中の食通たちを魅了しています。
そんなスペイン料理に欠かせないのがワイン。かつてのエル・ブジはじめ、数多くの星付きレストランで採用されているのがエナーテのワインです。現在、50軒を超えるスペインの星付きレストランにオンリストされています。(※2023年現在)
高品質なワインは料理との相性の良さもさることながら、美しいアート作品をワインのラベルに採用していることでも知られています。
星付きレストランの洗練された雰囲気ともマッチし、お客様を魅了する要素の一つとなっています。
モダンスパニッシュとエナーテのワインで、スペイン料理の今が感じられるでしょう。
エナーテのワイン一覧
まとめ
スペインバルブームによってスペイン料理が世界に広がり、さらにエル・ブジをはじめとするモダンスパニッシュの台頭によってスペイン料理の新たな魅力が広がりました。
スペイン料理は、その伝統とモダンスパニッシュの融合により、ますます多様な表情を見せています。
世界中の食通にとって刺激的で魅力的な存在であり続けるでしょう。