「一年の計は元旦にあり」ということわざもあるように、新しい年を迎え、何か目標を立てた人も多いのではないでしょうか?
今年こそワインを学ぶぞ!と意気込んだ方もいるかもしれません。また、20歳になってワインを飲んでみようと思っている方もいるかもしれません。
そんなこれからワインを飲むあなたへ、ワインの楽しみ方をお伝えいたします。
お酒の強さは人それぞれ
まずはワインを楽しく飲むために、お酒の正しい付き合い方を知っておきましょう。
お酒の強さ・弱さは人によって異なります。一般的に女性よりも男性の方が、年輩の人よりも若い人の方が、アルコール分解能力が高い、つまりお酒に強いとされます。
体重によってもアルコール分解能力は異なり、体重の重い人と軽い人が同じ量のお酒を飲んだ場合、体重の重い人の方が血中アルコール濃度が低いため酔いにくいと言えます。
また、私たち日本人は他の人種に比べてお酒が弱いということが科学的に証明されています。体内に入ったアルコールは肝臓などで分解される際、有害物質であるアセトアルデヒドを発生しますが、このアセトアルデヒドを素早く分解する酵素「ALDH2」を日本人の約4割の人が持たないか、その働きが弱いことがわかっています。
お酒を飲むと顔が赤くなったり二日酔いになったりするのは、アセトアルデヒドが完全に分解されていないことで起こります。
「飲酒は節度ある適量を」と言われますが、その適量は上記の理由から個人差があるのです。ですからどんな時もお酒は適量を自分のペースで楽しむことが大切です。
適正飲酒について詳しくはこちら
ワインは料理と一緒にゆっくりと
ワインに限らず、お酒は料理とゆっくりと楽しむのが良いとされています。空腹時にお酒を飲むと、体内でのアルコールの吸収が速くすぐに酔いが回りますが、食事をしながらお酒を飲むとアルコールはゆっくり吸収され、血中アルコール濃度の急激な上昇も抑えられます。お酒は料理と一緒に楽しむことで悪酔いを防ぐことができるのです。
そして何より、ワインは料理と合わせることでワインも料理もより美味しくなる相乗効果を発揮します。
もちろん、料理がなくとも単体で飲んで美味しいワインはたくさんありますが、こってりとした肉料理にタンニンのある赤ワインを合わせたり、さっぱりとした前菜によく冷えたスパークリングワインや白ワインを合わせると、料理もワインもさらに美味しく感じるでしょう。お互いの相性がピタリと合った時は言葉にできない感動を覚えるはずです。
加えて、ワインは時間とともに風味が変化するお酒です。抜栓後グラスに注いでから、より香りが華やかになったり、味わいがまろやかになったりします。風味の変化はワインの大きな魅力の一つです。
その魅力を楽しむためにも、ワインは料理や会話を楽しみながらゆっくりと飲みましょう。
はじめてにおすすめワイン
さぁ、ワインを飲むぞ!と意気込んではみたものの、星の数ほどあるワインの中からどれを選んだら良いのかさっぱりわからない、という方も多いでしょう。初心者なら当然のことです。
そんな時、赤ワインなら渋みが少ないもの、白ワインなら酸味が強すぎないものがおすすめです。果実味のあるワインの味わいはドライでも口に含んだ時に果実の甘みを感じるので、より飲みやすく感じるでしょう。
ただ、ワインのアルコール度数は11%〜14%程度あります。フルーティーで口当たりのよいワインはつい飲みすぎてしまいがちですが、ビールや酎ハイに比べてアルコール度数が高いので注意が必要です。
赤ワインのおすすめ
この商品はこちら
白ワインのおすすめ
この商品はこちら
ここから覚える!ワインの基礎知識
ワインに興味を持ったら、まずは原料となるブドウ品種を覚えましょう。なぜなら、ワインの香りや味わいを決定づける1番の要素はブドウ品種だからです。
とはいえ、ワインの原料となるブドウ品種は世界中に1万種類以上存在すると言われていますから、ここでは最初に覚えておきたい基本の四つのブドウ品種を紹介します。いずれも世界中の主要なワイン産地で栽培されている国際品種です。
カベルネ・ソーヴィニヨン
種類 | 黒ブドウ |
香り | ブルベーリーやカシス、ハーブやピーマン |
味わい | タンニンが強い、熟成を経ると複雑な味わいに |
代表産地 | フランス・ボルドー地方、アメリカ・カリフォルニア、チリ |
重厚感のある赤ワインを生むブドウ品種です。色合いは濃い赤紫色、ブルベーリーやカシスの香りが特徴で、ハーブやピーマンのような青っぽい香りが表れることもあります。
若いうちは渋みが強いのですが、長い熟成期間を経たものは素晴らしい芳香と複雑な味わいを開花させます。
他の品種とブレンドされることも多く、フランスのボルドー地方やカリフォルニア、チリなどが主な産地です。
ピノ・ノワール
種類 | 黒ブドウ |
香り | ラズベリーやチェリー |
味わい | 繊細でエレガント、酸味が特徴 |
代表産地 | フランス・ブルゴーニュ地方、ドイツ、アメリカ |
繊細でエレガントな赤ワインを生むブドウ品種です。
明るいルビー色で、若いうちはラズベリーやチェリーのような甘酸っぱい香りが特徴で酸味も豊かですが、熟成するとなめし皮のような香りが表れ、味わいは繊細かつ複雑味を増します。
単一で使用されることが多く、フランスのブルゴーニュ地方が名実ともに世界一の産地と言えるでしょう。
シャルドネ
種類 | 白ブドウ |
香り | ニュートラル、産地や造り方によってスタイルが異なる |
味わい | ニュートラル、産地や造り方によってスタイルが異なる |
代表産地 | フランス・ブルゴーニュ地方、アメリカ、オーストラリア、チリ |
辛口白ワインを産むブドウ品種で、世界中の産地で栽培されています。
本質的に風味がニュートラルで、強い個性を持たないことがこの品種の特徴です。そのため、産地や造り手によってワインのスタイルは多彩。
一般的に寒い産地で造られるものはシャープな酸味とミネラル感が豊富で、温かい産地で造られるものは香り味わいともに果実味が豊かでボリューム感のあるスタイルとなります。
ソーヴィニヨン・ブラン
種類 | 白ブドウ |
香り | グレープフルーツのような柑橘、ハーブや青草の清々しい香り |
味わい | シャープな酸味、みずみずしい果実味 |
代表産地 | フランス・ボルドー地方、ロワール地方、ニュージーランド、イタリア |
爽やかな白ワインを産むブドウ品種です。グレープフルーツのような柑橘、ハーブや青草の清々しい香り、シャープな酸味、みずみずしい果実味が特徴のワインとなります。
単一で使われる場合は、ブドウの個性がワインにはっきり現れるので、味わいをイメージしやすいでしょう。概ね若いうちに楽しむ辛口の白ワインとなりますが、ボルドーでは他の白ブドウとブレンドして長期熟成も可能な甘口の白ワインが造られています。
ブドウ品種を覚えたら、次は主要な生産国の特徴や産地の個性を覚えましょう。品種と産地を理解できればワイン選びがぐんと楽しくなりますよ。
主要産出国については以下の通りです。
フランス
生産量、多様性、歴史、付加価値の高さ、知名度、どれをとっても世界最高峰のワイン産出国。ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュといった銘醸地はワインを知らない人でも聞いたことがあるでしょう。
前述の四つのブドウ品種含む多くの国際品種の原産地でもあり、原産地名称を保護するためのワイン法がいち早く制定されました。フランスワインを知るにはそのワイン法を理解する必要があり、少々難解。
イタリア
生産量、多様性、歴史などフランスと並ぶワイン大国。栽培条件に恵まれ全20州で個性的なワインが造られています。
良心的な価格で料理に合わせやすく親しみやすいイタリア産ワインは世界中で人気。昨今はイタリアに多く現存する土着品種から造られるワインが注目されています。
アメリカ
ワイン造りの歴史が浅いニューワールドの産出国ですが、非常に高品質なワインを生産しています。かつては赤白問わずパワフルなワインが国内外で人気でしたが、最近はテロワールを重視したエレガントなスタイルのワインが多くなっています。
カリフォルニア州がアメリカの全ワイン生産量の80%を占めており、自然環境に配慮したサスティナブルなワイン造りを行うワイナリーが増えています。
スペイン
ブドウ栽培面積は世界一。スペインのほぼ全土でブドウ栽培が行われており、スペイン固有の品種で造られる伝統的なスタイルから、外来品種を取り入れたモダンなスタイルまで多様なワインが造られています。
瓶内二次発酵で造られる「カヴァ」はコストパフォーマンスの高いスパークリングワインとして有名。また、酒精強化ワイン「シェリー」も世界的に知られています。
チリ
1980年代に国際市場に参入したニューワールドのワイン生産国。
気候条件に恵まれ、1990年代には単一品種で造られるバラエタルワインが世界的に人気を博し、日本でもチリワインブームが起こりました。
現在はコストパフォーマンスの高さだけでなく、オーガニックのブドウを原料とするなど、安定かつ豊富なスタイルのワインが生産されています。
まとめ
ワインは難しいと言われることもありますが、飲むのも学ぶのも自分のペースでゆっくり楽しめば良いのです。
ワインと上手く付き合うことができれば、ワインはきっとあなたの人生をより豊かにしてくれるでしょう。