ワインはどうしてコルク栓なの?

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公開日 : 2022.2.18
更新日 : 2023.7.12
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ワインはどうしてコルク栓なの?

ソムリエナイフでコルクを開けるのもワインの楽しみの一つ。


例えば、レストランのソムリエが優雅にコルクを抜く所作を見ているだけでも気分が高揚しますよね。


最近はスクリューキャップや樹脂コルクなどワインの栓も多様になりましたが、コルク栓はやっぱり特別です。


今回はそんなコルク栓にまつわるお話をご紹介します。

目次

ワインの栓がコルクになった歴史

コルク樫

そもそもコルクとは、コルク樫から剥いだ樹皮のことで、コルク栓は厚く剥いだその樹皮を打ち抜いて作られます。


主な生産地はポルトガルで世界の生産量の約半数を占めています。その他、スペイン、イタリア、モロッコなど地中海沿岸の国や中国でも生産されていますが、ポルトガル産が最も高品質と言われています。


コルクは既に約2000年〜4000年前にはギリシャで使われていたのではないかと言われています。古代ギリシャ・ローマ時代には、漁網の浮きや甕(かめ)の蓋などにコルクが使用されており、コルク生産国では数世紀にわたって住居の床や屋根などにコルクの板が利用されていました。


コルクの需要が急増したのは、16世紀のガラス瓶の出現によります。


ガラス瓶とコルク栓のおかげで、ワインは密封することができるようになり、長期間熟成させたり、遠方まで運ぶことが可能になったのです。

コルクの問題点

ワインの香りを嗅ぐ様子

昔からワインの栓には、弾力性に富み気体や液体をほとんど通さないコルク栓が見た目も含めて最適であると考えられてきました。


しかし、残念ながら問題点もあります。それはブショネです。


ブショネとは、汚染されたコルク栓がダンボールや濡れた雑巾のような不快な匂いを放ち、ワイン本来の香りが損なわれてしまうことを言います。


コルクに潜んだ細菌と消毒時に用いられる塩素によってTCA(トリクロロアニソール)という物質が発生し、コルク栓自体が汚染されて起こる現象ですが、その発生率は実に2〜5%程。それほど珍しいことではありません。


ブショネはワイナリーが不衛生でその設備が汚染されていた場合にも起こるため、汚染したコルク栓だけが原因ではありませんが、大半のブショネの原因はコルク栓にあると言われています。そのため、コルク栓に代わる栓が開発されるようになったのです。

ブショネについて詳しくはこちら

ワインの栓

コルク栓の1番の問題であるブショネを回避するため、最近はコルク栓に代わる栓が広く普及しています。いくつか紹介します。

スクリューキャップ

スクリューキャップ

プラスチックや樹脂、アルミなどの金属で作られた、ひねるだけで開栓でき再栓もできるキャップです。


2000年頃から新世界のワイン産地、特にオーストラリアやニュージーランドで普及し、最近はフランスやイタリアの伝統的な産地でも使用されるようになってきました。


スクリューキャップの利点は、ブショネを大幅に削減できることです。また、コルクに比べて密封性が高いためワインをゆっくりと熟成させることができ、ボトルを立てたまま保存することも可能です。


現在は酸素透過率の多様なスクリューキャップが開発されています。

ヴィノ・ロック

ガラス栓

ガラス製の栓をヴィノ・ロックと言います。オープナーは不要、手で引き抜くだけで開栓できます。また、再栓も押し込むだけです。


高級感があり、比較的高価なワインで使用されているのを見かけます。瓶との接触部分は合成樹脂が使用されているため、密封性も問題ありません。もちろん栓に由来するブショネもありません。

人工樹脂コルク

人工樹脂コルクはシリコンなどプラスチック製の樹脂から作られます。天然のコルク栓に似せて作られているものも多くありますが、長さや色、弾力性は様々です。


抜栓はオープナーを使用し、天然のコルク栓と同じ要領になります。


人工樹脂コルクは主に早飲みタイプのデイリーワインに使用されてきました。そのため安価なイメージが先行し、高価なワインにはほとんど使用されていないようです。


ただ、最近の人工樹脂コルクは酸素透過率も調整されており、長期熟成ワインにも使用できるようになっています。

コルクの開け方

最近はワインオープナーの種類も豊富で初心者でも簡単にコルクを抜栓できるものが増えていますが、ここではクラシックなソムリエナイフを使って抜栓する方法を説明します。

①キャップシールを剥ぐ

キャップシールを剥いでいるところ

まず、コルクを抜く前に、薄いアルミやプラスチックのカバーで覆われているキャップシールを剥ぎます。


ソムリエナイフの刃部分と親指でボトルの首(瓶口付近にある出っ張りの下)をしっかりと挟みます。ソムリエナイフの刃を入れる場所は、利き手が右手であれば、瓶口の左側まで腕を回して刃を入れてください。そこからぐるりと手首を回転させ、切り込みを入れます。


周囲7割ほどに切り込みが入ったら、今度は手を翻し残りの3割の部分に刃をあてて親指で挟み込むように固定し、手前から利き手側にぐるりと切込みを入れます。この切り込みを入れる動作は案外力が必要です。


次に、刃先を瓶口にひっかけてキャップシールの上部を上手く切り離します。このとき、最初に入れた切り込みに対して新たな切り込みを縦に入れて、そこに刃先を潜り込ませて剥がします。


レストランのソムリエは上記の方法でスマートにキャップシールを剥がしますが、自宅でワインを開ける場合など、キャップシールはどんな方法であれ剥がすことができれば問題ありません。


しかし、ソムリエナイフを使ってコルクを抜栓する場合は下記の要領でないと上手く抜くことができません。

②コルクにスクリューを差し込む

コルクにスクリューを差し込んでいるところ

まず、軽く斜めに寝かせたソムリエナイフのスクリューの先端をコルクの中央部分に差し込みます。


スクリューを差し込んだら、まっすぐに立ててハンドルをゆっくりと回転させて根元近くまで差し込んでいきます。


このとき、ワインによってはスクリューの先端が逆側から突き出た場合、コルク片が液体に落ちてしまうことがあるので注意が必要です。

③コルクを引き抜く

コルクを引き抜く

差し込んだスクリューは、それを支点にして瓶口にフックを引っ掛け、利き手とは逆側の手を添えます。支点が1カ所のシングルアクションの場合はスクリューをだいたい6回転分ほど差し込んだ後一度引き上げ、さらに2回転分ほど差し込んで、もう一度同じように引き上げます。


支点が2カ所あるダブルアクションの場合は8回転分ほど差し込んだ後、最初に上側の支点に引っ掛けてコルクを引き上げた後、ソムリエナイフの体勢を立て直して下の支点に引っ掛け直し、残りの部分をゆっくりと引き上げます。


瓶口に入った部分が残り5ミリほどになったら、フック部分を瓶口から外し手でコルクをゆっくりと左右に揺らしながら引き抜きます。抜ききった後は、瓶口に付着した汚れをナプキンなどで拭き取るようにしましょう。



最初はなかなか上手く抜栓できないかもしれませんが、回数を重ねれば必ずスマートできるようになります。是非トライしてみて下さい。

抜栓後の保存

飲み残したワインを保存する時、もともとついていたコルクで再び栓をすることが多いでしょう。最も手軽な保存方法ですが、その時ちょっと気を使うだけで残ったワインの状態は随分違ってきます。


ワインは抜栓すると空気に触れ一気に酸化が進むので、飲み残したワインはできるだけ空気に触れさせないようにして保存することがポイントです。

ラップを巻く

ラップが巻かれたコルク

コルクで再栓する場合はコルクにラップを巻くと良いでしょう。コルクの隙間を塞ぎ、ボトルとコルクを密着させることができるのでより空気を遮断することができます。


ただ、密封しているわけではないので、ワインの酸化は進みます。ワインによっては酸化が適度に進み、抜栓直後より2日目、3日目の方が好みの味わいになっていることもあるので、この方法でワインの味わいの変化を楽しむのも面白いかもしれませんね。


デイリーワインなら冷蔵庫保存で2〜3日なら問題ありません。

保存器具を使う

アンチ・オックス

ワイン専用の保存器具を使って保存する方法もあります。コルクで栓をするより長持ちするので一つ持っておくと便利です。


専用のポンプと栓を使ってボトル内の空気をポンピングして吸い出し、真空状態にしてワインを新鮮に保つワインストッパー、酸化防止カーボンフィルターが内蔵された「アンチ・オックス」、更には特殊なニードルでコルクに穴をあけ、不活性ガス(アルゴンガス)をボトルに注入しながら、ワインをグラスに注ぐことのできるプロ向きのワインオープナー「コラヴァン」などがあります。

まとめ

コルク栓が単なるワインの栓として捉えられていたなら、もはや世界中のワインはスクリューキャップに取って代わっているはずです。そうならないのは、多くの人がコルク栓に歴史的文化的価値を見出しているからではないでしょうか?


ソムリエナイフでスマートにコルクを抜栓できるようになると、よりワインライフが楽しくなりますよ。これは間違いありません。

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