ロマンチックな父に贈る、思い出を呼び覚ます赤ワイン

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ライフスタイル
公開日 : 2021.5.26
更新日 : 2023.7.12
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伊藤 華子(Hanako Ito)

ワインショップ・エノテカ 六本木ヒルズ店 勤務
JSA認定ソムリエ、WSET level3

ワインを好きになったきっかけ:前職のレストラン勤務時代、ワインを嗜むお客様の豊かで楽しげな雰囲気に憧れ「わたしもそっち側へ行きたい!」と思い、飲み始めたのがきっかけです。趣味:最近アコースティックギターを買ったので、練習しています。好きなワイン:バローロ・マルチェナスコ / レナート・ラッティ。

父との思い出は、今でも鮮明に、たくさん覚えています。

父が飛行機の整備士をしていたこともあり、思い出の端々にはよく飛行機が登場します。

子供の頃、父の職場である空港へ、兄と3人で遊びに行ったこと。飛行機に乗ってロンドンやパリを旅行して、眠い目を擦りながら夜のシャンゼリゼ通りを2人で散歩したこと。地元である千葉の海へ、飛行機のレースを観戦しに出かけたこと。そして日本人のパイロットが優勝して、歓声を上げて喜びを分かち合ったこと。

そんな父との時間は、いつも私をロマンチックな気持ちにさせてくれて、数々の思い出は記憶の中でいつまでもキラキラと輝いています。

そんな父にぜひ送りたいのが、シャトー・マレスコ・サン・テグジュペリ。

シャトーの名前は、「星の王子さま」や「夜間飛行」で有名な作家のアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの曽祖父が、このシャトーを所有していたことに由来しています。「星の王子さま」は世界的に有名な作品で、皆さんも読んだことがあるのではないでしょうか。

作者であるサン=テグジュペリは、郵便輸送の飛行機パイロットをしており、その経験に基づいた作品を残しています。中でも「夜間飛行」は詩的な表現が多くどこかロマンチックで、私のお気に入りの作品です。

そんな「飛行機」にまつわるエピソードを背景に持つこのワインは、父へのプレゼントにぴったり!

私と父の数々の思い出を、呼び覚ましてくれるようなワインです。

こちらのシャトーの畑の一部は、かの有名なシャトー・マルゴーの畑に隣接しており、抜群のロケーション。凝縮度の高いブドウから、素晴らしいワインが造られます。

カシスやブラックプラムのたっぷりとしたフルーツのアロマに、木樽由来の香ばしさが重なり、上品にまとまっています。口に含むと程よい果実味が滑らかで心地よく、うっとりさせてくれる素晴らしい仕上がりです。

このワインを飲みながら思い出話をしつつ「また飛行機に乗って旅行へ行きたいね」と、初夏の夕暮れに父と語り合う様が目に浮かびます。

皆さんもぜひ、ご自身のお父様とワインを共有して、お2人の思い出や、これからの未来を語り合ってみてはいかがでしょうか。素敵なワインがあれば、きっとロマンチックな時間になるはずです。

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