【スタッフが語る】樹齢50年の古樹から造られるボジョレー・ヌーヴォー
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ボジョレー・ヌーヴォーの解禁まで残り1週間となりました。
秋の新酒の解禁がより一層楽しみになるよう、そしてボジョレー・ヌーヴォーの魅力を存分に知っていただくために、エノテカスタッフのボジョレー・ヌーヴォーへの想いをお伝えします。
今回は23年前のボジョレー・ヌーヴォー解禁直前に入社されたという、ワインショップ事業部の村上さんにお話を伺いました。
伝え続けるボジョレー・ヌーヴォーの魅力
―これまでのボジョレー・ヌーヴォーの中で最も印象的な年はいつでしたか?
2003年です。今の記憶だとおぼろげですが、圧倒的に違うなと思うのは日照量。フランスで歴史的熱波がありました。
なので、ものすごく凝縮感があって特殊な年でした。ヌーヴォーらしいかと言われるとそうではなく、果実の凝縮した味わいがすごく強かったです。
当時、高輪店で店長をやっていたのですが、初日でほとんどが売れてしまうくらいすっからかんな状態になりました。長く販売に携わっていますが、ああいう売れ方をするのは異例ですね。
「100年に1度の出来」と謳われるほど前評判もすごかったですし、報道によって日本の方でもヨーロッパが暑かったというのを認知していましたし、それゆえにという感じですね。
―では、村上さんが思うボジョレー・ヌーヴォーの魅力って何ですか?
やっぱりタイユヴァンのボジョレー・ヌーヴォーと他のものとの違いは「ヴィエイユ・ヴィーニュ」にあると思います。
今でも、解禁日には売り場に立ってお客様に直接「ヴィエイユ・ヴィーニュってご存知ですか?樹齢50年の古樹のブドウからできているんですよ」と説明しています。
ヴィエイユ・ヴィーニュって高樹齢のブドウ樹のことで、定義はありませんが30年くらいが普通だと思います。それがこのタイユヴァンの「ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー ヴィエイユ・ヴィーニュ」は50年、すごいですよね。
古樹なので根っこがそれだけ地に伸びていて栄養や水分を引き上げることができます。だからこそ味わいに深みがあると思うのです。
フレッシュで酸もちゃんとあるのですが、余韻が長く舌の上をさらさらと流れていく感じが心地良く、輪郭がはっきりしたワインだなと毎年感じますね。
イメージが覆った白のヌーヴォー
―毎年購入するお気に入りの1本はありますか?
タイユヴァンのものはロゼや白も含めて1、2本買って帰りますね。
タイユヴァンの白のヌーヴォー「マコン・ヴィラージュ・ヌーヴォー ヴィエイユ・ヴィーニュ」、あれが美味しいんですよ。
何十年も前の話ですが、このタイユヴァン・マコンが入荷するまでお恥ずかしながらヌーヴォーの白ワインって飲んだことがありませんでした。勝手なイメージで新酒だから“キリっと爽やかフレッシュ”というのを想像していました。
それが飲んだらボリューム感があってブルゴーニュの村名クラスのシャルドネのような味わいで、美味しくて驚いた記憶がありますね。
この白ワインもヴィエイユ・ヴィーニュですしね!やっぱり美味しいです。
―いつもどのように楽しんでいますか?
一人で飲むことが多いので、どんなワインを飲むにも二日くらいかかるのですが、このワイン、二日目でも美味しく飲めるんです!
初日にツンとして尖ったイメージがあるものがもうちょっと柔らかくなって、二日目に飲んだ時のほうがボリューム感が出るような気がします。
そういった変化も楽しんでもらえたらうれしいですね。
後は、いつもボジョレー・ヌーヴォーは解禁日に買って帰って夕飯を用意してくれる妻に一口飲んでもらいますね。
―なんだか素敵ですね!
いや、別にそんな大したことではないですが(笑)
普段、妻はそこまでワインを飲むわけではありませんが、ボジョレー・ヌーヴォーが解禁したと言うといつも喜んで飲んでくれて「お!美味しいね!」と返してくれます。
ボジョレー・ヌーヴォーってそういうささやかな幸せを毎年繰り返すものだと思いますね。
だから毎年飲んで、今年もこの季節が来たなぁと私も一人の消費者としてしみじみとします。
「100年に1度の出来」と謳われた2003年のボジョレー・ヌーヴォーは「好みではなかった」と語った村上さん。
「不作の年とかあまり前評判が良くない年のほうが、酸が心地良く感じられて好きなんですよね」と教えてくれました。毎年の出来は様々ですが、自分のお気に入りの年を見つけるのも楽しみになりますね。
2020年はどんなボジョレー・ヌーヴォーに仕上がっているのか、11月19日の解禁が待ち遠しくなってきました!ぜひ今年の味をお確かめください。