11月21日(木)に解禁したボジョレー・ヌーヴォー。現地からボジョレーワイン委員会の最新情報が到着したので、スタッフの試飲レポートと共にご紹介します。
生産量は去年の半分
© Etienne Ramousse / Inter Beaujolais
今年は生産者にとっても大変な年でした。春には畑が凍り、乾燥やみぞれが何度も降るなど、厳しい状況が続きました。
こうした気候不順の影響で2019年のワインは北から南にかけて質の差が大きいという結果となりました。
収穫量も少なく、昨年に比べると半分ほどで、生産高も過去5年間の平均と比べて25%も減少しました。
風味が明瞭なワイン
© Etienne Ramousse / Inter Beaujolais
とは言え出来上がった初物ワインを試飲してみると、このヴィンテージはかなり有望です。
8月に降った雨が畑に栄養を与え、ブドウの実が熟すタイミングでは好条件が整い、成熟して収穫された時には理想的な酸味となっていました。衛生管理も問題なく糖分もたっぷり、欠かせない酸味とのバランスにも優れた産物です。
収穫時期も早すぎず遅すぎず、ボジョレーのガメイ種のブドウの特徴であるブドウのさわやかさがしっかりと感じられる。長期保存の可能性もありそうで、風味が明瞭なワインとなりそうです。
収穫量が少なかったため、かえってバランスが優れている
酒販店Oedoriaの代表、フィリップ・ティラルドン氏によると、『今年は普通とは違う年でした。収穫量が少なかったためにかえって、アルコール分、酸味、ポリフェノール成分といった要素のバランスが優れています。最初にテイスティングした作品はとてもしっかりした味わいの中にブドウの風味、つまりフレッシュさも保っているのを感じました。』
以上、全てボジョレーワイン委員会によるプレスリリースより抜粋
実際の味わいは?
こちらはエノテカで一番人気のタイユヴァンのボジョレー・ヌーヴォー 見て下さいこの輝き!
では実際に今年の味わいはいかに?! ということで、早速スタッフが今年のボジョレー・ヌーヴォーをテイスティングしてみました。今回味わったのは、エノテカでも一番人気のタイユヴァンによる「ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー ヴィエイユ・ヴィーニュ」。
グラスに注ぐと、とても輝きのある艶っぽいガーネット色。しかも十分に濃い色調で、有望のヴィンテージであることがわかります。
フレッシュなラズベリー、イチゴ、キャンディーのようなアロマに、ガメイらしい爽やかなスウィートハーブのニュアンス。ギュッと詰まった果実味と程よい酸味のバランスがよく、「チャーミング」というよりは、もう少し落ち着きのあるしっとりとした味わいです。
グレートヴィンテージと言われた昨年2018年の濃厚なスタイルと比べ、よりフレッシュさが感じられるバランスのとれた味わいで「期待のもてるヴィンテージ」というコメントが十分納得できる仕上がりでした。
ワインラヴァーにとっては、今年のワインの出来を占う重要なイベントであるボジョレー・ヌーヴォー。まだ試していない!という方はぜひお早めに試してみてはいかがでしょうか?