美食の地、カタルーニャ仕込み!スペインワインに合う絶品タパス

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レシピ
公開日 : 2019.8.1
更新日 : 2019.12.20
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美食の地として名高いスペイン・カタルーニャ地方。
今回、スペイン在住歴もある料理研究家の丸山久美先生に、カタルーニャの豊かな食文化の秘密と、スペイン・カタルーニャ地方で誕生し、世界100カ国以上で愛飲されるスペインワインの代名詞、サングレ・デ・トロシリーズに合う絶品タパスのレシピを教えていただきました。
ぜひご自宅でワイン片手にタパスをつまみながら、バルセロナのバル気分を味わってみてはいかがでしょうか。
目次

美食の地、カタルーニャ

カタルーニャといえば、州都のバルセロナ、世界屈指のサッカーチーム「バルサ」、ガウディの建築、ダリやミロなどの芸術家たち、音楽家のカザルスなどが思い浮かぶ方が多いでしょうか。
カタルーニャはスペインの中にありながらも独自の言語や文化を持つ地方。食文化もまたスペインの中では異彩を放っています。
古く中世の頃から美食の地と名を馳せていたカタルーニャ。今でもミシュランの星を持つレストランがスペインの中でもっとも多く、「美食の地」の名を誇っています。
スペインの北西部に位置し、東には美しい地中海の海原、北にはフランスとの境に広大なピレネー山脈、内陸には肥沃な土地が広がり、その自然は変化に富んでいます。それぞれの地域に魚介、野菜や果物、豆類、乳製品、きのこなど多彩で豊富な食材が育まれています。
おおらかな自然からの産物はどれも上等で美味。それら自然の贈り物を上手に生かすのがカタルーニャの郷土料理です。
海と山の幸を合わせた贅沢なカタルーニャの米料理
その中でもカタルーニャ料理の特色が際立つ料理といえば、海と山の幸を合わせた「海と山 (カタルーニャ語ではmar i muntanya)」スタイルの料理。イカと肉団子を一緒に煮込んだり、海老と鶏肉を煮込んだり、魚介と肉類を入れた米料理など贅沢に両方の旨味を生かすという醍醐味はカタルーニャならではです。
地中海料理でもあるカタルーニャ料理。他の地中海沿岸の国々と同じようにオリーブオイル、玉ねぎ、トマト、にんにくを頻繁に使います。
よく炒め甘くした玉ねぎで作るトマトソースやたっぷりのオリーブオイルは料理の味を決める大切な役割をしています。
そしてやはり地中海らしい産物、アーモンドやヘーゼルナッツ、松の実などのナッツを料理からお菓子まで多彩に使います。
そのまま野菜や魚介と炒めたり、ふりかけることはもちろんですが、パン、にんにくと一緒にローストして乳鉢でつぶして作る「ピカーダ」は魚介料理や海と山スタイルの料理、肉料理などの調味料として使い、料理に風味とコクを与えます。
「カタルーニャ風」と呼ばれる料理にはこの「ピカーダ」が使われていることが多いです。
さらにトマト、乾燥赤パプリカ、スパイスなどをプラスして作る「ロメスコソース」は元々魚料理に漁師が使っていたソース。今でも魚や野菜の煮込みに使ったり、サラダや焼きネギにも欠かせません。
生ハムを載せたパン・コン・トマテ
カタルーニャの食文化の中でもっとも注目すべきは主食のパンにトマトをぬる習慣があることです。
パン・コン・トマテ(カタルーニャ語ではパン・トゥマカ)と呼ばれ、家庭でもレストランでもパンにはトマトが添えられ、各自でトマトを半分に切り、パンの側面にトマトの皮だけが残るくらいに果肉をすりこみます。そこにオリーブオイルと塩をふり完成。
赤ちゃんがミルクの味の次に覚えるのはパン・コン・トマテだと言われるほど。朝食から夕食まで、そして食事どきのパンだけではなくサンドイッチやバゲットサンドにもトマトをぬるのがカタルーニャ流です。

ワインに合うタパスの作り方

さて、ここからはカタルーニャでポピュラーなタパスを3品ご紹介します。ご家庭でも簡単に作れるレシピなのでぜひ気軽に挑戦してみてはいかがでしょうか。

バルの定番。“爆弾”という名のコロッケ「ボンバ ~Bomba~」

州都バルセロナは活気に満ちた街。バルの数も多く、それぞれのお店の個性的で美味しいタパスやピンチョスが人気です。バルセロナっ子も観光で訪れる人たちもバル巡りには余念がありません。
そんなバルで生まれたボンバ(爆弾)という名前を持つコロッケ。ちょっぴり辛いトマトがベースのブラバスソースやカタルーニャの人たちに欠かせないにんにくと卵黄とオリーブオイルで作るアリオリをたっぷりかけていただきます。
ここでは作りやすいように挽肉に唐辛子でほんのり辛く(辛さは唐辛子の種の量で調整してください)、アリオリの代わりにはマヨネーズを使っています。

【材料】(8個分)
じゃがいも  2個(約220g)
牛乳     大さじ11/2〜2
合挽肉    100g
にんにく        1片
赤唐辛子    1本
小麦粉     小さじ1

a
トマトペースト 大さじ2
砂糖               小さじ1/2
塩                  小さじ1/4
黒こしょう       少々

衣(卵1/2 小麦粉、パン粉各適量)
オリーブオイル 小さじ1
揚げ油         適量
マヨネーズ       適量
タイム             少々

【作り方】
1. じゃがいもは皮をむき、輪切りにし茹でる。やわらかくなったら熱いうちに潰し、牛乳、塩、こしょう各少々(分量外)を入れて混ぜる。
2. 赤唐辛子は半分に切る。にんにくはみじん切りにする。
3. フライパンにオリーブオイルと2を入れて炒める。挽肉を加え茶色くなるまで炒め、小麦粉を加えさらに炒める。赤唐辛子を取り除き、aを加えて炒めながら混ぜ合わす。
4. 1を8等分にして手のひらに広げ、中央に3を入れて丸める。小麦粉、溶き卵、パン粉の順に衣をつけ、揚げ油でこんがりと揚げる。できあがりにマヨネーズをかけ、タイムの葉をふる。

「ボンバ」にオススメのワイン
サングレ・デ・トロ・カヴァ
詳しくはこちら

白ワインに合う!簡単パスタパエリア「イカ墨のフィデウア ~Fideus negre~」

中世の頃にイスラム教徒からスペインに伝わったといわれているショートパスタを使ったパエリアです。漁師さんたちから始まったイカ墨ご飯(パエリア)と共にカタルーニャの代表的な料理。しっかりとパスタを炒め、じんわりと出汁を染み込ませていきます。
ここではアサリの出汁を使っていますが、魚介のスープを使えばさらに本格的。つめたく冷やした白ワインと一緒にどうぞ。

【材料】(2~3人分)
パスタ(フェデリーニ)120g
イカ  1杯
あさり 250g
玉ねぎ 1/2個(100g)
トマトペースト 大さじ1
にんにく 1片
イカ墨ペースト 3パック(12g)
白ワイン  大さじ3
オリーブオイル 大さじ1
レモン、マヨネーズ 各適宜

【作り方】
1. パスタは3cm長さに折る。
2. 鍋に砂抜きしたあさりと水3カップを入れ、殻が開いたら取り出し、殻から身を外す。イカ墨ペーストを水大さじ1で溶き、あさりのだし汁に加え混ぜる。
3. 玉ねぎ、にんにくはみじん切りにする。イカは内臓ごと足を抜いて、胴は軟骨を除き2cm角に、足は目と口を除き2cm長さに切る。
4. フライパンにオリーブオイルを温め、玉ねぎとにんにくを炒める。玉ねぎがしんなりとしたらトマトペーストとをイカを入れ、さっと炒めたらワインを入れ煮つめる。1を入れて3分中火で焦げないように混ぜながら炒める。
5. 温めた2を入れ沸騰したら6〜7分煮込む。途中、水分がなくなりそうならお湯を足す。あさりを加え混ぜ強火で水分がなくなるまで煮つめる。
6. 好みでマヨネーズをかけ、レモンをしぼる。

「イカ墨のフィデウア」にオススメのワイン
サングレ・デ・トロ・クラシコ・ブランコ

赤ワインが進む!野菜の旨味たっぷりの伝統料理「鶏肉のサンファイーナ ~Pollastre amb samfaina~」

野菜の甘さと旨味がたっぷりのカタルーニャの伝統料理”サンファイーナ”。地中海沿岸の様々な国でも同様の料理があり、南仏のラタトゥイユが馴染み深いかもしれません。地中海食の代表料理でもあります。
カタルーニャではそのままパンと食べたり、揚げ卵を落としたりして食べますがソースのひとつという位置づけでもあり、鶏肉をはじめ干し鱈やマグロなどと煮込みます。
鶏肉と煮込むこの料理もメインではもちろん、タパスで出てくると赤ワインが進むうれしい一皿です。

【材料】(2人分)
鶏もも肉  1枚
玉ねぎ   1/2個
ピーマン  1個
赤パプリカ 1/2個
ズッキーニ 1/2個
米ナス   1/4個
トマト水煮  200g
にんにく  1片
タイム   1〜2本
ローリエ  2枚
塩  小さじ1/4
黒こしょう 少々
砂糖 小さじ1/2
オリーブオイル 大さじ1

【作り方】
1. 鶏肉は4つに切り、余分な脂を取り除き、塩、こしょうをふる。
2. 玉ねぎとにんにくはみじん切りに、その他の野菜は全て1〜2cm角に切る。
3. 鍋にオリーブオイルを温め、1の全体を中火でこんがりと焼く。取り出す。
4. 玉ねぎを炒める。しんなりとしたら、他の野菜を加えさらに炒める。トマト水煮を崩しながら入れ混ぜ合わせ、塩少々と砂糖を入れる。鶏肉を戻し、タイムとローリエをのせ、蓋をし弱火で15〜20分煮込む。焦げないように時々混ぜる。

「鶏肉のサンフィアーナ」にオススメのワイン
サングレ・デ・トロ オリジナル
詳しくはこちら
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