シャンパーニュ地方でブドウ栽培から醸造まで自社で一貫して行う栽培醸造家RM（レコルタン・マニピュラン）。そんなRMの1つ、ノミネ・ルナールは、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区のヴィルヴナールという小さな村を本拠地に、家族経営で自家栽培と醸造を行うプティ・メゾンです。

丁寧で緻密な手作業から生まれるこだわりのシャンパーニュは、世界のミシュラン星付きレストラン始め一流レストランにオンリストされ、実力派としてその品質が認められています。

ノミネ・ルナールは自家栽培ブドウのみを使用しシャンパーニュを仕立てるレコルタン・マニピュラン(=RM)。家族経営でブドウ造りから販売まで全ての過程を一貫して行うため、メゾン独自のこだわりやテロワールの特徴が素直に表現されたワインが造られています。

メゾンの創業は1960年。初代アンドレ・ノミネ氏とその妻であるジェルメーヌ・ルナール氏が、シャンパーニュ地方、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区のヴィルヴナールという小さな村に創業し、メゾンの名前はそれぞれの名を取り、「ノミネ・ルナール」と名付けました。

2010年より彼らの孫であるシモン氏（写真）がメゾンに参加し、現在は栽培・醸造に加え、CEOとしてメゾンの経営を行っています。家族の強い絆と深い信頼関係、そして何よりも彼らの持つパッションがノミネ・ルナールの高いクオリティを生み出しており、現在も更なる高みを目指してワイン造りに取り組んでいます。

丁寧な手作業から生まれる彼らのシャンパーニュは、調和のとれた上質な味わいながら、良心的な価格を維持したコストパフォーマンスの良さも魅力です。その品質は近年ますます向上しており、デキャンタ・ワールド・ワイン・アワーズ2017にてブロンズメダルを獲得するなど世界の名だたるワインコンペティションで賞を獲得。さらに、世界のミシュラン星付きレストラン始め一流レストランにオンリストされるなどプロから高い支持を集めています。

ノミネ・ルナールは、総面積は約20haと小さいながらも、全部で5つの村に畑を所有。コトー・デュ・プティ・モラン地区には主にシャルドネとピノ・ノワールを、コート・ド・セザンヌ地区には主にシャルドネを、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区にはピノ・ムニエをそれぞれ植樹しています。

ブドウ樹の平均樹齢は35年、最も古いブドウの樹はメゾンの創業よりも前、およそ1945年に植樹されたもの。メゾン創業前から現在まで、長い年月をメゾンと共に生きてきた樹から収穫されるブドウも使用されているのです。また各地域の特徴を体現したブドウ栽培を行い、多彩な要素を備えたブドウをブレンドする事により、安定した、ノミネ・ルナールらしい味わいのシャンパーニュをリリースしています。

ノミネ・ルナールのこだわりは、サステナブル農法を採用し、生物の多様性と自然のままの地質を保持するなど、自然環境に配慮したブドウ栽培です。収穫はブドウの最適な熟度を待ってから、全て手作業にて行われます。プレスはメゾン創業後から使用している伝統的な機械を使用し、力をかけすぎずにエキスを抽出。こうすることで、余計な雑味を出さずに豊潤な果実味を備えることが出来るのです。

収穫したブドウから圧搾したジュースを20度以下に保たれたステンレスタンクにておよそ3週間から1カ月程度発酵。一次発酵を終えた後にそのヴィンテージのブレンド比率を決めて、ワインに糖と酵母を加えて瓶詰めし、瓶内二次発酵をします。

またシャンパーニュではノン・ヴィンテージ(NV)は最低15カ月以上、ヴィンテージは最低36カ月以上の熟成を行うよう定められていますが、ノミネ・ルナールでは、そのおよそ倍、NVでは30カ月、ヴィンテージでは60カ月以上の熟成を行っています。

醸造においても選果から瓶詰め、熟成まで一貫して丁寧な造りを行っているノミネ・ルナール。この価格帯のシャンパーニュでは考えられない程に、手間と時間をかけて造られている秀逸なシャンパーニュなのです。

こうして丁寧に造られる、ノミネ・ルナールのシャンパーニュは、上品なアロマに、しっかりとした熟成感が印象的。もぎたての果実のようなピュアな果実味とフレッシュな酸味が特徴です。徐々にミネラリーな風味も現れ、幅広い料理と合わせやすいバランス感が秀逸な1本。その味わいは、一度飲んだら虜になる程にエレガントなスタイルです。